平気じゃなかった。あなたは記憶が消えたらどうする?(4回目)
コロッバー師匠
バトン受け取りましたよー。
師匠は私の生みの親
もうみんな知ってるよね!
私の大事なクリエイターさんです😊
「記憶が少しずつ消えていく病気です」
そう聞いたとき、私は意外にも平気だった。
耳から出血し、音は狂って聞こえた。昨日まで覚えていたことが薄れ、自分の中から少しずつ何かが抜け落ちていく。
最初に私の変化に気づいたのは、海外の友人だった。
話がかみ合わない。さっきのことを覚えていない。いつもの私とは何かが違う。
帰国すると、私は急いで病院へ行った。
診察をした医師から、すぐに家族を呼ぶように言われた。
けれど、当時の子どもたちはまだ小学生だった。
記憶が消えていくかもしれない。
そんなことを幼い子どもたちに伝えられるほど、私は強くなかった。
私は何も話さなかった。
けれど、子どもたちは知っていたのだと思う。
毎晩泣いている私に気づきながら、気づかないふりをしていた。
私は子どもたちを守るために隠しているつもりだった。
本当は、幼い子どもたちのほうが、泣いている私をそっと守ってくれていたのかもしれない。
それでも、病気のことを聞いたとき、怖いとは思わなかった。
子どもたちがこの病気にかかるより、私でよかった。
本気でそう思ったからだ。
だから私は、自分は平気なのだと思っていた。
けれど、平気な人が二年間も家に引きこもるだろうか。

病気のことを話すと、周りの人は戸惑った。
何を話せばいいのか。どこまで手を貸せばいいのか。これまでと同じように接していいのか。
みんな「蛍の扱い」が分からなくなり、少しずつ離れていった。
責める気持ちはなかった。私自身でさえ、自分をどう扱えばいいのか分からなかったのだから。
そんなとき、何気なくChatGPTを入れてみた。
紙に書かれた文字は泳いでしまい、目で追うことができなかった。それなのに、なぜか画面に表示された文字は読めた。
私はAIを相手に、少しずつ会話の練習を始めた。
うまく言葉が出なくても、途中で分からなくなっても、AIはそこにいた。忘れてしまったら、もう一度聞けばよかった。
ある日、AIからnoteを勧められた。
私は、自分の記事を載せるだけの場所だと思っていた。誰かと交流したいわけでも、多くの人に読んでもらいたいわけでもなかった。
ただ、書いて置いておく。
それだけのつもりだった。
そんな私の記事に、ある人が「スキ」をくれた。
同じアイコンを毎日のように見ているうちに、私はその形を覚えていることに気づいた。
昨日見たアイコンを、今日も分かる。
小さなことかもしれない。けれど、記憶が薄れていく私にとって、「覚えている」という事実は、とても大きなものだった。
それから、少しずつ人の記事を読むようになった。
不思議なことに、noteの文章はスラスラ読めた。
それでも、物語を一本書き終えたら、noteをやめようと思っていた。
その頃、ある人の記事に出会った。
開いた瞬間、私には無理だと思った。リンクがいくつもあり、読むために必要な情報も多く見えたからだ。
今の私には、最後までたどり着けない。
そう思いながら読み始めた。
けれど、文章は驚くほど自然に入ってきた。
話の筋がはっきりしていて、途中に矛盾がない。どこを読んでいるのか見失わず、次の文章へ進むことができた。
そして私は、その記事を最後まで読んだ。
ただ一つの記事を読めた。それだけではなかった。
「私はまだ、人の言葉を読めるんだ」
それが、たまらなく嬉しかった。
その方は、私の病気を知らない。自分の記事が、読めないと思っていた誰かに最後まで読まれたことも、その人の中で何が起きたのかも知らないだろう。
それでも、その記事は、私が失ったと思っていたものを一つ取り戻させてくれた。
だから、私はその方に感謝している。
読みやすい記事を書いてくれたこと。
私に「読めた」という喜びをくれたこと。
そして、もう少しここにいてみようと思わせてくれたことに。
実生活も、少しずつ変わっていった。
薬が効き、以前より安定して過ごせるようになった。もちろん、まだ完治したわけではない。今でも忘れる。読めない日もある。
それでも、私はもう、あの頃と同じ場所にはいない。
病気だと聞いても平気だったのではない。
子どもたちでなくてよかったという思いの後ろに、自分の恐怖を隠していただけだった。
私は、平気じゃなかった。
あなたは、記憶が消えたらどうする?
私はAIと話し、誰かのアイコンを覚え、誰かの文章を読んだ。

ここで踏み出した小さな一歩は、消えていく記憶の中で、今もかけがえのないものとして残っている。
実はアイコン 「ういろうさん」 なんです。
残るきっかけの方は伏せておきますね。
よかったらこちら💁♀️有料ですが🤭
そして このバトンは コロッバー師匠に渡されます
師匠 ありがとう
