[ フラッペが溶けたって ]:シロクマ文芸部(熱帯夜)
─ 5人の夏祭りは終わらない ─
コチラのお題に参加しました〜
一応、オリジナルの掌編小説ですが、正直に言います。
登場人物の5人は、何度も読んだ、とある有名作品を想像しながら書きました。
さー、なんの作品でしょう! なんてね〜😊♪

[ フラッペが溶けたって ]
「熱帯夜で良かったね」
Tシャツに短パン姿の直美が言う。
「うだるような暑さじゃないし、最高だな」
日焼けした肌の博正が言う。
「ボクには少し暑いかなぁ」
と、杏太が頬をポリポリしながら言った。
三人は夏祭りの会場から少し離れた、小高い丘の斜面に並んで座っていた。
ここからは、小さな町の夜景を見下ろすことができた。
「おまたせ」
二人の女子が丘を登って来る。
「待ってましたー!」
直美が両手を上げた。
「ハイ、直ちゃんには私の特別な気持ちのこもった氷をあげる」
パメラは、両腕に抱えたフラッペをひとつ直美に渡す。
「あ、いちご味、さすがパメラ、私のこと分かってるね」
直美は受け取って、座ったまま、ぴょんぴょんと跳ねた。
「お、じゃあ、オレには何味をくれるんだ」
と、博正が急かすと、
「博正にも、私の素直な気持ちのこもった氷をあげよう」
と、真っ黒なフラッペを差し出した。
「なんだよ真っ黒かよ」
博正はそう言いながらも、「コーヒー味は好きだぜ、ありがとう」
パメラは微笑を浮かべながら、直美の横に座った。
「ハイ、杏くんにはコレね」
エレナが、両手に持ったフラッペを、ひとつ差し出した。
「ありがとう、ブルーハワイかな、好きだよこれ」
「ふふふ、よかった」
と、エレナは言いながら、杏太の横に座った。
「それでは、いただきます〜」
直美の合図で、皆でストロー型のスプーンでフラッペをすくった。
「くーぅ、美味しい〜」
直美が言うと、
「たまんね〜、やっぱ最高だな」
博正が答える。
「あー、頭がキーンとする〜」
エレナが言うと、
「ほんと、こめかみに来るね」
と、杏太はこめかみを抑えながらも「でも、すごく美味しい」
それを受けて、博正越しに直美が身を乗り出して「そうでしょう、熱帯夜に食べるフラッペは最高だよね」
と、満面の笑顔で話す直美を見た杏太は、「そうだね、最高だね」と答えてから、慌てて下を向いて、無造作にフラッペを口に運んだ。
真っ赤な顔をしている杏太を見て、エレナはクスッと笑った。
直美の横からパメラが、「直ちゃんの場合は、熱帯夜とか関係なく、なんでも美味しそうに食べるじゃん」
「ははは、それもそうだね〜」
直美は豪快に笑って、フラッペをストローですすって「くーぅ、夏祭りサイコー」
と、フラッペを高く上げた。
すると、紙コップの表面についていた水滴が、博正の腕にかかった。
「冷たっ、でも、ちょうどいい」
博正は嬉しそうに言った。
「早く食べないと、せっかくのフラッペが溶けちゃうね」
そう言いながら、直美はセッセッと口に運ぶ。
みんなもそれに続いた。
遠くからは、祭囃子が聞こえてくる。
「それにしてもさぁ」
博正がぼそりと言う「夏祭りなのに、誰も、浴衣着てないのな」
「えっ、」
と、直美がキョロキョロする。
パメラとエレナは半袖のブラウス。
杏太は半袖シャツ。
直美と博正はTシャツ。
みんな普段と変わらない格好。
「あらあら、誰かさんの浴衣姿を期待してたのかな〜」
パメラが、いたずらっぽい目を博正に向ける。
“ゴホン、ゴホン”
なぜか杏太が激しく咽せた。
「とは言え、あたしたちらしくて、いいんじゃない」
と、パメラが言うと、
「そうだよ、逆に、浴衣なんて着ちゃうと、落ち着かなくなっちゃう人もいるかもだよ」
エレナは言った後で、杏太をチラッと見た。
「そうだエレナの言うとおりだ」
と、博正は言った後で「直美が浴衣とか着たら、笑いが止まらなくて祭りどころじゃないよな」
「なにお!」
直美はしばらく博正を睨んだが、すぐに「ま、いいか」と正面を向いた。
そして、
「熱帯夜に、みんなとフラッペ、サイコー!」
と、大きく背伸びをした。
今度は、溶けたフラッペが、博正の腕に飛び散った。
みんなそれに気づいた。
でも、何も言わず、直美に向かって、
「サイコー!」
と、フラッペをかざして笑った。
5人の夏祭りは、これからも続く。
おしまい。
↓5人の登場人物はコチラを想像して書きました
↓住野さんのnoteはコチラ
↓前回、シロクマ文芸部に参加したお話はこちら
↓にっこりみかんの物語マガジンはこちら
おまけのみかん🍊
駅の中とかを歩いてて思ったのです。
人って、人を避けるとき、人の前を通り抜けようとする習性があるのかも?
で、Geminiに聞いてみたらこう言ってました。
はい、実際に日常のさまざまな場面で「人の前を横切る(横切りそうになる)」動きをする人は非常に多いです。
よし、これからは、人の後ろを通り抜けることにしよう。
因みに、私はバードアイの持ち主なので、人混みでも、スタスタと人を避けて歩くことができます。
サッカーをやっていたら、きっと、一流選手になっていたかもしれません。
いや、体力も気力もミジンコ並なので、ピーンと弾かれて終わりです。
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