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危機的な数字を反転させるために、まちを学び場にしたい

一度、原点に戻りたい。

なぜ私は「まちを学び場にする」ということに、ここまでこだわっているのか。

危機的な数字

日本財団が18歳を対象に行った国際意識調査がある。「将来の夢を持っている」と答えた日本の若者は62.4%。調査対象6カ国の中で、最下位だった。他の国は70〜86%だ。

「自分の行動で国や社会を変えられると思う」も52.7%で最下位。「自分の国の将来が良くなる」と思う人は、わずか15.6%。

自己肯定感、将来への希望、社会への当事者意識——どれをとっても、日本の若者は他国より著しく低い。

これは、危機的な数字だと思っている。

日本財団18歳意識調査結果第78回テーマ「国や社会に対する意識(6カ国調査)」

日本財団『第78回 18歳意識調査』(2026年)

個人の問題じゃない。構造の問題だ

この数字を見たとき、最初は「今の子どもたちは」という話に見えた。でも、そうじゃない。個々の学生と向き合い続けていると、中から湧き出てくる想いがある。

関わる大人たち自身が、社会の変化を十分に実感できていない。ある先生と話したとき、こう言われた。

「子どもたちを取り巻くマイナスがこんなに多い国は、世界でも日本だけだと思う」

別の先生からも、同じ危機感を共有してもらった。大人たちが変化を実感していないから、子どもたちに伝えられることも限られてしまう。

これは、一人ひとりの子どもの問題じゃない。社会の構造の問題だ。

まちの中で、学生たちは気づく

だからこそ、まちに出る意味がある。

多摩センターで高校生とフィールドワークや発表をしたとき、生徒アンケートや反応から、はっきりとした変化が見えた。

まちの人と話し、自分の考えを言葉にし、反応をもらう。その経験を通して、教室では起きない気づきが生まれていた。

まちで学び合うことは、特別なことじゃない。人間にとって、もっとも自然な学び方なんだと思う。

これは、小さい頃に言葉を覚え、文化に馴染んでいくプロセスと似ている。見よう見まねで必死に音にして、相手の反応を聞いて、間違いながら確かめていく。そのプロセスを経験できる余地がまだ大きく残っているのが街なかなんじゃないか。パブリックな場所は、遊びながら学べる数少ないフロンティアに思える。

教室や会社では、あまりに正解が求められすぎて、手順そのものが目的化してしまっていないだろうか。

子どもだけじゃない。大人も学び合う必要がある

そしてこれは、子どもだけの話じゃない。

大人自身も、変化を実感できていない。だからこそ、大人もまちの中で学び合う場が必要だ。

唯一の正解のない時代に、正解を教える人はいない。正解がわかる人がいないのだから。だったら、大人も子どもも一緒に、学び合いながら考えていくしかない。

これからのまちづくりにこそ、学び合いを

まちづくりも同じだ。

道路を整備することにも、プラットフォームを運営することにも、正解はない。前に書いた「話し合う場」ではなく「学び合う場」が必要だという話は、ここにもつながっている。

正解がないからこそ、学び合いながら進めていく。それが、これからのまちに必要な姿勢だと思っている。

これが、私のモチベーションだ

危機的な数字を、個人の努力だけで変えることはできない。

でも、まちの中に学び合う場をつくることならできる。子どもも大人も、一緒に学び合いながら、少しずつ数字を変えていく。

それが、私がこの活動を続けている理由だ。

今後はここにいたる活動のきっかけや実際にどんな声かけや関わり方が、生徒の変化につながったのかを書いていく。

→ 「つながりを価値にするには、発信が欠かせないと知った」


→ 「エリアプラットフォームと、学びのコーディネーターが重なる場所」

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ニシムラ/まちを学び場にしたい

地域が学びのフィールドになる仕組みを、自治体・学校・地域事業者と一緒につくっています。元多摩市役所職員(12年)。まちづくり・ふるさと納税・探究学習を一本の思想でつなぎ、2030年の学習指導要領改訂を見据えて実践中。探究学習アドバイザー、講演活動なども。

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→ @machi_manabi

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