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「ごった煮★日本語レッスン!」第3回~「デズニ―ランド」って言うとるで~



以前、台湾では「吃飯了沒?」「呷飽沒?」という挨拶言葉があることをさらっと解説した。



「吃飯了沒?」
「呷飽沒?」


ともに「ご飯食べた?」という意味である。

なぜ食事が完了したかどうかを確認するのだろう。
それについて、台湾の友人が以下のように説明してくれたことがある。


昔、台湾では食糧が十分に確保できない時期があった。
ご飯が食べられないと、当然死んでしまう。
だから、今日はちゃんとご飯を食べることができたかどうか、相手の安否確認も含めて、「吃飯了沒?」「呷飽沒?」と言い始めたんだ。

By 台湾の友人


泣かせる話である。

食糧が豊富どころか、フードロスが問題になって久しい現代。
貴重な資源をポイポイ捨てている現代人の耳をひっつかんで、最低100回は聞かせてやりたい。


ご飯は大事。
米粒の一つも残さず食べよう。
野菜の種だって、うまく調理すれば食べられる。




さて。
今回は久しぶりに「ごった煮★日本語レッスン」を行う。

アクセス数を分析すると、台湾ネタの方が遥かに受けがいい。
しかし、このnoteは私の独壇場。

何を話すか。
どんなレッスンにするか。
内容は、私が決める!!



今回は「デズニーランド」について語る。


「デズニーランド」


「え?ディスニーランドでしょ?」

「そんな下っ足らずな発音している人、いないって」

……などと、笑った日本語母語話者よ。
自分の発音を確認してみよう。
なぜなら、日本語に「ディ」という発音は、元来存在しない。



これは以前、遭遇した出来事である。

とある外国の人がディズニーランドに行ったという体験を楽しそうに話してくれた。
来日したばかりで、日本語を習得している最中だった。
ひらがなとカナカナの練習を頑張っていた。

そして、「音声だけでは伝わらないことが多い。だったら、紙に書けば、相手に伝わりやすくなるだろう」という考えの人だった。

道理である。
発音は難しい。
自分の母語でない発音であれば、なおさらだ。

だったら、紙に書けばいい。
発音が不完全でも、文字があれば意思疎通は可能である。


そして、その人は紙にこう書いた。

「デズニーランド」

耳のいい人だな、と思った。
現に、その場に言わせた日本語母語話者は、「デズニーランド」と発音していた。

「デズニーランド」

「ネズミ―ランド」と語呂が似ているな、と思った。
存在しないけどね、「ネズミーランド」。




本題に戻ろう。

例えば、以下のような文字表記がある。

ディ
ヴァ
イェ

これらは、もともと日本語の発音ではない。

外国語の発音である。

普段から外来語に慣れている人や外国語を習得している人は、発音できるだろう。
または、文字表記をすごく意識している時は、上述の発音が再現できるだろう。

しかし、外来語に慣れていない人や学校で外国語を習得したことのない人。
普段の会話で何気なく話をしている時。

「ディ」「ヴァ」「イェ」

きちんと発音しているだろうか。
きっとしていない。

十中八九、以下のように発音している。

 【文字表記】   【実際の発音】
 ディズニー   デズニ―
 ヴァイオリン  バイオリン
 イェーガー   イエーガー  


表記のまま、発音するのは結構難しい。
特に、下の方。


例えば、「イェ」という発音。

中国人に「厳さん」という人がいる。
「厳」というこの中国語の名字をカナ表記で表すなら、「イェン」が一番近いだろう。

しかし、自分の身内や勤め先の人たちは、この「厳さん」を「ヤンさん」と呼ぶ。

なぜか。

それは、中国の発音表記「併音(ピンイン)」では、「厳」を「yan」と記すからである。
(台湾では「拼音」では使わない。別の発音記号がある)

だが、悲しきかな。

中国人で「ヤンさん」と呼ばれる人。
それは「楊さん」のことである。


興味があれば、中国語辞典を引いて「厳」の発音を調べるといい。
精緻な辞典では、中国人の人名の発音をかなり正確に表している。

そして、なぜ「yan」という表記が「イェン」という発音を表すのか、考えてみてほしい。

考えれば、あっさりと答えは見つかる。




なお、自分の身内の困った話。

自分の身内は、

「厳(yan)さん」を「ヤンさん」と呼ぶ。
「王(wang)さん」を「おうさん」と呼ぶ。
「郭(guo)さん」を「ごうさん」と呼ぶ。


アルファベット表記につられた発音。
日本語の発音。
中国語……と思わせておいて、ただの日本語。


法則性がない!!


お分かりだろう。
自分の身内は、無意識に「自分が一番発音しやすい音」を選んでいるのだ。
なんというご都合主義。

間違った名前で呼ばれている人たちは、何も言わずに黙っていてくれている。
気を遣ってくれているのか。
それとも、「言うだけ無駄だ」と思われているのか。

正しい発音で呼びなさい。
人の名前は、人の魂そのものだ。


今度、その身内に会ったら、チョークスリーパーとアルゼンチンバックブリーカーをかまさなければ。
そう強く思った。




余談。


「表音不一致」は、外来語以外にも存在する。

「私は」と書くが、発音自体は「私わ」である。
かつて「食べましょう」は「食べませう」と表記した。
「今宵」は「こよい」ではなく、「こよひ」と書いた。

言葉の歴史を追っていくだけで、日常の不思議が垣間見える。




本日の課題:文字表記と実際の発音が違う単語を自分で探してみよう

「てふてふ」は、何を意味するか知ってるかい?



次回予告:資格コレクターJAPANESE



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