ハーバード大学、トランプ政権による補助金凍結を受け連邦政府を訴える!(その2)...カオスの中のバタフライ・エフェクトButterfly Effect
表紙写真:Butterfly Effect(pixabay.comより)
The pen is mightier than the sword.
「ハーバード大学、トランプ政権による補助金凍結を受け連邦政府を訴える!」(その1)に続く(その2)。マサチュセット州の一角で起きたこの訴訟はカオス理論 (chaos theory) の バタフライ・エフェクト(butterfly effect)的現象を起こすかもしれない。いや起きている。
現下のグローバル社会の状況はまさにカオスそのもの。その発端はトランプ大統領による大統領令だ。世界中がその対応におおわらは先行きがまったく見えない。大統領ご自身にも分からない。この2日3日は次の事態が起きた。
FRB連邦準備制度理事会16代議長ジェローム・パウエル氏(Jerome Powell) を交代させると仄めかしたところニューヨーク株式は暴落、それを見てすぐさま撤回、すると株は又跳ね上がる。まさにバタフライエフェクトそのものだ。大統領ご自身は自分の目論むことを実現しようと口に漏らしたことが予想もしない大事態に発展した。
今回のハーバード大学補助金凍結も似た構図である。トランプ政権の思惑は反ユダヤ主義を掲げて抗議活動をする留学生の追放するための措置として大学側に”アメリカの価値観・制度”に”敵対する”学生の調査と追放を要求した。大学が屈して大統領をなだめるか(appease)とおもいきや要求を拒絶した。それに対する報復として補助金凍結を行った。ここまでは政権もある程度予想したシナリオであったであろう。
しかし、首切りを示唆したPowell氏が毅然と立ち向かった様に、ハーバードは毅然として政権を相手に訴訟を起こした。政権の予想とは外れた事態であったと思う。ここからどう拡大していくのか?
前回述べたように世界最高の法曹界と言えるハーバード大学法曹界を向こうに回してしまった。政権内でも議会でも共和党であろうが民主党であろうが議員(lawmakers)の中に多数いる。少なくともObama氏ら民主党のハーバード出身lawmakersは一斉にハーバードの支援に回るであろう。
更に世界中に散らばって活躍するHarvard Law卒業生も黙っていない。留学生として自分たちに学ぶ機会を与えてくれた母校が抱えた「すわ一大事」何らかの支援をするであろう。多くの国々で関税に関する大統領への法的対応に就寝的に関わっている可能性は大である。カナダやヨーロッパ出身者にはアメリカ国内に籍を置き活躍している人が多くいる。
ハーバード大学は、今回は補助金凍結に対し提訴したが、トランプ政権よりハーバード大学を政治団体として税金を課す(Trump Threatens Harvard’s Tax-Exempt Status After School’s Rebuke)という事案を抱えている。そういう事態になった場合これに対しても提訴するであろう。要するに、政権の要求の数だけ訴訟が起きる可能性があるということだ。
ハーバードだけで済まない。他のIvyやIvy plusも同じような要求を突き付けられているが、ハーバードにならい一斉に訴訟を起こす可能性がある。
ハーバードはバタフライのような小さい存在ではなく敵にしたら泣く子も黙る大きな存在だ。それが今回マサチュセットの一角で大きな羽ではばたけばどんなエフェクトが生じるかは予想もできない。カオスの源のトランプ政権も大カオスに見舞われる。まさしくバタフライ効果、「パンドラの箱」を空けてしまった。ふたを閉めるまではカオスが続くが、争いごとを始めるのは簡単だが終結させるのは大変だ。
筆者が関係する言語・言語教育の分野にも言える。「英語を公用語とする大統領令に対するアメリカ言語学会の反対声明(その1)」と「英語公用語大統領令に対するTESOL(英語教育学会)の反対声明...世界最大の英語教育学会TESOL|」で述べたように、各大学にこれらの専攻があり、大学外では学術学会がある。これらの分野の研究助成金がカットされたら同様の訴訟が起こる。多くの他分野でも同じだ。その訴状はハーバードが提出した訴状とほぼ同様のものになるであろう。だからじっと事態を見守る。
The pen is mightier than the sword. さあ世界各地で何本のペンが動くであろうか。
Trevis ScottのButterfly Effectを聞きながら。何か心境を分かるような気がする。
複数の大学がトランプ政権に訴訟を起こす!(その3)に続く。
(2025年4月23日記)
公式サイト:For Lifelong English 英語活動情報誌
いいなと思ったら応援しよう!
サポートいただけるととても嬉しいです。幼稚園児から社会人まで英語が好きになるよう相談を受けています。いただいたサポートはその為に使わせていただきます。