ローマ散歩
そういえばバチカンの話だけで、ローマそのものを散歩した日記を投稿していなかった。ザ・観光地すぎて人も多く、そこかしこに詐欺が多い上で、イタリア人の気質上、鳴り止むことのないクラクションの嵐で、即・バチカンへ逃げたからだ。
バチカンの体験は人生でも最上のものでしたが、なんだかんだその後にローマも散歩した。

というわけで、小うるさいローマ市街を歩く。
あまりに美麗で荘厳なヴェネチアとバチカンから来たため、ゴミゴミとした街並みに驚いた。落書きが無い方が稀だし。とはいえ、それもこうした駅前の話であって、ちゃんとした観光スポットまわりはもう少しマシ。具体的に言うと、『ローマの休日』に登場した場所などは小綺麗にしてくれている。アン王女のおかげだぜ。


スペイン広場。ここでアン王女と新聞記者は「再会」をした。階段下では、さっそく記念撮影に明け暮れる人々が。野良のオードリー・ヘップバーンだ。見晴らしもよく、奥の道はグッチなどのハイブランドが立ち並び、ファッションの街としてのイタリア・ローマを堪能できる。

You can't imagine I'd like to do whatever I liked the whole day long.
I'd like to sit at a sidewalk cafe, look in a shop window, and walk in the rain.
Have fun and maybe some excitement.
It doesn't seem much to you, does it?

フレンドリーに近づき、勝手にミサンガを巻いてくる黒人……に、まさしく騙されている真っ最中のおじいちゃん。手首に巻かれてしまったら最後、態度が急変して「じゃあミサンガ代を払って」と高額を要求される。ローマは、こんななんだらけだ。助けるほどのことでもないのでスルー。警察も同じことを思っているだろうから、こうして観光地の小悪党は放置され続けていく。

せっかくなので好きなブランドでも見学しよう。

Alexander McQueen。
日本のマックイーンで気に入ったリングを着けていたので、店員さんも丁寧に店内を案内してくれた。めちゃくちゃ広い上で更衣室の蝶が素晴らしい! ヨーロッパのハイブランドでエスコートを受けると、さすがに気分がいい。ブランドの気品を直で感じるような高揚感。
気高くありたいものだ。



ブランドゾーンを抜けると、いい感じに大衆っぽさがミックスされた景色に。
ワクワクするような地下の本屋が。サブカル野郎をうまく誘導してくれるじゃないか。どこにだって中野ブロードウェイ気質の数奇者がいるものだと嬉しくなる店内でした。


なんと立派な外観のユニクロだ。ユニクロ厳かランキングでtear1だろう。
世界中のどこでも突然ユニクロが現れ、久々に日本語(カタカナ)が目に入って驚く。本当に世界のどこにでも点在するので、海外で着替えに困ったら探してみるといい。僕も肌着をその場で調達することも多い。お世話になるぜ。

休憩をするぜ。
ヨーロッパは、基本的に味が薄くて日本人の味覚に合わないと言われがちなものの、イタリアだけは別格扱い。ピザもパスタ、がっつり食べない時は画像のようなパニーニが歓迎してくれるぜ。ビールも添えて。
さすがはローマ。一人でのんびりしていると、厨房の店員たちが急にワインを飲み出し、さらには気が良くなってグラス片手に外を散歩し出す者も!
高級そうなワインもそれなりの値段。これがワインの国の力だ。チェコではビールが200円くらいで飲めた。ヨーロッパでアルコールに困ることはない。
「皆さんと同じものを!」と注文すると、すっかり酔ってご機嫌だった店員さんが「お客さんは正規料金ですけどいいですか?」と、めちゃくちゃ冷静に確認してきた。商売人への切り替わりがちょっと怖かったぜ。

トレビの泉。へぇ〜。
自撮りに夢中な人々のせいで、こうした見晴らしのいい状態の角度を見つけるまで時間がかかる。海外観光地あるある。スマホ社会になった人類には、もはや解決できない問題だ。


目的もなく歩いても、こういった歴史を体感できるのはすごい。
安彦良和の『我が名はネロ』に思いを馳せる。ここでキリスト教とローマ帝国のなんやかんやがあったりなかったりしたわけだ。こんな場所で、みんなで入浴して詩を詠んだりな暮らし。とんでもない生活な贅沢な気もするけれど、現代のスーパー銭湯だってすごいぜ。景色を詩にしてくれと部下から無茶振りされないし、失敗しても民からの好感が下がらないしね。

ネロだって、優れた芸術家ながら大きな過ちを犯した。
人間は、間違う事だってあるんだ。

でかい駅近くの治安は最悪。荷物を預けるための大手ロッカー専門店の近くでは、その店に見せかけた偽物のロッカー屋が跋扈し、間違って預けてしまうとどうなるかわからない。観光客目当てのカス土産屋が景観を損なわせ、油断すると詐欺師がやってくる。

駅周辺に着いちゃったら、さっさと脱出しよう。
ここらでコーヒーを一杯。

そろそろ、夜が近い。



賑やかな夜の広場。
僕だって、素敵な恋人と旅行していたなら、夜のカフェテラスに腰掛け、ワイン片手に道ゆく人々の活気を浴びていたかったが。あいにく一人なのでトボトボ歩いていると、イタリア人が女性たちをナンパする様子へ出くわす。情熱的だぜ。野良のシンガーが歌い出すと、みんながこぞってハモリだす。一人でもまったく静かじゃない街だ。



騒がしいエリアから、少しだけ静かな場所に辿り着き、川でも眺める。
これがアン王女の愛したローマか。そりゃ民の力強さに感動するわな。ここは人間の生命力で溢れている。きっと、それはネロが君臨していた時代だって騒がしさは同様だったのでしょう。今も昔も、この光景は変わらないのだ。

ダリだ。
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