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自分の音楽性の原点はBoom Boom SatellitesとPay money To my Pain

「多感な時期に聴いた音楽は、その人の一生の音楽になる」というような事がよく言われますが、自分にとって一生ものと呼べそうなくらい、作り手としても影響が大きい日本のアーティストは、Boom Boom SatellitesとPay money To my Painだと思います。


Boom Boom Satellites

BBSと出会ったのは「FULL OF ELEVATING PLEASURES」というアルバムでした。

記憶が定かじゃないんですが、確か、タワレコの店内でこのアルバムがかかっていて、なんだかわからんがすごくカッコいい気がする、と思い、店員さんに「今かかってるの何ですか?」と聴いてそのまま買った、というのが初めての出会いだったように思います。

ここが好き

帰ってアルバムをちゃんと聴いて感じたのは、まず、音が硬質、そして情報量が多いという事でした。

情報量が多いっていうのは、レコーディング的な意味でのトラック数が多いというのもありますが、一つ一つの音が歪んでたり、揺らし、空間と様々エフェクティブな処理をされていて、単なる楽器の音色以上の個性を伝えてきてる、という意味です。

あと、僕はBBSで初めてまともにテクノ、ブレイクビーツ系の電子音楽の要素に触れました。

それまではHR/HMを通って、テクニカルなギターやメロディアスでキャッチーなボーカルやロックドラムが至高と思っていた自分にとって、BBSは全くの異世界、地球外から来た音楽のように感じられました。

打ち込みやシンセとバンドサウンドの融合、みたいなことはそれまでのバンドでもよくありましたが、BBSのそれは次元が違っていて、どこからが生バンドでどこからコンピューター、マシーンの音なのかがわからない、デジタルとアナログがシームレスに繋がった音楽でした。

あとは、音楽から漂う、SFアニメや映画のようなコンセプトも好きでした。アップルシードやダークナイトなど、僕の好きだった作品のサウンドトラックや主題歌にも採用されていたりと、世界観ごと好きでした。

電子音楽を聴けるようにしてくれたのは間違いなくBBS

僕は、ロックバンド、という概念をそこで崩され、それ以降自分にとって唯一、BBSは新譜が出るたびに試聴なしで発売日に即買いするアーティストになりました。絶対カッコいいことが保証されているので。

10年前くらいに自分の結婚式をやった時に、LAY YOUR HANDS ON MEという曲が式場の、JASRACの許諾不要でかけていい曲リストに入っていたので、無理を言ってねじ込んで退場曲にさせてもらったりしました

解散するまで全ての作品にそうやって触れていったんですが、機会がなくてライブは一度も観れず、解散後はやっぱりどうしても川島さんの事を考えてしまうので、あまり聴けずにいた時期があるんですが、

最近になって、アルバム全作品をコンプリートしたボックスセットが出る、というニュースを聞いて、改めてベスト盤を聴き直していたらやっぱりいいなあ、と感じてました。

ロックバンドで生演奏命だった自分が、エレクトロニックという音楽の持つ可能性や面白さを知ったのは間違いなくBBSで、

特に「TO THE LOVELESS」以降の時期は、初期のSF・テクノ的な感覚に加えて、UKロックやシューゲイザー的な叙情性、シネマティックな広がりのあるロックに変わっていって、そういった要素を好きになれたのもBBSのおかげだと思います。

好きな曲を挙げるとキリないですが、「A HUNDRED SUNS」「UNDERTAKER」「BACK ON MY FEET」「STAY」「MORNING AFTER」「DIVE FOR YOU」「MOMENT I COUNT」とか特に大好きですね。

Pay money To my Pain

PTPもまた自分の中で大きい存在です。

こちらは、最初に知ったきっかけはボーカルのKがやっていたバンド GUNDOGのライブを観たのが最初で、当時10代の僕は、GUNDOGの本格的な海外サウンドにやられて足繁くライブに通っていました。

GUNDOG解散後にKが始めたバンドがPTPで、リンキンパークの影響が強かったGUNDOGに比べて、ポストハードコアやメタルの影響が強い音楽に変わり、でも相変わらずカッコよく、そのまま追い続けるバンドになりました。

1stアルバムの「Another day comes」にすっかりハマって、勢いで友達とコピバンをやって何度かライブもやったりしてました。

PTPは実際にライブを観たことがあって、新木場スタジオコーストだったんですけど、Same as you areという曲で泣いたのを覚えています。(ライブで曲聴いて泣く体験は今の所、その時だけだなあ)

ここが好き

PTPは音はものすごくヘヴィでアグレッシブなのに、マッチョじゃないところがいいんですよね。

曲のテーマには怒りや何かへの反抗、抵抗もあるけど、それでいて弱さや不安というものも包み隠さず曝け出す、とても繊細で人間的な、リアルな事を歌ってるな、というのを感じてました。

あとはバンドサウンドとしても個人的な理想の音、というのもあります。

ギターサウンドのニュアンスや空間系の使い方、スネアやキックの音、ミックスの中でのベースの存在感の塩梅、これらが僕の中で一番好きな塩梅で、

ぎゅうぎゅうに敷き詰められてなくちゃんと楽器同士に間隔があって、でも分厚く重く鳴ってる、というミックスバランスの話なんですけど、そこがとても理想的です。

昔から好きだったヘヴィなロックバンドの理想の音がPTP

「From here to somewhere」とか「Another day comes」、「Anxiety」、「Innocent in a silent room」みたいな、壮大さを感じる曲がPTPにはいくつもあって、

空間的な広さ、目の前に光景が広がる感じが好きになったのもPTPの影響じゃないかなと、最近思うようになりました。

僕も高校の頃からバンドをやってきて、その経験から自分の中に形作られたロックという形態に対する理想的なサウンドバランスというのに加えて、壮大さ、エモーショナルと、バンドサウンドでの表現の多様さを教えてくれたのは、PTPだなと思います。

この二組の共通点:洋楽っぽい邦楽

BBSもPTPも歌詞は完全に英語だし、なんならBBSは海外から逆輸入デビューだったり、PTPも最初の作品がLAレコーディングで、海外アーティストのオープニングアクトも何度も務めてたりと、すごく海外意識+洋楽の影響が強いアーティストです。

なんですけど、多分海外アーティストがやったら、この二組みたいな感じにはならないだろうなとも思ってます。

この、「洋楽にゴリゴリに影響受けて音楽やってるけど、隠しきれない日本感」という塩梅が僕はとても好きで、

洋楽そのものも好きだし、邦楽でも好きなものはたくさんあるけど、「海外サウンドに基づいた日本人的なミクスチャー感覚」という狭いストライクゾーンが、僕の理想であります。

そして、この二組の要素を両方持っていて、かつ全く違う音楽をやっている現在進行形のアーティストが、澤野弘之さんだと思っています。

BBSの音の情報量、冷徹なエレクトロニックサウンド、シネマティックな表現、

PTPのエモーショナルなメロディやボーカル、00年代的なバンドサウンド、壮大さを感じる音楽表現、

これらに通じるものが入っていて、それらをサウンドトラックという分野で形にしてるのが澤野さんだと、「進撃の巨人」と「閃光のハサウェイ」のサントラを聴いてて感じました。

そして、Melodic Bassに繋がる

BBS、PTP、澤野さんの三組の持っている音楽的・表現的要素をEDMのフォーマットでやっているのがMelodic Bassのアーティスト、特にその分野の巨匠、Seven LionsとIlleniumだと感じてます。

シネマティックでエモーショナルでアグレッシブで巨大な空間感があってロックっぽさを感じさせる電子音楽。

Seven LionsとIlleniumを聴いた時に「自分の好きなものが全部入ってる」と感じたのも、元を辿れば澤野さんの音楽に通じるものがあったから、さらに辿れば自分がBBSやPTPを聴いていたから、だと思います。

だから、自分にとってMelodic Bassは、EDMって感覚で聴いてないんですよね。クラブミュージックというより、ロックやサウンドトラックの延長線上にある音楽という解釈です。

そして、その感覚を自分なりに形にしたものが、僕がやってるEpic Vanguardです。

なので、BBS、PTP、澤野さん、Melodic Bass系が好きな人がEpic Vanguardを聴いて、もしシンパシー感じてくれたら僕は嬉しいなあと思います。

僕が好きで、表現したいもの

を言語化すると、

「混沌の中にある美しさ」
「硬質な音の中にあるエモさ」
「情報量が多いのにメロディが立っている」
「ロックの身体性と、エレクトロニック・サウンドデザイン的な空間性」

僕が好きになる音楽とはジャンルとかではなく、こういった要素なんだろうなあと思います。

そして、これらの音楽的なルーツを辿ると、結局かなりの割合でBBSとPTPに行き着くなあ、と最近思ったので書いておきました。

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