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【第3話】矢田川の焚き火と夜風──仲間と過ごす静かな夜

北へ続く道 ─ 自作キャンピングカーで旅する日々

静かに始まり、北へ続いていく──
自作キャンピングカーと共に過ごす、風と自由の旅の記録。

【第3話/矢田川の夜】

矢田川の焚き火と夜風──仲間と過ごす静かな夜

焚き火の火が静かに揺れ、夜風が頬を撫でる。
仲間と笑い合いながら過ごす時間が、何よりもあたたかい夜だった。


前夜の宴の余韻が、まだ身体のどこかに残っていた。
夜中に目を覚ますと、喉がからからで、胃が少し重たい。
「飲みすぎたなぁ」と苦笑しながら、冷蔵庫からお茶を少し。
それでも、こうして夜中に目を覚ますのも旅らしいと思う。
日常ではなく、旅のリズムで生きている証拠だ。


朝7時半。
外を見ると、雲の切れ間から光が射している。
矢田川の空気は湿り気を帯びていて、夜の名残をほんの少しだけ残していた。

まずは、みゅうちゃん(猫)の朝ごはん。
静かな車内に、カリカリを食べる音が響く。
それだけで、なんだか穏やかな気持ちになる。

今日は快晴とまではいかないが、十分に明るい。
外の空気を吸って深呼吸すると、
「今日もいい一日になりそうだ」と自然に思えた。

道の駅あゆの里矢田川

9時半過ぎ。
けいたんさんから「出発するね」とLINEが届く。
外に出て少し談笑。
帰ったらソーラーパネルを増設するという。
「また数日後に会いましょう」と笑って手を振る。
この“また会える”という約束が、旅の中では何より心強い。


お昼は、hekさん・みらさん・タカベェ〜さんと4人で「白龍」さんへ。
地元の方々に人気の中華料理店だ。

私は「半飯セット」を注文。
ラーメンと炒飯が半分ずつの、まさに“ちょうどいい”量。
テーブルの上では、hekさんが「ゆるキャン△」グッズを取り出してご満悦。
旅仲間といると、笑い声が絶えない。

やがて運ばれてきた半飯セットは、
湯気の向こうに懐かしい香りを漂わせていた。
ひと口食べて、思わず笑う。
「あぁ、こういうシンプルな美味しさが一番だな」

中華料理 白龍

食後はスーパーで今夜の食材を買い、キャンプ場へ戻る。
水を汲み替え、シャワー用のお湯を準備。
温水タンクの温度が40℃になったころ、
シャワーを浴び、身体の疲れが抜けていく。

日常ではただの「シャワー」も、旅の途中では小さな贅沢になる。
太陽の光と風と水に囲まれながら生きている。
そんな感覚が、心地いい。


夕方、焚き火の準備が始まる。
hekさんが「豚キムチを作るよ」と腕まくり。
キャンプ場に香ばしい匂いが広がる。

「今日はサニーレタスで包もう」
「本当はサンチュなんだけどね」と笑いながら、
できたての豚キムチをひと口。
ピリッとした辛さと肉の旨味、そして仲間の笑い声。
それだけで、旅の疲れなんて吹き飛んでしまう。

hekさんが作ってくれた豚キムチ

夜になり、焚き火が赤く揺れる。
少し離れた場所では鹿の親子が食事中。
焼酎のロックを片手に、
話題はあちこちへ飛び、また戻ってくる。
気づけば時間の感覚もなくなっていた。

火の音が、いい。
炎の前では、誰も急がない。

そんな夜だった。

焚き火

23時過ぎ、締めはhekさんリクエストのお茶漬け。
香りに誘われてまた笑い合いながら、
「やっぱりこれが一番うまいな」と誰かが言った。

外の温度計は18℃。
やわらかい夜風が頬を撫でる。
今夜もまた、静かに、旅の一日が終わっていった。


【あとがき】

矢田川で過ごす夜は、いつも特別です。
焚き火の火と笑い声と、星のない暗い空。
どれも派手ではないけれど、
その“静けさ”がたまらなく心地よい。

旅先の夜に、ただ火を見つめながら話す時間。
それこそが、バンライフのいちばん贅沢な瞬間かもしれません。


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