【第26話】滝上の朝──すでに暖かい光の中で目を覚ます
北へ続く道 ─ 自作キャンピングカーで旅する日々
静かに続いていく──
旅の空気と光の温度で紡ぐ、日々の小さな物語。
【第26話/渓谷の青と、ほどけていく時間の先】
滝上の朝──すでに暖かい光の中で目を覚ます
夜の名残を残した空気の上に、朝の光がそのまま重なっている。
今日もまた、滝上は静かで、やさしく、少しだけ気が早い。
朝6時51分。
カーテン越しに差し込む光は、もう迷いなく明るい。
温度計は車内24.9℃、外気温は26.1℃。
朝というより、もう昼に近い体感だ。
外気温測定用に使っていた端末を見ていると、
いつの間にか不調だったはずの「1」の端末が復活している。
機械も、この場所の空気に慣れてきたのかもしれない。
まずは、みゅうちゃんの朝ごはん。
今日も変わらない一日の始まり。
外に目を向けると、
文句のつけようのない快晴が広がっていた。

コーヒーを淹れ、トーストと豆乳ゼリーの朝ごはん。
いつも通りの内容なのに、光の強さだけで印象が変わる。
朝のルーティンを済ませ、
昨日のブログを仕上げる。
9時11分、投稿完了。
続けてSNSも更新し、ひと息ついた。
少し動画を流したあと、
10時10分、チェアを持ってテントサイトへ。
久しぶりに外で腰を下ろす。
風はほとんどなく、
渓谷の空気がそのまま身体に馴染んでくる。

11時29分。少し早めの昼ごはんを作ることにする。
調理道具を一式持って炊事棟へ。
ここで電気が使えるのは、何度来てもありがたい。
パスタ(アラビアータ)が完成。
湯気と一緒に、空腹もほどけていく。
村上さんは餅を焼いて、ぜんざいの準備。
それぞれの昼が、同じ空間に並んでいる。

食後はそのまま談笑。
言葉が特別でなくても、時間が心地いい。
一度キャンピングカーへ戻り、シャワー。
そのタイミングで雨が降り出した。
さっぱりしたあと、
焼酎ハイボールを片手に少しだけPC作業。
14時32分、また炊事棟へ。
おつまみをつまみながら、自然と輪に戻っていく。
15時を過ぎる頃、雨は止み、
空の向こうから青が戻ってきた。
今度はウィスキーとピリかまを持って再び炊事棟へ。
会話も、笑い声も、少しずつ重なっていく。

16時54分、味付きの鶏肉を焼いてお裾分け。
焚き火が始まり、夜の気配が滲み出す。
19時を過ぎ、外はすっかり暗くなった。
火の揺らぎと一緒に、時間の感覚が曖昧になっていく。
このあたりから、正直なところ、記憶がない。
なぜか残っていたのは、オオミズアオの写真。

撮った覚えは、まったくない。
21時過ぎ、
もう一枚、同じような写真が残っていた。
その先がどうなったのかは、思い出せない。
ただ、ふらふらしながら
キャンピングカーへ戻った感覚だけが、
ぼんやりと身体に残っている。

【あとがき】
滝上渓谷公園キャンプ場の一日は、
「何をしたか」よりも
「誰と、どんな空気を過ごしたか」で記憶に残る。
青空の午前、炊事棟に集まる午後、
焚き火とともにほどけていく夜。
気がつけば、時間も記憶も、
いい具合に溶けてしまっていた。
さすがに飲みすぎた。
明日は、ちゃんと休肝日にしようと思う。
……たぶん。
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