【第27話】滝上の朝──小雨とともに目覚める、少し重たい身体
北へ続く道 ─ 自作キャンピングカーで旅する日々
静かに続いていく──
旅の空気と光の温度で紡ぐ、日々の小さな物語。
【第27話/雨音の朝と、身体を整える一日】
滝上の朝──小雨とともに目覚める、少し重たい身体
夜の余韻がまだ残る渓谷に、細かな雨音が落ちてくる。
身体は少し重たく、けれど頭の奥では、
今日を整えようとする静かな気配が動き始めていた。
朝7時39分。フロントガラス越しに見える空は曇り色で、
小雨が静かに降っている。
ベッドから起き上がると、足元が少し頼りない。
どうやら軽く二日酔いのようだ。
温度計は車内19.6℃、外気温18.5℃。
外はこれから少しずつ暖かくなっていきそうな気配がある。
まずは、みゅうちゃんの朝ごはん。
こちらはいつも通りで、
その落ち着いた様子に少し救われる。
昨晩のことを思い出そうとしても、
記憶は途中からすっぽり抜け落ちている。
それでも、チェアもウィスキーの空き瓶もコップも、
ちゃんと車内にあり、
着替えて眠っていた形跡も残っている。
どうやら、身体だけが覚えていてくれたらしい。

冷たい飲み物が欲しくなり、
管理棟の自動販売機まで足を伸ばしてお茶を一本。
朝ごはんはトーストだけにしておく。
昨晩は豆乳ゼリーまで手が回らなかったようで、
胃の調子もいまひとつ。
トーストも半分ほどで終了。

まずは昨日のブログ作成。
頭がなかなか回らず、
PCを開いても言葉が進まない。
それでも、少しずつ指を動かし、
10時18分、ようやく投稿を終えた。
SNSへの投稿も済ませたところで、
二日酔いを抜くため、そのままベッドへ。
目が覚めたのは12時ちょうど。
不思議なほど、頭はすっきりしていた。
朝に残していたトーストを食べ、
汚れたままだったフライパンを持って炊事棟へ。
昨晩の話をすると、
「オオミズアオの写真?
あれはオレが撮りなって言ったんだよ」
と村上さん。
まったく覚えていないが、
変なことはしていなかったらしい。
それを聞いて、ひと安心。
13時4分、村上さんがコーヒーを淹れてくれることに。
豆はマンデリン。
挽きたての香りが、雨に湿った空気に広がる。
一口飲むと、身体の芯に静かに染み込んでいった。

14時過ぎ、少し食欲も戻り、
キャンピングカーで「うまかっちゃん」を作る。
シンプルな一杯が、今の身体にはちょうどいい。
PCケースの上で眠るみゅうちゃんを横目に、
今日はこれ以上、無理をしないと決める。
明日はキャンプ場を出発する予定。
給排水タンクの水を総入れ替えし、
炊飯用とコーヒー用の水も新しくする。
その途中、
外へ出ると管理人さんが帰るところだった。
少し立ち話をしていると、
「これ、持っていきな」とアスパラとゆで卵を三つ。
ありがたく受け取る。

「また来年も来てね」と言われ、
自然と「はい」と返事をしていた。
晩ごはんは控えめに。
いただいたアスパラと半熟のゆで卵、
焼きおにぎりを二つ、豆腐とミニトマト。
飲み物は黒豆茶。
今日は休肝日だ。
身体に負担をかけず、
一日を静かに閉じていく。
甘いものが少し欲しくなり、キットカットを二つ。
それで十分だった。

明日はここでお昼を食べてから出発する予定。
向かう先は、芦別の「上芦別公園」。
また少し、景色が変わる。
その前に、今日はしっかりと休もう。
【あとがき】
旅の途中には、
こうして身体が先に正直になる日もある。
飲みすぎた夜も、雨の朝も、
すべて含めて今の旅なのだと思う。
整える一日は、派手ではない。
けれど、次へ進むためには欠かせない時間だ。
滝上渓谷の静けさに助けられながら、
今日という一日を、そっと身体に戻していく。
また明日、ゆっくり走り出そう。
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