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ダイエットのリバウンドはなぜ起こる?「やせるまでの我慢」が理論的に失敗する理由

こんにちは。おなか日和主宰、管理栄養士で医学博士のヒロセです。

前回は、ダイエット中の停滞期の考え方として、「基本でありながら、見落としがちな点」について解説しました。

今回は、その関連として、リバウンドについて考えてみます。

リバウンドについても、
「体が脂肪をため込みやすくなった」
「一度やせると前より太りやすくなる」など、
ダイエットによって体の変化を中心とした説明を見かけることが多いです。

確かに、ダイエット後の体では代謝やホルモンの変化など、複雑な生理学的変化が起こることは否定しません。

ただ、その前に考えたいのが、やはりエネルギー収支です。

体重を維持するために必要なエネルギーより多く食べれば体重は増え、少なければ減る。

リバウンドを理解するうえでも、まずはこの基本を押さえることが大切です。

前回同様、計算していきましょう。

ぜひ目を通してから解説をお読みください。

例えば、40歳の女性がいたとします。

体重は60kg。運動習慣はなく、仕事もデスクワーク中心でつい間食してしまうのが悩みです。体重はここ数年安定しています。

体をあまり動かさない40代女性が、体重1kgあたりに必要なエネルギーは32.9kcalです(*)。
この方は体重が安定しているため、食べている量と消費している量がほぼ一致していると考えられます。
つまり、1日あたりおよそ2,000kcal前後を食べていると考えられます。
(60kg × 32.9kcal = 約2,000kcal)

さて、この方がダイエットを始めました。
毎日食べていたお菓子を我慢し、夕食は腹八分目、夜食も我慢しました。

その結果、1年かけて50kgになりました(マイナス10kg)。
目標達成です。頑張りましたね。

さて、問題はここからです。

50kgになった瞬間、

「やせたー!」

と言って、元の生活に戻したらどうなるでしょうか。

「頑張ったから」と毎日のお菓子を再開する。
「たまにはいいか」とご飯をお腹いっぱい食べる。
「ご褒美だから」と夕食後のデザートが増える。

気持ちはめちゃくちゃよくわかります!!

こうして再び2,000kcalの生活に戻ったとします。

当然、体重は増えていきます。

なぜなら、50kgの体を維持するために必要なエネルギーは、60kgの時より少ないからです。

つまり、60kgの体を維持していた頃の食事量は、50kgの体にとっては食べ過ぎなのです。

これは体が壊れたからでも、脂肪をため込みやすくなったからでもありません。単純に、50kgの体に必要なエネルギーより多く食べているからです。

ここで、よかったら覚えて欲しいことがあります。

もしダイエットを、「目標になるまでの我慢」として、根性で耐える生活を送ったら。

当然、目標体重になった瞬間に、その方法は終わります。
そして終わった瞬間に元の生活へ戻れば、体重も元へ戻ります

つまり、「やせるまでの我慢」という考え方そのものが、リバウンドしやすい構造を持っているのです。

これはダイエット以外でも、たくさんあります。

学生の頃、テストが終わった瞬間にもう勉強しなくなったり、マラソン大会の前だけ毎朝走ったりしたことはありませんか。

大人になってからは、健康診断の前だけお酒を控えたり運動したり。

目標の日が来れば、その努力は終わります。
なぜなら、「その日まで」が目的だからです。

つまり、「目標体重になるまで我慢しよう」と思ってダイエットに臨むと、達成した瞬間にその方法は終わります。

そして生活が元に戻れば、体重も元に戻っていきます。

もしくは、我慢が続かなくなって「もういいや」と挫折し、「やっぱり私は意志が弱い」と自分を否定してしまう。

これは意志が弱いからではありません。
最初から「期間限定」で頑張る計画になっている、設計ミスです。
私は、ダイエットを「期間限定の我慢大会」にしてはいけないと思っています。

お菓子が悪いわけでも、ご飯が悪いわけでもありません。
「今だけ頑張ればいい」と我慢するのではなく、やせた後も続けられる「付き合い方」を見つけることが大切だということです。

そうすれば、お菓子だって、ラーメンだって食べられます。

何を続けられるかは、人それぞれです。
だからこそ、ダイエットは誰かの正解を真似するのではなく、自分に合った方法を探していく必要があります。
ちなみに私は先週、クッキー食べ放題に行き、その代わり帰り道は1.5時間歩きました(笑)。

多くの人は、ある日突然太ったわけではありません。
数年かけて少しずつ体重が増えたはずです。

だからダイエットも同じです。

気づいたら太っていた。
ならば、気づいたらやせていた。そのくらいのペースで習慣を変えていく方が、結果的にリバウンドしにくいのではないでしょうか。

ゆっくり、あなたに合った方法を見つけていきましょう。

参考資料

(*)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316461.pdf

30〜49歳女性の推定エネルギー必要量を参考に計算しています。
※実際の個人の必要エネルギー量は、年齢や性別、筋肉量、活動量などによって異なります。

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