『間食しない』は目標として弱い|“やめる”より“整える”の方が続きます
こんにちは。
おなか日和主宰、管理栄養士・医学博士のヒロセです。
「間食を減らしたい/やめたいんです。」
「わかっているけど、できない」
患者さんからも、健康なお客様からも、とてもよく聞く言葉です。
たしかに、間食を減らすことは体重管理や血糖コントロールにとって意味があります。
でも、この「間食しない」という目標、このままだと実は弱いんです。
なぜかというと、「間食しない」は“行動”ではないからです。
「しない」は行動じゃない

行動分析の考え方に「死人テスト」というものがあります。
少しインパクトのある名前ですが、内容はシンプルで、「死人でもできることは、行動とは言えない」という考え方です。
たとえば、
・間食しない
・食べすぎない
・サボらない
これらはすべて、「何もしていない状態」でも成立します。
つまり、極端に言えば“死人でもできる”。
だから、目標としてはコントロールしにくいのです。
「間食しない」を目標にするとよく起きるのが、
決めたのに、食べてしまった→「やっぱり私は続かない/ダメなんだ」という自己否定です。
でもこれは、意志が弱いわけではなくて、そもそも“やらない”を目標にしているから崩れやすいだけです。
一方で、
・15時にナッツをひとつかみ食べる
・夕食の前に味噌汁を飲む
・おやつを食べるなら、まずヨーグルトにする
こうしたものはすべて「やること」です。
体を動かして、選んで、実際に行う行動。だから再現しやすい。
やらなかったときも「やっちゃった」よりも心は軽いです。
「やめる」より「足す」から始める

私は食事相談で「間食が課題」だと言う方には、まず前の食事の内容をよく聞き取るようにしています。
単純に、食事量が足りていなくて小腹が空いて食べている、というケースが少なくないからです。
特に多いのが、「たんぱく質が少ない」「野菜(食物繊維)が少ない」というパターンです。この状態だと、食後しばらくしてから空腹感が出やすくなります。
ダイエットの目標設定は、「やめる」「減らす」「置き換える」で考えられることが多いですが、その前に「足せるものはないか?」を一度見ると、ぐっと楽になります。
ただし、お菓子を100kcal減らして、たんぱく質を100kcal増やした場合、エネルギーとしては同じなので、体重は基本的に変わりません。
ここはしっかりと理解し、「やせなかった、無駄だった」ではないという点は押さえておきたいポイントです!
ただし、摂取できる栄養素の種類や体の中での使われ方が変わるため、「なんとなく元気が出る」「空腹感が落ち着く」といった変化はよく起きます。
そうすると、次の段階として「エネルギーを減らす」ことにも取り組みやすくなります。最初から削るのではなく、整った結果として減らせる状態になるイメージです。
さらに言うと、体質によっては、そもそも体重そのものが一番の問題ではない場合もあります。
日本人では、BMIがいわゆる理想体重であっても、血糖値やコレステロール値が高い方は少なくありません。
だからこそ、「体重を減らす」だけではなく、「何を食べているか」「体がどう反応しているか」を見ながら調整していくことが大切になります。
また、楽しみとしてのおやつまで全部やめる必要はありません。
たとえば、毎日なんとなく罪悪感を覚えながら100kcalのおやつを重ねるより、週に1回「今日はこれを楽しむ」と決めて大好きなケーキを食べる。
これも、「おやつを食べない」ではなく、「週末にケーキを楽しむために、カロリーの余力を確保する」と目標にすることで、少し前向きに取り組める気がしませんか?
そんなふうに、気持ちよく選べる形に整えていけると、すこやかさと好きなもの楽しむ気持ちを両立できるのかな、と思います。
「好きなものをやめる」のではなく「好きなものを楽しむために整える」。
その中に、ちゃんと楽しみも残しながら、目標を設定していきましょう。
