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「増えていないかを見る」くらいが、ダイエットはちょうどいい

こんにちは。
おなか日和主宰、管理栄養士・医学博士のヒロセです。

ダイエットのご相談では、よく、体重計にのる頻度を尋ねます。そして、体重の捉え方として、必ずこう伝えます。

「毎日の体重は、減っていなくて大丈夫です。昨日より増えていないかを確認するつもりでのってみてください。もし増えていたら、その日はちょっとだけ意識してみてはどうでしょう。」と。

私は、体重計を「痩せたことを確認(評価)するツール」として使うのは、長い目で見るとちょっとしんどいと感じています。
減っていたら嬉しい、減っていなかったらがっかり……みたいなのはつらい。

それより、「増えていないかみる」「増えていたらちょっと気を付ける」「減っていたらご褒美デー」みたいな、調節ツールにするのが断然おすすめです。

まとめると、体重は測定した方がいいけど、出てきた数字に感情は入れないようにしよう、という感じです。

私は研究者としてのスタートは「若い女性のやせや痩せ願望」が専門だったため、たとえ本当に肥満だったとしても、「体重計の数字に囚われないで欲しい」という願いは、管理栄養士の中でも強めかもしれません。

そして実は、「体重は、測定することそのものに価値がある」ということは、科学的にも裏付けられています。

毎日体重を測定した人の方が、やせた

デューク大学等の研究チームが、減量において「毎日の体重測定」が、体重の変化だけでなく、日々の行動変容とどのように結びつくのかを調べました(*)。

対象は、過体重や肥満の成人47名。
6か月間、通信機能付きの体重計を用いて測定頻度を記録し、減量との関係が分析されました。

結果は……
参加者のうち約半数が毎日体重測定をしており、測定頻度が毎日でなかった人よりも半年で約6kg多くやせていたのです。

さらに、毎日体重を測定していた人は、

・間食を減らす
・甘い飲み物を控える
・外食を減らす
・運動時間を増やす

といった、減量につながる行動をより多く実践していました。

一方で、ここが面白いポイントです。
体重を毎日測定した人たちとそうでない人たちの、総摂取カロリーや運動量そのものには、統計学的な差が、見られませんでした。

「差がないのに痩せる?」をどう考えるか

論文を読むと、統計的に意味のある差は出ていないけれど、平均値としてはやはり毎日体重測定をした人の方が、摂取カロリーは少なめ、消費カロリーは多めでした。

ただ、対象者数が少なかったことや個人差が大きかったこと、さらに摂取カロリーも消費カロリーも自己申告だったことを考えると、「差がなかった」というより、「はっきり差があるとまでは言えなかった」と考える方が自然かもしれません。

そもそも、ダイエットによる変化というのは、本来かなり小さいものです。

今回の研究では、毎日体重測定をしたグループは、そうでないグループよりも6か月で約6kg多くやせました。

6か月で6kg。
つまり1か月で1kg、1日あたり約33gです。
33gというと、ご飯1〜2口分くらいの重さです。

体重なんて1kg前後は簡単に変動しますから、33gの差は、毎日見ていても「やせた!」と実感できるようなものではありません。

でも例えば、

・外食を1回減らして1,000kcal減った
・500mlのジュースをやめて100kcal減った

こうした小さな変化が積み重なると、1か月ではしっかり体重差になります。

本人の中では、「ちょっと意識しただけ」の感覚でも、それが積み重なると、ちゃんと結果につながっていくのです。

だから、「増えていないかを見る」でいい

だからこそ、体重測定は「やせたか確認する」より、「増えていないかを見る」くらいがちょうど良いのだと思います。

体重計にのることで、「今日は少し気を付けようかな」と思う機会が増える。
この研究のように、ちょっとした健康的な行動が増える

それだけで十分価値があります。

実際、特定保健指導(いわゆるメタボ健診)での減量目標も、3か月で2kg程度です。体重の3%(たとえば80kgの人で2.4kg)減るだけでも、血糖や脂質などの代謝指標は改善すると言われているからです。

これも、1日に換算すると、わずか27gの重さです。

ダイエットは、毎日大きく変わるものではありません。

だからこそ、

「昨日より増えていないかな」
「今日は少しだけ意識してみようかな」

そんな小さな調整を、ゆるく積み重ねていく。

そのくらいの距離感で、長く気楽に続けていけたらいいなと思います。


参考論文
Steinberg DM, et al. Weighing every day matters: Daily self-weighing improves weight loss outcomes. Obesity (Silver Spring). 2015.


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