管理栄養士の手帖*腸活の最初の一歩〜食物繊維は「自分に合ったもの」を選びすぎなくて大丈夫〜
こんにちは。
おなか日和主宰、管理栄養士・医学博士のヒロセです。
最近の腸活は、
「あなたの腸内フローラタイプに合った食材を選びましょう」
という流れが主流になりつつあります。
これは、考え方としては正しいけれど、
取り組む順番はもう少し先でも大丈夫な話です。
なぜ正しいかというと、「食物繊維」や「オリゴ糖」といっても、
どの菌がそれを利用し、どんな短鎖脂肪酸をつくるかは違うから。
腸町だよりに出てくる花たちの、それぞれ好きなごちそうが違うのは、ここからきています。
その意味では、
自分のおなかに多い菌が好む食物繊維やオリゴ糖を選ぶ、
という考え方は確かに理にかなっています。
でも——
ここで、ひとつ大事な前提があります。
日本人は、そもそも食物繊維が足りていない
2025年版「日本人の食事摂取基準」では、
健康への利益を考えた場合、
食物繊維は1日あたり25g以上の摂取が望ましい
と示されています。
一方で、実際の摂取量を見ると、
令和6年 国民健康・栄養調査による食物繊維摂取量は、
40代男性:18.1g/日
40代女性:15.8g/日
となっており、
この「25g」という目安には、まだ大きく届いていません。
つまり、多くの人が、
「どの食物繊維が合うか」を考える以前に、
量そのものが足りていない段階にいるのが現状です。
この状態でいきなり
「どの菌に、どの食材が合うか」
を考えすぎてしまうと、
・何を食べたらいいかわからない
・間違えたら意味がない気がする
・結局、何も増えない
・罪悪感だけ溜まっていく・・・
——そんなことが、よく起こります。
腸内細菌の研究が進み、腸活の選択肢は増えました。
ただ、その分、腸活の最初の一歩が見えにくくなっているのかもしれません。
まずは「植物性のものを足す」でOK
最初の腸活は、もっとシンプルで大丈夫です。
野菜、豆類、海藻、きのこ、果物。
「植物性の食材を、今より少し足す」。
この段階では、
どの菌に効くか、どの短鎖脂肪酸が増えるか。
そこまで考えなくてかまいません。
なぜなら、あなたの腸町の住民たちは、
“何も来ない”より、“いろいろ少し来る”だけで、とっても喜ぶから。
フローラタイプを意識するのは、その先でいい
ある程度、植物性食材をとる習慣ができてきたら。
「自分の腸内フローラは、どんな傾向なんだろう?」
と気になったときに、腸内フローラ検査を受ける。
そのタイミングで、
この菌が多い
この菌が少ない
だから、こういう食材を意識してみよう
と考えるのは、とても良いステップです。
答え合わせのようになって、楽しいですよ。
まずは、腸に“ごちそうが届く生活”をつくること。
細かい調整は、そのあとで十分間に合います。
腸活は、精密さより「続くこと」
腸活は、テストでも競争でもありません。
100点を取る必要も目指す必要もありません。
毎日60点くらいの「がんばりすぎない腸活」の方が、
トータルで心地よい毎日につながることもあります。
まずは、今日の食事に
何かひとつ、植物性のものを足すところから。
それだけで、腸町ではちゃんと変化が起きています。
