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morimisato
【#風まかせ文芸部:金木犀】金木犀のハンドクリーム
「俺、金木犀の匂いって、なんかダメだわ」
長谷部は言う。
私はいい匂いだと思うけど、と返しながら、金木犀のハンドクリームを塗っている。
「そんで。結局、応募すんの、これ」
学食の壁に貼られたポスターを指さす。
私はまだ、迷っていた。学内のチェロコンクールに応募するのかを。
「長谷部はどうすんの」
「出るけど」
当然、と言うように、うどんを啜りながら続ける。
「逆に、なんで?」
「上手い人、いっぱいいるし」
「まぁな。平凡だもんな」
蒲鉾を避けながら、ワカメを食べている。
「でも、この前新しい楽譜、買ってたよな」
うどんから顔を上げて、私を見た。
金木犀のハンドクリームを、長谷部の前で、もう一度塗りたくってやった。
★風まかせ文芸部 お題「金木犀」でした。
金木犀のある家ってなんか良いなと思います。
ありがとうございました。
