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fz_1n
#風まかせ文芸部_夏の終着点 『Five Fragments 五つの欠片』 五首の「五行歌」
☘廃校の音楽室のオルガンが低く歌いはじめる
オルガンを弾くのは 夏の終わりの月の影
壁に飾られた楽聖たちも 淡い光の中にある
静かなあし音が聞こえる
少女が独り 遠い日の忘れ物をとりにきた
☘懐かしい人の魂は 野の風に乗り
かなかなになった
かなかなを聴きながら
幸せはこの辺でいいやと
鳩笛を吹く
☘案山子が空を見ている つぶらな瞳で
僕は捨てられてなどいない
横たえられてあるだけだ 空の深さを知るために
捨て案山子よ ありがとう
美しい誤解を ありがとう
☘悪い人じゃあなかったね
うん さして良い人でもなかったけどね
朝顔が好きだったね
田舎の駅の隅っこの蓑虫みたいだったね
うん 夕焼けが好きだったね
☘昼寝する人が可愛いのは
その背がリハーサルを
しているからではないだろうか
惜別のリハーサルを
しているからではないだろうか
*いつも“お題”にinspireされています。ありがとうございます。〔凜太〕
