AIに文章を書かせたら綺麗。でも「これ私じゃない」って思ったことない?
【AI感性日記】
AIに文章を書いてもらった。
読みやすい。
まとまってる。
言いたかったことも、だいたい入ってる。
「おお、さすがAI。」
……のはずやのに。
読み返していると、なんか違う。
間違ってるわけじゃない。
下手な文章でもない。
むしろ、自分で書くより綺麗。
でも、
「これ、私が書いた文章ちゃうな」
って感じること、ない?
そんな時、
「もう少し柔らかくして」
「もっと私らしい感じで」
「親しみやすい文章にして」
AIにもう一度お願いしてみる。
すると、
さっきより柔らかくなる。
親しみやすくもなる。
でも。
まだ、なんか違う。
じゃあ、プロンプトが悪いんかな・・・。
もっと詳しく伝えたらいい?
自分の文体を教えたらいい?
それも、たぶん一つの方法。
でも私は最近、その前にもう一個
見るところがあるんちゃうかな、と思ってる。
AIに、
「私らしく書いて」とお願いした時。
そもそも私は、
自分の「私らしさ」を、どこまで分かってたんやろ?
ここで一回、
ん?
となった。
「なんか違う」を、すぐ直さない
「なんか違う。」
そう思ったら、普通は文章を直そうとする。
言い回しを変える。
語尾を変える。
AIへの指示を増やす。
私も、そうしてた。
でもある時、
ちょっと待てよ、と思った。
この、
「なんか違う」消してしまってええんやろか。
たとえばAIが、
「新しいことに挑戦するのは、
いくつになっても素晴らしいことです。」
と書いてきたとする。
別に、おかしくない。
むしろ綺麗。
でも私の中では、
「いや……そんな綺麗な話ちゃうねん。」
って引っかかる。
じゃあ、何が違う?
「素晴らしい」が違う?
「挑戦」が違う?
それとも私が言いたかったのは、
「怖かったけど、やった。」
なのか・・・。
「もう一回やってみたかった。」
なのか・・・。
「このまま終わるのが嫌やった。」
なのか・・・。
同じ「挑戦」の話でも、中にある景色は全然違う。
そう考えた時、ちょっと見え方が変わった。
AIが出した文章を見て、「違う」と感じた私の反応。
これ、
邪魔なんじゃなくて、
まだ言葉になってない何かが、そこにある印なんちゃう?
実は、AIと出会う前にもあった
ここまで考えて、昔のことを思い出した。
私は以前、Kindleで本を書いたことがある。
あの時はもちろん
自分で考えて、
自分で書いて、
自分なりに伝えたいことを本にした。
嘘を書いたわけでもない。
言いたいことがなかったわけでもない。
でも今、振り返ると、少し違う。
本当に言いたかったことを
分かってなかった……というより、
たぶん、
まだ、言葉になってなかった。
経験はあった。
感じていたものもあった。
「これを伝えたい」という何かもあった。
でも、それを今みたいには見られてなかった。
だから、その時に出せる言葉で書いた。
そして時間が経った。
そこにAIが来た
AIを使うようになった。
文章も書いてくれる。
昔よりずっと簡単に、綺麗な文章ができる。
だったら今度こそ、
私が言いたかったことを
AIなら上手に書いてくれるんちゃう?
……と思うやん。
ハハハ。
ところが。
違う。
綺麗やねん。
上手いねん。
ちゃんとまとまってる。
でも、
なんか違う。
ここで、また出てきた。
ん?
昔は自分で書いた。
でも、届かなかった。
今度はAIに書いてもらった。
それでも、届かない。
じゃあ問題は、
「自分で書くか、AIに書いてもらうか」
じゃなかったんかもしれない。
AIに書いてもらうより、AIと話すようになった
そこから私は、
AIとよく話すようになった。
「違う。」
「そこじゃない。」
「私が言いたいのは、たぶん……」
「いや、それも違うな。」
そんなことを何度も繰り返した。
AIにしてみたら、
どないせえっちゅうねん。
やったかもしれん。
ハハハ。
でも不思議なことに、そうやって話しているうちに
少しずつ自分のことが分かってきた。
AIが私を理解してくれた。
もちろん、それもある。
でも、それだけじゃなかった。
AIと話しているうちに、
私が、私のことを分かり始めた。
「私はここが嫌だったんや。」
「だから、あの言葉に引っかかったんや。」
「あの時、本当はこう思ってたんや。」
バラバラだったものが、少しずつ言葉になっていった。
そして、昔の本をもう一度見た
すると、
昔とは違うものが見えた。
ああ。
私、あの時、
これを言いたかったんや。
昔の私が間違ってたわけじゃない。
あの時の本が失敗だったわけでもない。
そこには、ちゃんと何かがあった。
ただ、
まだ言葉になりきってなかった。
今から見ると、
昔の本の中に、言葉になる前の自分が
点々と残ってるように見える。
そして、その点を今の私が拾い直した。
AIと話しながら・・・。
「これか?」
「違う。」
「じゃあ、こっち?」
「……あ、それや。」
そんなことを繰り返して、
昔は言葉にならなかったものが、今の言葉になった。
そして、
リメイクした本ができた。
AIが、私の言葉を書いてくれたんじゃなかった
振り返ってみると、ちょっと面白い。
最初は、
AIに文章を書いてもらおうとしてた。
でも最後に起きたのは、少し違った。
AIに私の言葉を書いてもらったんじゃない。
AIと話しているうちに、
自分の言葉を、自分で見つけられるようになってきた。
たぶん、
AIがなかったら見つからなかった言葉もある。
でも、AIだけでも見つからなかった。
AIが出してきた言葉に、
私が、
「違う」と言った。
その「違う」から、また話した。
その繰り返しだった。
だから今は、
AIが書いた文章を見て「なんか違う」と思った時、
すぐに消すのが、ちょっともったいない気がしている。
その違和感の中に、
まだ自分でも見つけていない言葉が
隠れているかもしれないから。
AIに、
「もっと私らしく書いて」と頼む前に。
一回だけ、自分の方を見てみる。
私は、何を言いたかったんやろ?
もし最近、
AIが書いた文章を見て「これ、私じゃないな」
と思ったことがあるなら。
その文章の、
どこが“あなたじゃなかった”?
そこに、
まだ言葉になっていない
あなたの言葉があるのかもしれない。
