アラサー社会人のお遍路記録〜第十日〜
概要

記録
再開
37番岩本寺、38番金剛福寺は友人と四国南西部に旅行に行った際に訪問。公共交通だけを使って改めて訪れ直すことも考えたが、あまり間を空けるとそのままお遍路自体から足が遠のいてしまいそうだったので、「今回は先へ進むことを優先しよう」と割り切ることにした。タイトル詐欺と言わないでください。
概要には2/7と書いていて、読者諸賢は「ああ、前回の記事の9月のお話から半年経ったのね」かと思われるだろうが、これはなんと2025年2月の話。公共交通お遍路としては1年半近くサボ休止してしまっていた。この年の1月の祖母(真言宗)が他界し、極楽に行けるようお願いしに行こうと思ったのが再開のきっかけとなった。
冬の嵐
39番延光寺は、高知県最西端の宿毛市にある。翌日以降の行程も考えると前泊必須だ。仕事終わりに児島駅へ向かい、瀬戸大橋を渡って電車で四国入りの予定だった。しかしその日は強風の影響で、四国行きの列車が運転中止になっていた。運行再開の見込みがないとのことだったので、車で四国入りすることにした。瀬戸大橋上ではハンドルが取られるほどの暴風が吹いており、なかなかスリリングな移動だったが、どうにか四国に上陸。宇多津駅前の駐車場に車を停め、高知行きの特急に乗車(高松発の特急は通常運行していた)。高知駅で中村行きの最終列車へ乗り継ぎ、宇多津から4時間かけて四万十市へ到着した。南国・高知のイメージとは裏腹に、街には寒波の影響で雪が降っていた。

雪景色の遍路
翌朝は土佐くろしお鉄道で、土佐国最後の札所・39番延光寺へ向かった。この日は快晴だったが、先日までの雪が積もっており、雪景色の車窓を楽しむことができた。
最寄りの平田駅からは30分ほどで延光寺に到着。雪も相まって一層しんとした雰囲気の境内にて久しぶりの参拝。祖母の冥福とこれからの道中の無事を祈った。納経後はそのまま同じ道を戻り、平田駅に到着。ここから宿毛駅まで移動し、県境を超えて愛媛県に向かう宇和島自動車のバスへ接続する予定だった。しかし、時間になっても列車が来ない。別の列車との接続待ちの影響で遅れ、列車が来たのは定刻の30分後だった。

宿毛駅で予定していたバスには間に合わず、1本後のバスに乗車。地方の県境越えのバスであるにも関わらず、1時間後に次のバスがあったのは幸いだった。県境を超えてすぐの愛南町で40番観自在寺を打ち終えた後は、終点の宇和島まで一気に移動。長距離路線バスの醍醐味だ。
宇和島駅からは予土線へ乗り継ぎ、41番龍光寺・42番仏木寺へ進む予定だった。しかし、四国屈指の閑散ローカル線である予土線に、そう都合の良い接続があるはずもない。この日は順番を変更し、43番明石寺を先に訪れることにした。
予讃線で最寄りの下宇和駅へ到着すると、再びの雪景色。同じ駅で降りた地元の方が、宇和盆地は南予で唯一、普段から雪が積もる地域だと教えてくれた。今回は高知でも雪が降っているくらいだから、いつも以上に雪深くなっているのだろう。駅から40分ほど歩き、明石寺に到着。木造の重厚な山門に氷柱が垂れた景色が美しかった。また、四国の札所では珍しい赤瓦の本堂も印象的だった。

参拝後は昔ながらの遍路道、そして卯之町の古い街並みを通り卯之町駅に戻った。列車で宇和島に戻り、この日はここで宿泊。南予名物のちゃんぽんで冷えた身体を温めることができた。予定通りにはいかない行程であったが、これまでにない雪景色の札所を多く目にすることができ、また遍路旅自体が久しぶりだったこともあって、今でも印象に残っている1日だ。
また、今回の工程ではJR四国が発売している「四万十宇和海フリーきっぷ(片道タイプ)」を使用した。このフリーパス、正直お遍路のためにあるのではと思えるくらい便利な上に安い。高知→宿毛までの列車と、宿毛から宇和島までのバスに乗るだけでお釣りが来るレベルの値段で、宇和島→松山の区間は実質タダで列車に乗れるようなものだ。さらに翌日に乗車することになる予土線はフリー区間となっており乗り放題だ。お遍路以外で利用する人はいるのか、、と甚だ疑問なものなので、廃止されないことを切に願う。
