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私はChatGPTに「プロンプト」を書いていない── AIなしではフリーランス案件が回らなくなった話

私は仕事でかなりChatGPTを使っている。

Excelの数式を書いてもらうこともあるし、RPAの実装を一緒に考えることもある。
JavaScriptを書いてもらったり、エラーの原因を切り分けたり、顧客へのメール文面を考えてもらったり、スケジュールを引いてもらったりもする。

最近では、正直なところAIなしではフリーランス案件を回すのがかなりしんどい。

ただ、こう言うと少し不思議なことがある。

私はいわゆる「プロンプト」を、ほとんど書いていない。

「良いプロンプト」を考えている感覚がない


AI活用の記事を読んでいると、

「役割を与えましょう」
「条件を細かく指定しましょう」
「出力形式を明示しましょう」

といった話がよく出てくる。

もちろん、どれも間違ってはいない。

でも自分が普段やっていることを振り返ると、

「あなたは優秀な○○の専門家です」

みたいな文章は、ほとんど書いていない。

もっと普通だ。

「このExcelの式なんだけど、ある項目が空欄だったら処理をスキップするようにしたい」

とか、

「Power Automate Desktopでこのチェックボックスがうまく押せない。JavaScriptから押せない?」

とか、

「この作業を月末までに終わらせたい。使える工数はこれくらいなので、日ごとのスケジュールを引いて」

みたいな頼み方をしている。

プロンプトを書いているというより、普通に仕事の相談をしている。

AIが思った通りに動かない理由


一方で、

「ChatGPTに頼んだけど全然思った通りにならない」

という話もよく聞く。

モデルの性能差も当然ある。

ただ、それだけではない気がしている。

たとえば人間に、

「これ直しといて」

とだけ言ってExcelファイルを渡したら、たぶん困る。

どこを直すのか。
どういう状態が正解なのか。
今は何が問題なのか。

何もわからない。

AIもだいたい同じである。

ところが相手がAIになると、なぜかこちら側が説明を省略してしまう。

「いい感じにやってくれるだろう」

と思ってしまう。

でも、AIは便利だからこそ、わからない部分まで勝手に補完してしまう。

そしてその補完が外れると、

「なんか違う」

になる。

実物をそのまま見せる


自分がかなり意識しているのは、AIに想像させる範囲を減らすことだ。

数式がおかしいなら、数式そのものを貼る。

画面操作がうまくいかないなら、スクリーンショットを見せる。

エラーが出たなら、エラー文をそのまま貼る。

Excelなら、

「この列が処理区分で、この列が対象データの有無を示している」

くらいまで列の意味を渡す。

コードなら、問題が起きている部分だけでなく、その前後も見せる。

人間相手でも、

「現物見せてもらえます?」

と言うことは多い。

AIでも同じである。

説明だけで再現させるより、現物を渡したほうが圧倒的に早い。

最初から完璧に頼もうとしない


もう一つ、たぶんかなり大事なのがこれだ。

最初の指示を完璧にしようとしない。

仕事をしていると、途中で前提なんて普通に変わる。

「あ、ごめん。見る列そこじゃなかった」

とか、

「時刻の扱い、思っていた仕様と違った」

とか、

「やっぱりこの処理、もう一つのケースも対象だった」

みたいなことは普通に起きる。

そのたびに直せばいい。

AI相手になると、

「最初のプロンプトですべての条件を定義しなければならない」

ような雰囲気がある。

でも実務では、そんな仕事はほとんどない。

仕様は途中で見つかるし、漏れも出る。

だから自分は、

「まずここまでやろう」

と小さく頼む。

結果を見る。

違えば直す。

次に進む。

この繰り返しで使っている。

AIへの指示は「プロンプト力」ではなく「要件定義力」なのかもしれない


ここまで考えていて思った。

AIをうまく使えるかどうかは、

「プロンプトを書く能力」

というより、

「仕事を人に渡せる状態まで整理する能力」

に近いのではないか。

何をしたいのか。

今どうなっているのか。

何が問題なのか。

どこまでできれば完了なのか。

何をしてはいけないのか。

これを説明できれば、AIもかなり動いてくれる。

逆にここが曖昧なままだと、AIに限らず、人間に仕事を頼んでもたぶんズレる。

そう考えると、AIへの指示はそれほど新しい技術ではない。

昔からある、

要件定義だったり、
タスク分解だったり、
説明力だったりする。

「AIに仕事を奪われる」より先に起きていること


最近は「AIに仕事を奪われる」という話をよく見る。

でも自分の実感としては、少し違う。

AIが自分の代わりに仕事を全部やってくれているわけではない。

むしろ、

考える。
試す。
修正する。
また試す。

このサイクルがものすごく速くなった。

以前なら検索して、Qiitaの記事を読んで、公式ドキュメントを見て、試して、それでもわからなければ別の方法を探していた。

今は、

「これ、どうやる?」

から始めて、そのまま一緒に原因を追える。

だからAIは自分にとって、

「答えを出してくれる機械」

というより、

隣で一緒に作業している人に近い。

もちろん間違えるので、最終確認は自分でする。

特に数値、コード、仕様、契約に関わる内容などは、そのまま信用しない。

AIに作らせることと、正しいと判断することは別の仕事だ。

結局、普通に話せばいい


「ChatGPTを使いこなすには、どんなプロンプトを書けばいいですか?」

と聞かれたら、

今の自分ならたぶん、

「プロンプトを書こうとしなくていい」

と答える。

背景を話す。

現物を見せる。

何をしたいか伝える。

違ったら訂正する。

大きければ作業を分ける。

わからなければ一緒に考える。

それだけでいい。

少なくとも自分は、そうやってフリーランスの仕事をかなり助けてもらっている。

AIに必要なのは、魔法の呪文ではない。

たぶん普通に、

仕事を頼む力なのだ。

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