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フェルメールだけじゃなかった。心に残った17世紀オランダ絵画と、おみやげの話

大阪中之島美術館で開催中の
「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」。

前回は、《真珠の耳飾りの少女》を実際に見て感じたことを書きました。

でも今回、心に残ったのは
フェルメールだけではありませんでした。

オランダ・ハーグにあるマウリッツハイス美術館からやってきた、17世紀オランダ絵画の名品たち。

今回はその中から、
特に自分の目で見られてよかったと思った3作品について。

小さな銅板の中で笑う、レンブラント

まずは、レンブラント・ファン・レインの《笑う男》。

レンブラント・ファン・レイン《笑う男》。金箔で覆われた小さな銅板に描かれた、笑う男性の肖像画。

1629〜1630年頃に描かれた作品で、
大きさはわずか15.3×12.2cm。

実物を前にして、まず驚いたのがその小ささでした。

そして、興味深いのが
この作品が描かれている素材。

カンヴァスではなく、
金箔で覆われた銅板に油彩で描かれています。

暗い背景の中から浮かび上がる顔。

笑った口元や髭、肌の光。

小さな画面なのに、
今にも声が聞こえてきそうなくらい生き生きとしていました。

写真や印刷では気づけなかった、
「何に描かれているのか」というところまで見ることができる。

これも、実物を見る面白さなのだと思います。

本で見ていたレースを、目の前で。フランス・ハルス《男の肖像》

もうひとつ、近くでじっくり見たかったのが
フランス・ハルスの《男の肖像》。

フランス・ハルス《男の肖像》。黒い衣服と白い襟元の繊細なレースが印象的な男性の肖像画。

1634年頃の作品です。

以前、本でこの作品を見たときから
気になっていたのが、襟元の白いレース。

絵の中の衣服なのに、
布の柔らかさや細かな装飾まで感じられるようで、

「これは実際に自分の目で見てみたい」

と思っていました。

それを、本当に目の前で見ることができた。

本で細部を眺めるのと、
何百年も前に画家が筆を置いたその作品を
自分の目で見るのとは、やっぱり違います。

肖像画というと、
どこかかしこまった印象を持ってしまうけれど、

表情や衣服の描写を追っていると、
その人が生きていた時代まで
少し近くなるような気がしました。

触れたら果汁がつきそうな、デ・ヘームの果物

そして、思いがけず強く惹かれた一枚。

ヤン・ダーフィッツゾーン・デ・ヘーム
《宝石箱と果物のある豪華な静物》。

ヤン・ダーフィッツゾーン・デ・ヘーム《宝石箱と果物のある豪華な静物》。ぶどうやレモンなどの果実が瑞々しく描かれた静物画。

1650〜1655年頃の作品です。

ぶどう、レモン、さくらんぼ、
さまざまな果実。

とにかく、瑞々しい。

ぶどうの一粒一粒には透明感があって、
光を含んでいるよう。

果物の皮や果肉、葉や蔓まで、
触れたらその感触がわかりそうなほど細かく描かれています。

17世紀のオランダでは、
静物画がひとつのジャンルとして大きく発展しました。

デ・ヘームも、その時代を代表する静物画家のひとり。

何百年も前に描かれた果実が、
今も「おいしそう」と思えるほど瑞々しく見える。

絵を見ながら、
技術という言葉だけでは片づけられないものを感じました。

そして、美術館から連れて帰ったもの

展覧会を見終えたあとは、
やっぱりショップへ。

缶好き、紙もの好きなので、
こういう場所はなかなか素通りできません。笑

ポストカードは、
美術館へ行くと必ず何枚か選んで帰ります。

フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展で購入した図録、ポストカード、缶などのおみやげ。

その日に自分が惹かれた作品を、
あとからもう一度眺められる小さなおみやげ。

少しずつ増えていくのも
楽しみのひとつです。

そして今回、
帰ってきてから改めて

「買ってきてよかったな」

と思っているのが、展覧会図録。

《真珠の耳飾りの少女》が表紙になった、フェルメール展の公式図録。

表紙の《真珠の耳飾りの少女》も美しいのですが、

なんとも言えない
柔らかな手触りの表紙がとても好き。

ページを開けば、
展示されていた作品をもう一度じっくり見ることができる。

展覧会は、その場所を出たら終わりではなくて、

こうして本を開くことで、
あの日見た色や光、作品の大きさまで
少しずつ思い出せる。

そんなところもいいなと思います。

缶好きの私が、意外にも一番気に入ったもの

そして、意外だったのがこれ。

フェルメールの缶もちゃんと買ってきたのに、

帰ってから妙に心惹かれているのは……

販売品ではない、
ミッフィーが載った展覧会の新聞。

《真珠の耳飾りの少女》と、展覧会公式アンバサダーのミッフィーが掲載された黄色い新聞。

今回、同じオランダ生まれのミッフィーが
展覧会の公式アンバサダーを務めています。

黄色い紙面に
《真珠の耳飾りの少女》とミッフィー。

この組み合わせがなんともかわいくて。

紙もの好きとしては、
折り目まで含めて捨てられない一枚になりました。

缶好きの私が、
缶より新聞に惹かれるとは。笑

ちなみにミッフィーグッズはとても人気で、

私が訪れたときには
小さなマスコットはすでに完売。

大きな《真珠の耳飾りのミッフィー》ぬいぐるみも会場販売分は完売し、
現在は会場のフェルメール・ショップで受注販売になっていました。

小さなマスコットは
受注販売の対象外とのこと。

「有名な一枚」だけではなかった

《真珠の耳飾りの少女》を見ることが、
この展覧会へ行った一番の目的でした。

でも、振り返ってみると、

レンブラントの小さな銅板に宿る光。

ハルスの襟元のレース。

デ・ヘームの、
触れたくなるほど瑞々しい果実。

そして家に連れて帰ってきた本やポストカード、
なぜか大切に取っておきたくなった一枚の新聞。

有名な作品を見ることだけではなく、

「私はここが好きだった」

と思えるものを見つけること。

それも、美術館へ足を運ぶ楽しさなのかもしれません。

本や画面で見るだけではわからなかったものを、
実際の大きさで、自分の目で見る。

そして帰ってきてから、
もう一度思い出す。

そんな時間まで含めて、
今回のフェルメール展を楽しんでいます。

───

フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展
17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日

2026年8月21日〜9月27日
大阪中之島美術館

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