斎藤知事の給与減額案、1年の時系列――提出・修正・4度の継続審査
2026年9月3日更新
兵庫県の斎藤元彦知事による給与減額案は、2025年6月の最初の提出から1年以上、議会の結論が出ない状態が続いています。
初出時の記事は、2025年10月の総務常任委員会で審議が短時間に終わったことを「わずか1分の攻防」と表現し、議会が一枚岩であるかのように書いていました。さらに、新庁舎整備費という別の論点を同じ記事に混ぜていました。
ここでは、条例案だけに絞り、提出、修正、撤回、再提出、継続審査の経過を追います。
2025年6月:最初の提出
県は2025年6月6日、知事と副知事の給与減額幅を3か月間引き上げる条例案を提出しました。
知事:30%減から50%減へ
副知事:15%減から25%減へ
当初の対象期間:2025年7月から9月
県は、2つの第三者調査委員会が県保有情報の漏えいを認定したことを踏まえ、組織の長としての管理責任を理由にしました。
兵庫県・2025年6月6日知事追加提案説明
https://web.pref.hyogo.lg.jp/government/t_20250606_01.html
6月定例会では採決されず、継続審査となりました。その後、9月定例会でも継続しました。
2025年12月:管理責任を条例文に明記
12月2日、県は、それまでの案を修正して再提出しました。減額理由として、県保有情報が適切に管理されなかったことへの責任を条例文に明記し、対象期間を2026年1月から3月へずらしました。
一方、知事は会見で、管理責任は当初から説明しており、法制上の技術的な修正だという趣旨を述べました。議会側が求めた文言を加えたことと、知事が責任の範囲について従来の説明を維持したことは両立します。
兵庫県・2025年12月3日知事記者会見
https://web.pref.hyogo.lg.jp/governor/g_kaiken20251203.html
この12月定例会でも結論は出ず、3度目の継続審査となりました。
2026年3月:副知事の退任に伴い撤回
服部副知事が3月31日に任期満了で退任することから、県は、知事と副知事を対象としていた第146号議案を3月25日にいったん撤回しました。県は、減額対象を知事だけに修正し、直近の議会へ改めて提出する方針を説明しました。
兵庫県・2026年3月25日知事提案説明
https://web.pref.hyogo.lg.jp/government/t_20260325_01.html
この撤回は、管理責任の問題が解決したという意味ではなく、対象者の変更に対応する手続でした。
2026年6月:知事だけを対象に再提出
県は6月2日、対象者を知事だけとし、減額期間を定例会の時点に合わせて修正した第67号議案を提出しました。
兵庫県・2026年6月2日知事提案説明
https://web.pref.hyogo.lg.jp/government/t_20260602_01.html
自民党県議団はいったん賛成方針を示しましたが、6月8日の知事答弁を受けて継続審査へ方針を変更。6月11日、県議会は4度目の継続審査を決めました。
兵庫県議会・第375回定例会の議案結果
https://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/teireikai/r08/r8_375/documents/gianr80611.pdf
何が対立しているのか
県側は、県保有情報が外部へ出たことについて、組織の長としての管理責任を給与減額で明確にしたいと説明しています。
議会側では、原案に賛成する会派、反対する会派、説明や責任の範囲が不十分として継続審査を求める会派に意見が分かれました。したがって、「議会が減給に反対」「議会が知事を守った」「議会が幕引きを阻止した」のいずれか一つで全体を説明することはできません。
また、給与減額条例の可決・否決は、第三者調査の事実認定や刑事手続の結論そのものではありません。何について責任を取る案なのか、その責任の範囲を議会がどう評価するかが争点です。
現在地
2026年7月15日の知事記者会見でも、条例案は継続審査中と説明されています。9月3日時点の確認でも、県議会の最終的な可決・否決は確認できません。
兵庫県議会・第376回定例会の審議日程
https://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/teireikai/r08/r8_376/nittei.html
最新の審議結果と「50%・3か月」の数字は、こちらの記事で詳しく整理しています。
https://note.com/poliplus/n/n7a2410c5f897
2025年12月の「技術的修正」の中身は、こちらです。
https://note.com/poliplus/n/n5d753260a876
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