先延ばしは、逃げることではない。
「先延ばし」という言葉には、
どこか悪い響きがある。
やるべきことは、早く終わらせる。
決めるべきことは、早く決める。
迷っているくらいなら、一歩踏み出す。
そんな風に、私たちはいつの間にか、
「早く進むこと」を
正しいことだと思っている。
けれど、本当にそうだろうか。
必ずしも、すぐに答えを出さなくても、
いいのではないか。
例えば、返事を迷っているメール。
今日決めなくても、
明日になれば気持ちが変わるかもしれない。
今すぐ片づけなくてもいい仕事。
一晩眠ってから向き合ったほうが、
見えてくる事があるかもしれない。
人生の比較的大きな選択だって、
「今、決めなければ」と焦るほど、
本当の気持ちから
遠ざかってしまうことがある。
だから、時には敢えて先延ばしする。
逃げるためではなく、
自分の中に答えが育つ時間を残しておくために。
昨日は重かった問題が、一晩眠っただけで、
少し軽くなることもある。
時間は、何もしない空白ではない。
迷いながら考える時間も、
自分を整えてくれている。
もちろん、
先延ばしがいつも良いわけではない。
けれど、
すべてを急いで片づけなくてもいいと思う。
「今は決めない」という選択も、
ひとつの決断ではないか。
道の途中で立ち止まることは、
後戻りすることではない。
遠くを見ながら、
自分が本当に向かいたい場所を確かめる。
そのための時間なのかもしれない。
だから今日は、答えを急がない。
明日の自分に、
少しだけ続きを預けてみる。
もしかすると、
今日の自分には見えなかった答えを、
明日の自分が見つけてくれるかもしれない。
