【つぶやき】2006年11月11日、我々の『ゲーム所有権』は既に奪われていた。
AI要約(約400文字)
2028年のゲーム物理メディア版販終了報道を機に、筆者は「所有権の喪失」を嘆く世論へ疑問を呈する。出荷時の物理的な塊が最終形態だったPS2までと異なり、PS3以降の現代(ポストPS2)は、ネット経由の修正パッチやDLCへの依存が前提となった。
しかし家庭用機ではパッチデータを個人で独立して保管できないため、オンラインサービスが終了すれば、手元にはバグだらけの不完全な初期プログラムしか残らない。パッチをローカルファイルとして100%個人管理できるPCゲームとは違い、現代のコンソールユーザーは実質的な所有権をストアに握られているも同然である。
筆者は、物理メディア本来の資産・コレクション価値はとっくの昔に損なわれており、所有権の欠落も今に始まったことではないと結論づけている。
まえがき
SONY(SIE)が「PS5で2028年以降に発売される新作ゲームは全てDL発売にする」と発表してからはや3週間。未だにnoteでもTwitterでもyoutubeでも炎上が収まる様子は見られない。諦めや受け入れの意見もちらほら。
私もいろんな方の意見を見聞きしたが、その中でもしばしば語られているのが『ゲームの所有権』についてである。DL専売になったら、それは所有権ではなく利用権になってしまう。所有権を取り上げられる、などだ。
私はここに少し違和感を覚えた。我々はPS5のゲームを物理メディア入りのパッケージで購入することで、『完全なゲームの所有権』を手に入れていると思い込んでいる。
だが、実際には『完全なゲーム』を所有することはできていない。これはPS5に限った話ではない。Switch2やXBOXでも同じである。物理メディア付きパッケージでゲームを購入しても、我々は『完全なゲーム』を所有できないのである。
なぜそう言い切れるのか。理由を以下に記していきたいと思う。
【PS2まで】と【ポストPS2】
家庭用ビデオゲームの歴史は、2006年11月11日までの『いわゆるPS2までの時代』とそれ以降の『ポストPS2の時代』に分けられる。PS2までとPS3以降という風に言い換えた方がわかりやすいかもしれない。
この区切りは何かというと、HDD内蔵家庭用ゲーム機か否かである。常時オンライン環境か否かも重要要素だ。
HDDを搭載せずオフラインで使用する家庭用ゲーム機が【PS2まで】で、HDD搭載かつ常時オンラインで使用する家庭用ゲーム機が【ポストPS2】である。
※厳密に言うともっと前からXBOXやPSX、PS2の一部でもHDD搭載型は
存在しているが、プラットフォームがHDD搭載で統一されたと言う
意味で、PS3からとさせてもらっている。XBOXは日本ではほとんど
普及してないし、ね。PS2での用途も限定的だったし。
※Wiiも同年12月2日に発売されたが、こちらはHDDを搭載していなかった。
任天堂はネットから大きなパッチを落としたり、ゲームをインストール
したりする未来(ポストPS2の流れ)をあえて拒否したとのこと。
そのため、PS3よりあとに発売されたが、扱いとしてはPS2までの
時代側である。任天堂がHDD搭載可能ハード(WiiU)を発売したのは、
2012年12月8日のことである。WiiUからはポストPS2側となる。
では【PS2まで】と【ポストPS2】ではゲーム所有の何が違うのか。それを紐解くために、まずは『出荷=最終形態』だった【PS2まで】のゲーム所有の歴史から振り返ってみることにする。
【PS2まで】のゲーム所有
【PS2まで】のゲームは、オフライン売り切り前提で作られていた。ダウンロード販売など当然存在せず、全てのゲームは物理メディア[※1]に収録され、販売されていた。
販売された時点でそのゲームは完結しており、バグ(不具合)が残っていたり新たに発見されたりしても、その修正が行われる事は基本的になかった。
致命的なバグがあった場合などの極めて希な事例だけ、回収&交換が行われていた。回収せずにこっそり後期出荷版で修正した事例もあった。
SFC版ロックマンは、コピーガードを『物理的に』搭載していたが、これが誤動作を起こしたため、全回収&再送付というリコールが行われた。
他に事例がないかAIに尋ねてみたところ、以下の様な事例も起きていたようだ。私は上記のロックマンぐらいしか知らなかった。
💿 ディスク(PlayStation 2)時代の事例
1. 『ソウルキャリバーIII』(2005年 / バンダイナムコ)
ゲーム内の特定のモードでセーブや削除を行うと、同じメモリーカード内に入っている「他のゲーム(別タイトル)のセーブデータ」まで完全に破壊・消去してしまうという凶悪なバグ。
当初はバグの存在を濁していたが、被害が拡大したため最終的に「修正版ディスク」との無償交換対応を行った。
2. 『グランツーリスモ4』(2004年 / SONY)
特定の条件下(特定の車を購入する、特定のレースに出場するなど)で、画面が暗転したままフリーズし、それ以降メインのゲームモードが一切進めなくなる(進行不能)バグ。
ソニーは公式にバグを認め、希望するユーザーに対して修正版(後期ロット)ディスクへの無償交換を行った。
🔌 ロムカセット(スーパーファミコンなど)時代の事例
3. 『プロ麻雀 極』(1993年 / アテナ)
ゲーム中、特定の状況で麻雀の「ロン」や「ツモ」を宣言すると、画面がバグるだけでなく、カセットに内蔵されているバックアップ電源(バッテリー)のセーブデータが完全に消失するバグ。
麻雀ゲームとして致命的すぎたため、アテナは雑誌などで告知を出し、カセットそのものの回収・交換対応を行った。
4. 『ファイナルファンタジーVI』(1994年 / スクウェア)
特殊な事例(交換ではなく、後からこっそり修正)
有名な「スケッチバグ(リルムの技を使うと画面が崩壊し、セーブデータが消える)」など複数の致命的バグがあった。
当時はネットパッチがないため、スクウェアは公式な「全件回収」こそしなかったが、その後に増産したロット(出荷時期)から、ユーザーに告知することなくこっそりバグを修正した「後期版カセット」へ差し替えて販売していた。
軽微なバグや不具合は、裏技として扱われたりしてそのまま修正されなかった。そのため、そういった『出荷状態に残されたバグ(不具合)』込みで、そういうゲームとして我々は所有権を得ていた。

今でも評価や人気の高い『風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!!』というゲームがある。ハードはドリームキャストとPCのみ。PC版はずいぶん前からプレミア価格になっていたが、昨今ではDC版もえらい値段である。
中古価格のことはおいといて、このゲーム、非情に出来が良くゲームとしてもとても楽しめる。のだが、店主焼き(店主バグ)の失敗、階段フリーズ、星華の大筒や鋼賀に関連する処理落ち・不具合といった不具合が多々存在する。フリーズするとタヒ扱いとなるため、かなりきつい。
当然このゲームは【PS2まで】のゲームなので、修正パッチなど存在しない。バグ修正版も存在しない。そのためDC版アスカ見参は、バグありきのそういうゲームとして遊ぶしかないのである。私含め、このゲームを今も持っている人達は、そういうバグまみれのゲームを所有しているのだ。
だが、そのバグまみれの状態が最終形態であること、ここが非常に重要である。(他のゲームにおいて公式に交換された修正版ディスクも含めて)出荷された物理メディアの状態=ゲームの最終形態であり、今遊んでも、昔(当時)と全く同じゲームを楽しむことが出来るのである。
この点が『【ポストPS2】の(レトロ)ゲーム』と『【PS2まで】のレトロゲーム』の違いであり、後者が前者に対して大きなアドバンテージを持つ理由である。ゲームの最終形態を保持してることが、そのゲームを所有している事に価値を与えるのだ。
※PC版は【ポストPS2】側なので、ある程度の所までの修正パッチが存在
するようだ。こちらはユーザー(プレイヤー)が修正パッチを入手・保存
できるので【バグ修正パッチ込みの最終形のアスカ見参を所有している】
事になる。これができるのはPC版だけである。[←ここ重要]
では、「『【ポストPS2】の(レトロ)ゲーム』は物理メディア付きパッケージで所有していても、ゲームの最終形態を所有していない」というのはどういう事なのだろうか。次の項目でそれを説明しようと思う。
【ポストPS2】のゲーム所有
7月冒頭、SONY(SIE)により、2028年以降の新作ゲームはお金を払っても(物理メディアでの)所有権を得ることができず、あくまで利用権に対する対価を支払う形になることが公表された。
これにより様々な媒体で、(物理メディアでの)所有権が奪われる、コレクション性が失われる、ゲームショップでの中古取引ができなくなる、利用権を買わせようというのか・・・などなどの不満の声が上がり、大炎上した。
この炎上は現在に至っても収まったとは言いがたい。私も好きなゲームは物理メディアで集めている一人なので、今でも円盤継続を強く望んでいる。
これら炎上内容について、パッケージがないと寂しい(コレクション)とか、中古売買ができなくなる、利用権は奪われる可能性がある、このあたりは私も同じ意見である。
だが『所有権が得られなくなる』という意見に関しては、「ちょっとまった、何を今更」と声をかけずにはいられない。なぜなら我々は【ポストPS2】に至った時点で、ゲームの最終形態の所有ができなくなっているではないか。ひょっとして、本当に気づいていないのだろうか。
1.【ポストPS2】のゲームは修正パッチが充たる。
【PS2まで】のゲームは、物理メディアに記録されたが最後、そこに取りきれなかったバグが残っていようとも、そのまま出荷され、よほどのことがない限り修正されることがないことは既に説明した。
それにひきかえ【ポストPS2】のゲームは、HDD搭載ハードにゲームをインストールしてから遊ぶ形を取るため、通信機能を利用してゲームに修正パッチを充てることができる。
これにより、些細なバグからゲーム進行上の致命的なバグまで、何か問題が起きればすぐに対応し、修正パッチという形でユーザー(プレイヤー)に提供出来るようになった。ゲームをプレイする環境としては非常に望ましい環境である。本当に良い時代だ。
2.修正パッチを充てられることが引き起こした問題
だがその反面、十分なテストプレイを行わないまま発売されるゲームが増えているのも間違いない。PS3トトリのアトリエは突然フリーズするバグが残されたまま発売された。私もバグの被害を喰らった一人である。
メーカーによる修正パッチがオンラインで提供され、ある程度はフリーズも収まったらしい。らしいというのは、私は修正パッチを待たずにトトリのアトリエを諦めたのだ。これはゲームにならないと。
今調べたところによると、修正パッチが当たった後は、比較的フリーズしにくくなったようである。あくまで比較的であって、修正パッチを充ててもフリーズはすると、検索すると出てくる……。まあそれは横に置いといて。
トトリのアトリエは、何度かパッチが充てられて、それなりに安定してプレイ出来るようになった(と言うことにしておこう)。ここで先ほどのゲーム所有の問題が絡んでくる。
ゲームメーカーが存在している間や、そのハードが現役を退いてからしばらくの間は、オンラインでゲームのバグ修正パッチを受けることができるので、プレイの上で問題になることはそんなにない。
手持ちの物理メディアに納められているゲームプログラムがバグだらけであっても、遊ぶ前にバグ修正パッチを充てることができるからだ。
だが、それ(パッチ供給)が無くなってしまったらどうだろう。元々物理メディアで販売されたバージョンのゲームは、発売当初の大なり小なりなバグを抱えたままの状態である。ノーパッチ状態ではまともに遊べない・・・と言うことも将来起こり得るのだ。
オンラインでのバグ修正パッチは、ゲームハードのHDD内にあるゲームに対してオンラインでゲームパッチ(不具合修正)をダウンロードし、その時インストールされているゲームと一体化することしかできない。
【ポストPS2】のプレイステーションハードでは、ゲームの修正パッチ単体をユーザーが別個保存することを許していない。ここで言うバグ修正パッチというのは、物理メディアに収納されたゲームプログラム(またはDL版初期状態)に対する(最終版の)バグ修正パッチのことである。(アップデートパッチも同様)
つまり我々は、物理メディアに収録されたパッケージ版のゲームを買うことで、まるでそのゲームに対して、【PS2まで】のように、完全な所有権を得ているかのように勘違いしているが、我々は修正パッチが当たった最終修正版のゲームを所有できていないのである。
【ポストPS2】の現代において、我々が物理メディアパッケージを持つことにより所有できているのは『発売当初のゲームプログラム』であって、ゲームの最終形態を所有することはできていないのだ。
遠い未来、今のPS3, PS4, PS5のPSストアも修正パッチDLも閉鎖された後の時代、これらゲームを何かしらの代替ハードやPCエミュレーターなどで遊ぼうとすることがあるだろう。
だがその時、我々は物理メディアに納められたゲームプログラムの状態で遊ぶことは出来るが、修正パッチやアップデートパッチが充てられた快適(適正)なフル状態でのゲームプレイを行うことは二度とできないのである。
多くのゲームでは大幅にゲーム性が変わるような修正パッチが出るようなことはないので、そのまま普通に遊べるだろう。フリーズとかそういう問題を抱えて物理メディアに納められたゲームは、まあ、残念ではあるが。
そんな中で、発売直後にパッチが出て、ゲーム性が大きく変わったゲームを1つ紹介しておく。最近発売のゲームなので、ご存じの方も多いだろう。零~紅い蝶~REMAKEである。
初期状態では敵があまりにも硬く(ダメージが通らない)、強すぎてまともにゲームとして遊ぶことができないという意見が多くあったようだ。
私もこのゲームはディスク版で買ってプレイしたが、パッチを充てる前は「難易度とはいったい・・・」状態だった。
即日修正パッチが提供され、それなりにマイルドな難易度になった。現在のゲーム環境様々である。だが、修正パッチの提供が終了したあとのこのゲームの難易度は……そこには再び、阿鼻叫喚の世界だけが残るのである。
以上が、「『【ポストPS2】の(レトロ)ゲーム』は物理メディア付きパッケージで所有していても、ゲームの最終形態を所有していない」という表現の説明である。

ここではバグ修正パッチやアップデートパッチにのみ絞って記述したが、ゲームメーカー各社がゲームソフトの中古市場流通対策として取った手段である『有料DLCコンテンツ商法』や『アンロック商法』なども、結局の所全て同じことである。我々はゲームの最終形態を所有できないのだ。
最終形態を所有できるのはPCゲームだけ
アスカ見参!の所でも一度書いたが、物理メディアで販売されたPCゲームは、唯一そのパッチ有り最終形態をユーザー(プレイヤー)が所有することができる。
パッケージ販売されているPCゲームは、物理メディアでゲーム本体のプログラムを所有できるうえ、バグ修正パッチは販売メーカーからDLできるし保管する事も出来る。アップデートパッチも同様だ。
ゲームメーカーが潰れても、知的財産権を引き継いだ会社がパッチやアプデを提供してくれたり、有志がDLサイトを作ってくれたりしている。
エロゲ最盛期のXPや7の頃に販売されたゲームは、今でもバグ修正パッチはどこかに落ちているし、Windows11でも快適に動く。
一部ゲーム[#2]はその限りではないが、私が所有しているギャルゲー・エロゲー最盛期の各タイトルやNever7, Ever17, Remember11, 12Riven, Steins;Gate, 風来のシレン~月影村の怪物~などは今でも現役だ。
[#2] DRM認証、Disc検知コピーガードのSecuROMやSafeDiscを搭載した
古いPCゲームは、Windows 10や11のセキュリティ強化によって公式
パッチを当てても絶対に起動しなくなっている。
手元にあるパッケージ版のPCゲーム(昔の名作や自分の好きなゲーム)は、コレクション性、資産性、完全な最終形での保管、貸し借りできるという状態、を維持している。これこそが所有している、と言うのではないか。
【PS2まで】のゲームは、物理メディアに収録されたプログラムが不完全でそれが修正されることはないという問題点こそあるものの、その点を除けばPCゲームの状況に限りなく近く、所有していると言えると思う。
【ポストPS2】のゲームは、物理メディアに収録されたプログラムが不完全状態であるところまでは【PS2まで】と同じである。しかし、遊ぶときにハードにインストールしてパッチを充て、最新修正版で当時(パッチやDLC等が提供されている期間)は遊んでいたのに対し、その再現が遠い未来にはできなくなる。
この場合、たとえ物理メディアでゲームを購入していたとしても、ゲームを所有しているとは言いがたいと思う。もちろん、ゲーム毎にその度合いは違うので、初期出荷状態でほとんどバグがないようなゲームであったり、DLCやアンロックがほぼ無いゲームであるならば、所有していると同等と見なせるかもしれない。
まとめ
【PS2まで】のゲームは、物理メディア入りパッケージで購入することで、そのゲームを所有していると言える。ただし【PS2まで】のゲームは出荷状態が最終形態であるため、物理メディアに入っているプログラムにバグがあるとそれを修正する手段はない。対応ハード現役時代のゲームプレイ状態(環境)と、遠い未来のプレイ状態(環境)は全く同じである。
【ポストPS2】のゲームは、物理メディア入りパッケージで購入しても、そのゲームを所有してるとは言いがたい。物理メディア版を購入しても、ゲームハードのHDDにインストールしたあとで、バグ修正パッチやアップデートプログラムを充てて、初めてゲームをプレイする事になる。場合により、有料DLCを購入したり、アンロックシステムにお金を払う必要もある。
これらの物理メディアに入っていない追加要素を、ユーザー(プレイヤー)は独立して保存も保管もできず、オンラインサービスが停止したらその後入手する手段が一切無い。
そのため、対応ハード現役時代のプレイ状態(環境)と、遠い未来のプレイ状態(環境)は全く異なる。遠い未来では物理メディアに含まれる初期出荷状態でしか遊べなくなる。ゲームによりその差がほとんど無いものから、激しく別物になってしまう物まで、様々である。
PC(Windows)のゲームは、物理メディア入りパッケージで購入することで、そのゲームを完全所有していると言える。HDDへインストールした後、バグ修正パッチやアップデートプログラムを充てることもあるが、これらは独立してユーザー(プレイヤー)が保管・保存する事が出来る。
【PS2まで】と違い、バグ修正パッチやアップデートプログラムが存在することがあるが、個別に保管・保存できるので、対応Windows現役時代のプレイ状態(環境)と、遠い未来のWindowsでのプレイ状態(環境)は完全に(ほぼ)同じにできる。
このように【ポストPS2】となったときから、我々はSONYのハード(PS)でも、任天堂のハード(Switch)でも、ゲームを所有しているとは厳密には言い切れない状態に既になっていた。
初期出荷状態のままでゲームを遊ぶ人はほとんどいないと思うし、ゲーム自体がバグ修正パッチ・プログラムアップデートをしないと起動できないロックをかけてる事もある。
現実的にはあり得ないが、プラットフォーム陣営はゲームに供給すべきバグ修正パッチやアップデートプログラムを突然止めることもできる。DLCのDLやアンロック認証を止めることもいつでも可能なのである。
それどころかPS5やSwitch2などは、本体BANだって簡単に行うことができる。オンライン通信を使わせないとか、ゲームを起動させないとか、インストールされているプログラムを勝手に削除することすらできるのだ。
そんなプラットフォームでゲームを遊んでいるというのに、ゲームの販売がDL版のみになったら、いつその利用権を奪われるかわかったものじゃない!と嘆くなんて。気づいていなかったのだろうか。
2006年11月11日から既にそうなってる。何を今更である。
あとがき
かつてP.T.という試作版のホラーゲームがあった。今でもいくつかのゲーム機本体の中に残っていると言われているが、現在では公式にDLする事は出来ない。
一部熱狂的なユーザー(プレイヤー)達は、P.T.がインストールされているゲームハードを高額で取引しているという。P.T.をプレイするためには、インストールされた本体を入手するしか方法がないからだ。
ゲーム販売がデジタル版のみになるのならば、ゲームハードもデジタルにすればいい!などと揶揄する文言を見かけたことがあるが、実はハードの仕組みもとっくにそうなっている。
我々は物理的なゲーム機という「機械」を買って遊んではいるが、その中身(システムソフトウェアやライセンス)は常にメーカーの支配下にある。ビデオゲームの機械でさえ、実際には私たちに完全な所有権があるとは言いがたい状態にあるのだ。
オンラインに接続して遊ぶ(接続しないと大きく制限を受ける)ゲーム機仕様になった時点で、我々は気がつかなければいけなかったのだ。我々はゲーム機メーカー(プラットフォーム提供者)の仕組みに乗せられて、気づかないうちにゲームソフトも、ゲームハードも、それらの所有権の一部を既に手放していたのだと。
【ポストPS2】時代に突入する直前、または直後にでも、我々はオンラインで提供されるバグ修正パッチやアップデートパッチ、DLCコンテンツやロックされた機能の解除キーを、物理的に、個別に、個人で保存・保管できるようにしろと訴えるべきだったのだ。
この記事を書いている現在、Wii UやXbox 360のストアは既に閉鎖され、PS3やVitaのストアの完全閉鎖カウントダウンが進むなど、ポストPS2ハードの「延命治療」の打ち切りはドミノ倒しのように始まっている。
WiiUもXBOX360もゲームパッチの提供はまだ行われているが、いずれは終了することが明言されている。また360では既にゲームパッチがサーバー側から消滅してしまったゲームもある。
これから先、バグ修正パッチ・アップデートパッチのオンライン配布が止まる(止められる)とき、それが何年後か、何十年後かはわからないが、我々の【ポストPS2】物理メディア版ゲームソフトは、その価値の一部を一斉に失うのである。そしてこれは、避けられない未来なのだ。
