猫背の原因は背中じゃなかった ― デスクワーカーのための1分姿勢チェック
■ 猫背の原因は「背中」ではなく「骨盤」だった
ふと鏡に映った自分を見て、猫背にギクッとしたことはありませんか。
背筋を伸ばそうと意識しても、数分後にはまた丸まっている。「背筋が弱いから」「姿勢を意識する気持ちが足りないから」と根性論で片づけられがちですが、実はこれ、背中の筋力の問題だけではないことがほとんどです。
理学療法士として姿勢を診ていると、猫背の背景にある共通の原因が見えてきます。それは背中ではなく、「骨盤の傾き」です。
■ 猫背が起きる仕組み:座りっぱなしで骨盤が後ろに倒れる
長時間椅子に座っていると、太ももの付け根にある股関節の前側の筋肉(腸腰筋)が縮んで硬くなり、反対にお尻の筋肉(殿筋)が使われずに弱くなっていきます。
この状態が続くと、骨盤が後ろに倒れた状態(後傾)で固まりやすくなります。骨盤が後ろに倒れると、その上に乗っている背骨はまっすぐ立てられなくなり、代わりに背中を丸めることでバランスを取ろうとします。これが猫背の正体です。
つまり猫背は、「背中の筋肉をもっと使え」という話ではなく、「骨盤が後ろに倒れているから、背中を丸めざるを得ない」状態なんです。
■ 猫背のセルフチェック方法(1分でできる)
壁を使った、昔からある簡単なチェック方法です。
壁を背にして、かかとを壁につけて立つ
2. 後頭部・肩甲骨・お尻の3点が、無理なく自然に壁につくか確認する
3. 腰と壁の間にできるすき間に、手のひらが入るかどうかを見る
後頭部が壁から大きく離れる、またはすき間に手のひら以上の空間ができる場合は、骨盤が後傾して猫背の姿勢が体に染みついているサインです。
■ 猫背解消ストレッチ:股関節の前側を伸ばすやり方
対策は、背中を鍛えることよりも先に、骨盤の傾きを整えることです。
片膝立ちの姿勢を作り、後ろ足の付け根(股関節の前側)を前方に体重をかけて伸ばす
左右20〜30秒ずつ、1〜2セット
座っているときは、椅子に浅く腰かけず、坐骨(座面に当たるお尻の骨)を感じる位置に座り直す
即効性はありますが、長時間の座り姿勢によって骨盤の傾きが固まっている場合、根本的な改善には時間がかかります。前回の「肩こり」の記事で紹介した胸のストレッチと合わせて行うと、上半身全体の姿勢がより整いやすくなります。
※本記事は一般的なセルフケア情報の共有を目的としており、症状の診断や治療を目的としたものではありません。強い痛みやしびれがある場合は、医療機関を受診してください。
■ 続編のお知らせ
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