6月|湿気で重たくなる季節に、梅雨の不調に寄り添う5つの食材
雨の音を聞く日が、少しずつ増えてきました。
窓を開けると、空気はしっとり。

洗濯物がなかなか乾かなかったり、床がなんとなく、ぺたぺたしていたり。
梅雨になると、暮らしの中のいろいろなものが、少しずつ水分を含みはじめます。
それは、体も同じなのかもしれません。
ちゃんと眠ったはずなのに、朝から体が重たかったり。顔や足が、なんとなくすっきりしなかったり。
気圧や気温の変化に、頭や気持ちまでぼんやりする日もあります。
暑い日は冷たいものが欲しくなるけれど、冷たいものばかり続くと、お腹まで少し疲れてしまう。
6月は、夏のようでいて、まだ夏ではない。
軽やかなものを取り入れながら、体を冷やしすぎないことも大切にしたい季節です。
そんな6月の体に寄り添ってくれる、旬の食材を5つ集めました。
・きゅうり(カリウム・ビタミンC・ビタミンK)
カリウムが豊富に含まれていて、体に熱がこもりやすい時期のむくみ対策にやさしい食材です。ビタミンCがコラーゲンの生成を助け、日焼け対策や肌の健康維持をサポートします。また、骨の健康を保つビタミンKも含み、体を健やかに整えます。カリウムやビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いため、生でそのまま食べる調理法がおすすめです。β-カロテンなどの栄養は皮の近くに最も多く含まれているので皮ごと調理したいお野菜です。
6月になると、きゅうりのみずみずしさが、いつも以上においしく感じられます。
包丁を入れたときの、さくっという音。
切ったそばから広がる、青くて涼やかな香り。
カリウムが含まれていることで、なんとなくすっきりしない日に取り入れやすい野菜です。
ほとんど火を使わずに食べられるのも、台所に立つのが少し億劫な日にはうれしいところ。
塩もみにしたり、梅や酢と和えたり。
食欲がぼんやりしている日は、少し厚めに切って、ぽりぽりとした食感を残すのも好きです。
ただし、冷たいものばかりに偏ると、お腹が冷えてしまうこともあります。
生姜や温かい食材を少し組み合わせると、6月の体にちょうどいい一皿になります。

・ズッキーニ(カリウム・ビタミンC・β-カロテン)
見た目はきゅうりに似ていますが、実はかぼちゃの仲間で、みずみずしく柔らかな食感の夏野菜。
カリウムが含まれていて、体が重くだるくなりやすい時期のむくみ対策にやさしい食材です。ビタミンCがコラーゲンの生成を助け、日焼け対策や疲労回復をサポートします。また、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンも含み、肌や粘膜の健康を保ちます。β-カロテンは油に溶けやすいため、炒める調理法がおすすめです。ビタミンCやカリウム、β-カロテンは皮の近くに多く含まれているので皮ごと調理したいお野菜です。
ズッキーニは、焼くとぐっと表情が変わります。
油をまとわせて、両面をこんがり。
火が入ると、少しとろりとして、淡い甘みが出てきます。
さっぱりした食卓に、焼いた野菜の香ばしさと温かさを加えられるのが、この季節にはうれしいところです。
生のきゅうりと、焼いたズッキーニ。
みずみずしさと香ばしさ。
ぱりっとした食感と、やわらかな食感。
温度の違うふたつの野菜を一緒にすると、
冷たいだけでも、重たいだけでもない。
梅雨の食卓に似合う、ちょうどいい一皿になります。

▶ 旬の野菜のおはなし|きゅうりと焼きズッキーニの旨みツナポン和え
きゅうりは生のまま、ズッキーニはごま油でこんがりと。ツナと生姜、ポン酢で和えた、梅雨の日に食べたい一皿です。
・枝豆(タンパク質・ビタミンB1・カリウム)
大豆が熟す前の未熟豆で、野菜と豆の両方の栄養をあわせ持つ、夏の万能野菜。
カリウムが含まれていて、むくみ対策にやさしい食材です。ビタミンB1が糖質の代謝を促してスタミナ不足や夏バテを予防し、豊富な植物性タンパク質が体力を底上げします。ビタミンCやカリウムなどの栄養を逃さないために、フライパンで少量の水で蒸し焼きにする、またはレンジ加熱という調理法がおすすめです。さっと茹でて塩をふるだけで、ちゃんと満たされます。

枝豆が並びはじめると、夏が少し近づいてきたような気がします。
鍋の中でゆで上がる枝豆の、青くて、ほのかに甘い香り。食欲があまりない日でも、ひと粒ずつなら、自然と手が伸びる。
塩ゆでにするだけでも十分ですが、ごはんに混ぜたり、卵焼きに加えたり、スープの仕上げに散らしたり。いつもの料理に少し加えるだけで、色も食感も軽やかになります。
なんとなく力が出ない日は、たくさん食べようとしなくてもいい。
小さなひと粒を少しづつ。枝豆は、そんな食べ方がよく似合う食材です。

・新しょうが(ジンゲロール・カリウム)
水分が多くみずみずしい、初夏から夏のごちそう。カリウムが含まれ、冷房による夏のむくみ対策にやさしい食材です。辛み成分のジンゲロールが血行を促して冷えを和らげ、体にこもった熱を逃がします。
栄養を逃さないため、スープに入れて汁ごといただく、または甘酢漬けにするのがおすすめです。栄養や風味は皮の近くに最も多いため、皮ごと調理しましょう。皮が薄いのでそのまま食べられます。スライスしてお肉とさっと炒めるだけで、ちゃんと満たされます。

初夏に出回る新しょうがは、いつもの根しょうがよりも色が淡くて、みずみずしい。辛みも比較的やわらかく、すっと抜けるような、さわやかな香りがあります。
梅雨時期は、きゅうりや冷ややっこ、そうめんのような、冷たい料理が増えていきます。
そんな食卓に生姜を少し添えると、味の輪郭がはっきりして、食べやすくなります。
すりおろして和えものに。
細く切って、炊き込みごはんに。
甘酢に漬けておけば、食欲がぼんやりしている日の箸休めにもなります。
体を整えることは、特別なものをたくさん食べることではなくて。
いつもの料理に、香りをひとつ添えることなのかもしれません。

・あじ(タンパク質・EPA・DHA)
一年中手に入り、特に春夏に脂がのって美味しくなる代表的な青魚。
カリウムも含んでいるため、塩分が気になる時期のむくみ対策にもやさしい食材です。良質なタンパク質が体力を底上げし、EPAやDHAが血液をサラサラにして生活習慣病を予防します。健康成分は魚の皮や小骨の周り、血合いにも多く含まれるため、できるだけ丸ごと調理しましょう。
初夏の魚といえば、あじ。
塩焼きにしたり、生姜や大葉と一緒にたたきにしたり。脂が重たすぎず、さっぱりと食べられるので、蒸し暑い日にも取り入れやすい魚です。
体が重たいからと、野菜や冷たい麺だけで食事を終わらせてしまうと、あとから力が出ないこともあります。
そんな日は、あじを少し。
焼いたあじに大根おろしを添えたり、南蛮漬けにして酸味を加えたり。魚を一尾焼く元気がない日は、お刺身や缶詰を頼ってもいい。
軽やかに食べながら、体を支えるものもきちんと補う。
6月は、そんなバランスを大切にしたいと思います。
6月は、無理に元気を出そうとしない月。
空も体も、すっきりしない日がある。
それなら、そんな季節に逆らわずに過ごしてみるのもいいのかもしれません。
みずみずしいきゅうりを食べて、ズッキーニは、こんがり焼く。
枝豆を少しずつつまんで、新しょうがの香りで、食欲を呼び戻す。
そして、ときどき魚を食べて、体の土台も忘れずに。
軽いものと、温かいもの。
野菜と、たんぱく質。
どちらかだけに偏らず、その日の体に合わせて組み合わせていく。
梅雨の不調を、食べものだけですべてなくすことはできないけれど。
今日の自分が食べやすいものを選ぶことは、小さな助けになってくれる気がします。
雨の日には、雨の日の過ごし方を。
すっきりしない日にも、体の中に小さな風が通るような食卓を。

6月も、もう終わりなんだけど、ほどよく、ゆるやかに。
季節の力を借りながら、心地よく過ごしていけますように。

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