乗って、飛んで、万年青に会いに行く。
capy_laboさんから、エッセイしりとりのバトンを受け取りました!
前の記事のタイトルは「写真には写らないもの」ということで、私に回ってきた一文字は「の」です。
せっかく「万年青をこよなく愛し、万年青のためなら新幹線にも飛行機にも乗ってしまう」とご紹介いただいたので、今回はそのあたりの話を書いてみようと思います。
✈️飛行機でおもとを持って帰る方法✈️
今は、欲しいものがあれば大抵のものはネットで買えます。近所に売っていなくても検索すれば見つかるし、通販なら数日後には玄関まで届く。植物だって同じです。欲しい品種を探して、写真を見比べて、ポチッとする。それで目的は十分に達成できます。
それなのに私は、万年青を見るために新幹線に乗ったり、飛行機に乗ったりします。
東京でイベントがあります、と聞けば、福岡から飛行機に乗る。関西なら新幹線。九州の中でも、気になるイベントがあれば列車で出かけます。
植物を一鉢買うだけなら、どう考えても送料のほうが安いです。
今の私は、1万円のおもとでも買うときは「えいやっ」と思い切らないと買えません。だから、飛行機や新幹線、それに宿泊費まで考えると、「イベントに行かなければ、5万円くらいのおもとが買えるのでは?」と思われるのではないでしょうか。
実際、計算だけをすれば、たぶんその通りです。
でも今の私は、植物として価値の高い一鉢を迎えることよりも、自分がおもとをこの先、生涯の趣味として続けていけるのかどうかを手探りしているところです。
まだ知らないことも多いし、見たことのないおもともたくさんあります。育て方を覚えることも、展示会へ行くことも、人と話すことも、全部ひっくるめて経験を楽しんでいる途中です。
福岡にいると、リアルでおもと趣味者と交流する機会は、正直かなり限られています。
一人で黙々と育てて、ちょっと高いおもとを買って、家で「ふふふ」と眺めているだけでも趣味としては成立するのでしょう。でも、それだけでは私はたぶん、なかなかモチベーションが上がりません。
だったら今は、一鉢にお金を集中させるよりも、その分を使っていろいろな場所へ行き、いろいろなおもとを見て、いろいろな人に会ってみたい。
とはいえ、旅費に四苦八苦。マイルや早期予約を駆使したり、会社の出張とうまく絡めたりしながら、できるだけ現実的な範囲でやりくりしています。
そうやって会場まで行ってみると、そこでしか得られないものが、やっぱりあるのです。
もちろん、実物を見て選びたいという理由もあります。同じ品種でも、一鉢一鉢、葉の形も柄の入り方も姿も違います。写真や図鑑では気にならなかった一本が、目の前に並んだ瞬間ものすごく魅力的に見えることもあるし、逆に「これが欲しい!」と決めて行ったはずなのに、隣にあった全然違う株を連れて帰ることもあります。
そして、会場へ足を運ぶ魅力は、植物を直接見られることだけではありません。そこでは、SNSでつながっていた人や、生産者さんと実際に言葉を交わせます。
イベント会場でフォロワーさんに会うと、こんなやり取りになることがあります。
「え? ぴかけいさん、福岡じゃなかった?」
「来ちゃった!」
この、ちょっとびっくりしてもらえる瞬間が、めちゃくちゃ楽しいのです。
SNSでは何度もやり取りしているのに、実際に顔を合わせるのは初めてだったりする。投稿で見ていた植物を「あ、これだったんですね」と一緒に眺めたり、育て方の話をしたり、全然関係のない話で盛り上がったりする。
ネットの中にいた人が、その日から急に「会ったことのある人」になります。
生産者さんと直接話せるのも、イベントならではです。「福岡から来ました」と言うと、かなりの確率で驚かれます。「わざわざ遠くから?」と言われるたびに、私は心の中でちょっと思っています。
これ、きっと生産者さんの自己肯定感も爆上がりしているはず、と。
だって、自分が育てた植物や、自分が作ったものを見るために、飛行機や新幹線に乗って人がやって来るんですよ。そんなの、ちょっとうれしくないですか。
いいものを作り続けるには、技術や努力はもちろん必要だけれど、モチベーションだって大事だと思うのです。
「こんなに楽しみにしてくれている人がいるなら、また頑張ろう」
そう思ってもらえたら、ファンとしては最高です。
これは万年青に限った話でもありません。他の植物のイベントにも行くし、ドールイベントにも行きます。
そこには、その人が育てた植物や、その人が作った作品が並んでいて、それを楽しみにしている人たちが集まっています。私は買い物をしに行っているけれど、それと同時に、作り手と直接話しながら、
「あなたの作り出すもののファンです」
と伝えに行っているのだと思います。
もちろん、毎回そんなことを真正面から言うわけではありません。会場へ行って、見て、話をして、気に入ったものがあれば買う。それだけです。
でも、わざわざ足を運ぶという行動そのものが、かなり分かりやすい「好き」の表現になっている気がします。
ネット通販は便利です。私も普通に使います。でもイベントには、通販の箱には入ってこないものがあります。
作った人の話を聞くこと。フォロワーさんと笑うこと。「また来ました」と言うこと。「福岡から!?」と驚いてもらうこと。そして、まだ知らなかった誰かや何かに出会うこと。
だから私は、これからもきっと乗って、飛んで、万年青に会いに行く。
さて、私からもエッセイしりとりのバトンをお渡ししたいと思います。
とは言えいかんせん、note+ではまだまだ交流深まったフォロワーさんがいらっしゃるわけでもなく💦
バトンと言うよりも
このエッセイに辿り着いた方にご紹介したいライターさんのリンクを3つバトンとして貼ります。
「万年青×ウェルビーイング」という、新しい視点から万年青の魅力を発信されている方です。
栽培や品種だけでなく、文化としての万年青にも目を向けて考察されています。
古典園芸を現代の価値観から読み解く記事は、わたしとはまた違った角度でとても興味深いです。
塊根沼さんです…ほんとに
図鑑ができるんじゃないかと思うくらい毎日投稿!
大きな種類の区分はcovaさんの記事を見て判別できるようになりました。
秋からの園芸イベントシーズンでぜったい塊根屋さん見ちゃうと思います。
Morisonさんはまさに富貴蘭図鑑
こちらも毎日投稿です。
よく見てみるとあいうえお…50音順に富貴蘭の画像ストックと記事を書かれています。
交換会や展示会で、どんな花が咲くのかな?と思った時にはMorisonさんの記事を検索しています。
このタイトルの最後の一文字は「く」です。
もし「ちょっと書いてみようかな」と思った方がいらっしゃれば、「く」から始まるタイトルでお願いします。
もちろん、書くも書かないも自由ですので!すでに別の方からバトンを受け取っていたり、お忙しい方もどうぞスルーしてください💦
バトンを渡してくださったcapy_laboさん、そして楽しい企画を作ってくださったマイキーさん、ありがとうございました^_^
