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「ガイド」という仕事の価値

先日、私のメンバーシップ「『知性ある消費』編纂室」で「大森町で学んだこと共有会」をオンライン開催しました。

共有会の動画はメンバーシップの掲示板にアップしているので、興味のある方はメンバーシップへ加入してご覧ください(初月無料です)。

共有会では、4つのテーマに分けてお話ししました。

今回は共有会で話したことの中から、私が参加した「遊ぶ広報」という仕組みの面白さ、特にこのプログラムにおけるガイドツアーの重要性と、地域の水先案内人としての「ガイド」という仕事の価値がこれから高まっていくのではないかという話をまとめて書いておきたいと思います。


通常、「ガイドツアー」というとすでに決まったコースを型にはめたように回るイメージを持たれることが多いと思います。なので、旅好きの人ほどガイドツアーに参加する機会は少ないのではないかと思います。

一方で私は旅先、特に海外ではガイドさんを探すことが増えました。もちろん自分で自由に見て回って、自分なりに咀嚼していく楽しみもある。けれど現地で暮らしている人の目を通して説明してもらうことで、外部の人間である自分の目では捉えられなかった世界が見えるようになると思うからです。

そしてできるなら、観光名所の解説ではなく現地の暮らしぶりや価値観を知りたい。でもそういった「土地の水先案内人」のような人に出会うのは至難の業で、何の人脈もない海外ではなおさら難易度が上がります。

かといって、観光名所の周辺にいるガイドはそこの情報以外は説明できない人もいたりするので、理想とするガイドに出会うのはなかなか難しい。

airbnbのアクティビティや旅行先で食卓に招くサービス「Eatwith」などはそういったその土地の水先案内人的な人と出会いやすそうなので今後使ってみたいけれど、あくまで個人間取引のサービスなので海外で使うのはハードルが高いなとも思ったり。

旅先をより深く知るためのガイドには出会いたいけれど、ある程度信頼できて幅広い知識を持つ人に出会うのは難しい。その課題を長年うっすらと抱いてきた中で、今回遊ぶ広報で体験したガイドツアーは個人的に理想のガイドそのものでした。

▼実際に私が参加した今回のガイドツアーについては下記の記事もあわせて読んでみてください。

理想的なポイントとしては、ガイドツアーでありながらとても自由度が高かったこと。私は特にこだわりはなく行き先はおまかせしてしまいましたが、興味にあわせて柔軟に行き先を組んでもらえるので、こういうことを知りたい、こういう人に会ってみたいという自分なりのテーマがある人はガイドさんがいることでより深い旅ができると思います。

そして何より理想的だったポイントは、ガイドさん自身がそのエリアの方々と深く繋がっていて、遊ぶ広報の取り組みもエリア内で浸透しているので、お店や畑、施設の方たちと直接お話しする時間が持てたこと。

一般的なガイドツアーでは、お店や施設についてガイドさんが説明をして終わりになることが多いと思います。もちろんそれだけでも十分に楽しいし学びになるのですが、運営されている方自身に語ってもらうことでより学びも深まるし、一度話すことでその地域に「知り合い」が増えていくのも面白いなあと。

遊ぶ広報では滞在の序盤でガイドツアーに参加することを奨励しているのですが、ここで知り合いが増えることで滞在中にまた顔を合わせたり、別のつながりが生まれるきっかけになるので、たしかにこのツアーは序盤に行くのが重要だなと実体験として思いました。

私はこのガイドツアーの際に、数日後に山頂でご来光を見ながら朝ごはんを食べる「天空の朝ごはん」というイベントがあると聞いて急遽参加を決め、朝ごはん後の登山にも参加しました。このイベントもガイドさんのお一人が主催されているので、すでに知り合いがいる状態で参加できたことで他の参加者の方ともスムーズに打ち解け、楽しめたなと思います。

さらにそのあと、私がジビエが好きという話をしたのをきっかけに三瓶のおすすめのジビエ料理に連れて行っていただき、そこでは大森町の友人たちも交えて賑やかな時間を過ごしました。

このように遊ぶ広報におけるガイドツアーは、単にまちを知ってもらうための案内ではなく地域に知り合いを増やすための「顔見せ」のような意味があり、地域に溶け込むきっかけになっていることを感じました。

私は今回だいぶ理想的な流れを踏襲したのだと思いますが笑、大森町のガイドを担当されている方とお話しした際にもガイドをしたことをきっかけに遊ぶ広報の方と仲良くなってあちこちに出かけたり人を紹介したりしたエピソードをたくさん聞いたので、どのツアーに参加しても基本スタンスは同じなのだと思います。

まちを知るには、そのまちの人と話すのが一番いい。ガイドというとどうしても観光名所や歴史を語ろうとしてしまうけれど、友人の集まりのような感覚で自然にそのまちの暮らしを語ってもらうのが一番楽しいし、まちに自分ごととして入り込みやすいなと思いました。

観光名所を巡る旅は、基本的に一度行ったらそれで終わりです。でも人に出会い、つながる旅は、むしろ再会のためにまた足を向ける動機になる。人を呼べるような観光地ではないから…と諦めている地域こそ、こうした「人と出会う旅」の視点が重要なのではないかと思います。

そして旅をする側も、そうやって人に出会い、また会いたい人たちを全国に、全世界につくっていくことがこれからの豊かな旅の仕方なんじゃないだろうか、と。

これまでの「ガイド」という仕事は場所と人をつなぐ仕事でした。旅行者に対してその土地や建物の成り立ちや特徴を説明し、学んでもらうことがガイドの仕事。

でも、思い返してみると私自身これまで観光地でボランティアのガイドさんも含めていろんなガイドさんのお話を聞いてきたなかで、いまだに印象に残っているのはお勉強的な説明よりもガイドさんからポロッと出てくる個人的な話ばかりです。

今や知識や情報はいくらでもググれるし、AIを通してより深く学ぶこともできる。でもそこで暮らす人たちの実感のこもった言葉はAIには代替できないもの。そして人と人との出会い、つながりは相対的にますます価値を帯びていく。

だからこそ、今後の観光においてその土地に深く入り込むきっかけとしてのガイド役の重要性が高まっていくのだと思います。

遊ぶ広報のガイドツアーは二週間滞在するという長期滞在型だからこそできている側面もありますが、もう少し短い滞在期間でもその土地にまた会いにきたいと思える人との出会いをどう作り出せるかは、今後の観光を考える上で重要なポイントとなっていきそうです。

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以下は、アジェンダにも書いた「とはいえ、この価値ある "ガイド"という仕事にいかに経済的価値をつけていくか?」についての個人的考察です。

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思索綴

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