転職時の年収交渉②|選考での進め方
こんにちは、ROYAL AGENTです。
転職活動にまつわる疑問に少しでもお答えできるよう、私たちが普段お伝えしていることを「転職Tips」としてまとめるシリーズ。
第1回のテーマは「希望年収」ということで、先日は希望年収を決める前に、現在年収・希望年収・最低希望年収の3つを整理することや、年収総額だけでなく条件の中身を見ることをお伝えしました。
今回は、その続きである後編です。
転職エージェントを利用する場合、候補者が企業と直接、金額の駆け引きをする必要は基本的にありません。希望する条件とその背景をエージェントへ共有し、エージェントが企業側の状況も踏まえて交渉します。
ただし、エージェントへただ希望の額をと伝えるだけでは、納得感のある交渉は難しいものです。
大切なのは、自分が何を希望し、何であれば譲れるのかを、エージェントと一緒に整理することです。今回は、年収交渉の前に用意したいことと、エージェントへ何を伝え、何を確認すればよいのかをご紹介します✍️
交渉前に、エージェントと整理したい5つのこと✅
希望年収について話す前に、まずは次の5点を確認します。
現在の年収と内訳:基本給、賞与、固定残業代、各種手当、インセンティブなど
希望年収:仕事内容や期待される役割を踏まえ、納得して入社できる水準
最低希望年収:他の条件を考慮しても、これを下回ると入社が難しい水準
転職で実現したいこと:仕事内容、働き方、成長機会、勤務地など
条件の優先順位:年収と、それ以外の条件をどのように比較するか
現在年収は、源泉徴収票や給与明細を確認し、事実として正確に共有します。
同じ「年収600万円」でも、基本給が中心なのか、変動賞与や残業代を含んだ金額なのかで意味は変わります。エージェントが企業の提示条件と正しく比較できるよう、内訳まで伝えておくと安心です。
希望年収と最低希望年収は、必ずしも同じ金額ではありません。
「理想としては650万円。仕事内容や働き方が希望に合えば、最低ラインは600万円」のように、どこまでなら検討できるかを整理します。
この最低ラインは、単に生活できるかどうかだけでなく、担当する業務、働き方、今後得られる経験、評価制度などを含めて考えます💡
希望年収の「根拠」をどう作る?🤔
企業が条件を検討するとき、見ているのは希望額だけではありません。
今回のポジションでどのような役割を任せられるのか、その根拠となる経験があるのか、入社後にどのような貢献を期待できるのかを確認します。
そのため、希望年収の根拠は「現職より100万円上げたいから」ではなく、仕事の内容と結びつけて整理します。
AI・データ領域であれば、たとえば次のような経験が根拠になります。
分析やモデル開発だけでなく、実装・運用・改善まで担当した
需要予測などの分析結果を、業務改善や事業成果につなげた
データ基盤の要件定義から構築、運用まで一貫して担った
生成AIのPoCにとどまらず、利用部門への導入や定着まで進めた
技術チームと事業部門の間に入り、要件や課題を整理した
メンバー育成、技術選定、プロジェクト管理を担当した
「何を経験したか」だけでなく、「自分はどこまで担当し、何を工夫し、どのような結果につなげたか」を言葉にしておきましょう。
可能であれば、売上、工数、精度、利用者数、プロジェクト規模など、公開できる範囲で数字を添えると伝わりやすくなります。
もちろん、守秘義務に触れる情報まで伝える必要はありません。
エージェントとの面談では、本人にとって当たり前になっている経験から、企業に評価されるポイントが見つかることもあります。一人で立派な理由を作ろうとせず、担当者と一緒に棚卸しすることが大切です。
エージェントへ伝えておきたいこと✍️
次の情報があると、企業へ希望の背景を説明しやすくなります。
希望年収と最低希望年収
その金額を希望する理由
現在の年収と、給与・賞与・手当などの内訳
仕事内容や企業に感じている魅力
年収以外で重視している条件
他社選考やオファーがある場合は、事実としての状況と期限
どの条件であれば、入社を前向きに判断できるか
特に大切なのは、企業への志望度と、希望条件の関係です。
「仕事内容にはとても魅力を感じているが、家族との生活を考えると最低でも〇〇万円が必要」「年収は希望より低いが、希望する業務を任せてもらえるなら検討したい」など、率直な考えを共有してください。
エージェントは、候補者の意向を理解して初めて、何を優先して企業と話すべきか判断できます。
エージェントに確認したいこと✅
希望を伝えるだけでなく、企業側の考えをエージェントから確認することも重要です。
求人の想定年収レンジと、自分が想定されている等級
企業が自分のどの経験を評価しているか
入社後に期待されている役割と成果
提示年収の内訳と、変動する可能性がある部分
初年度賞与、固定残業代、手当などの扱い
評価や昇給の時期と考え方
希望条件について、企業へ相談できる余地があるか
同じ年収額でも、担当業務や評価制度、働き方が異なれば、入社後の納得感は変わります。
金額だけで「高い」「低い」と判断するのではなく、なぜその条件になったのか、企業がどのような期待を持っているのかまで確認しましょう。
厚生労働省も、労働契約を結ぶ際には、賃金や労働時間などの労働条件を明示する必要があると案内しています。最終的な条件は、エージェントからの説明だけでなく、労働条件通知書などの書面でも確認します。
エージェントは、希望額をそのまま伝えるだけではない🤝
年収交渉における我々エージェントの役割は、「候補者が〇〇万円を希望しています」と企業へ伝言することだけではありません。
企業が求人を出した背景、想定している役割、社内の等級、選考での評価、採用予算などを踏まえ、どのように相談することが適切かを考えます。
企業と普段からコミュニケーションを取っているため、求人票だけでは分からない事情を把握していることも多々あります。
そのうえで、候補者の経験が今回の仕事でどう生かせるのか、希望額にどのような背景があるのか、入社への意欲がどの程度あるのかを整理して企業へ伝えます。
候補者と企業の双方が、入社後の役割と条件に納得できる着地点を探すこと。それが、エージェントを通じて年収交渉を行う意味ともいえます。
最後に
年収交渉は、単に希望額を企業へ伝え、高い条件を引き出すためのものではありません。
候補者が転職で本当に実現したいことは何か。
業務内容や働き方、今後のキャリアを踏まえると、どこが最低ラインなのか。
何を優先し、何であれば譲れるのか。
これらを一つずつ整理し、本人が納得感を持って選考を進められる状態をつくることが、まず大切です。
そのうえで、企業側と普段からコミュニケーションを取っているエージェントが、求人の背景や企業の評価、想定している役割を確認しながら、候補者の希望と根拠を企業へ伝えます。
もちろん、すべての希望が必ず実現するわけではありません。
それでも、伝えられることを十分に伝え、確認すべきことを確認し、候補者と企業の双方が納得できる結論に近づけるよう尽力すること。それが、転職エージェントの役割だとROYAL AGENTは考えています。
「自分の希望年収が妥当か分からない」「提示された条件をどう判断すればよいか迷っている」という方も、まずは率直なお考えをお聞かせください。
一緒に希望と優先順位を整理し、納得できるキャリア選択につながるよう支援します。
