淡水のロマンに溺れた日|世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ|暮らしの日記(旅日記)
先日、とても綺麗な子に出会った。

一目惚れである。
「この水槽の主役はぼくだよ」とアピールするかのように、水槽の一番目立つ場所で、右へ左へ優雅に泳ぐ。
彼の思惑通り、わたしは釘付けになった。
水槽の前のベンチに座り込み、時が経つのを忘れてうっとりと眺めていた。

この魚の名前は、オレオクロミス・タンガニカエ。
アフリカ大陸の東側にある「タンガニーカ湖」周辺に生息する魚である。
恥ずかしいことにわたしはタンガニーカ湖を知らなかったのだが、
世界で2番目に深い湖で、世界で2番目に水量が多い湖
らしい(ChatGPT調べ)。
数百万年以上かけてできた湖で、水がとても古い。その太古の環境の中で、独自の進化を遂げている魚がたくさんいる。
このオレオクロミス・タンガニカエも、
鮮やかな体を持っているのはオス。そしてメスは口内保育をするらしい。
なんて雄大で、ロマンのある話だろうか。

わたしが目を奪われた理由は、「淡水魚は地味なもの」という先入観を見事に打ち砕いてくれたからに他ならない。
錦鯉や金魚などの観賞用は例外として。
今まで行った水族館も、淡水魚の展示といえばフナ、コイ、ナマズ、ドジョウ。
そして海外の淡水魚では、アロワナ、ティラピア、ピラルクとか?あと、テッポウウオぐらい。
こんな華やかで美しい魚が、淡水魚だなんて。
そして実はティラピアの仲間であり、現地では食用として利用されていることにも仰天した。
遠く日本では観賞用としてもてはやされているというのに。
ゆらゆらと優雅に泳ぐ彼は、誰の目にも留まる。
道ゆく人は皆足を止め、彼を眺め、写真を撮っていく。
でもきっと、わたしたちが「日本の海」の水槽の前で大きな鯛を指さして、「あの鯛、美味しそう」と言うように、
タンガニーカ湖周辺の人がこの水槽を見たら、
「なんて美味しそうなオレオクロミス・タンガニカエなんだ!」
とかって言うのだろう。
そんな想像をして、なんだか不思議な感覚になった。
少し暗い照明。水槽の上からはスポットライトのような明るい光。
彼はその中、鮮やかな体をゆっくりゆらめかせる。
その姿をどれくらい見つめていたのかはわからない。
「ママ!!ママ!!」
「ほら、あそこにママがいたよ」
息子が探しに来たようだ。夫というお供を引き連れて。
一気に現実に引き戻された。
「あのねぇ!でーーーっかい、お魚がいるよ!」
名残惜しさを振り切って、声のする方へと急いだ。
またここに来たときは、もっとゆっくり淡水魚たちに溺れたい。
息子が「ロマン」を感じてくれる年齢になったら、また来よう。
▷今回訪れた水族館はこちら
岐阜県各務原市にある世界最大級の淡水魚水族館。
長良川からアマゾン川、メコン川、タンガニーカ湖まで、世界の川や湖に暮らす生きものたちを展示しています。
イルカやペンギン、クラゲなど、華やかな子たちはいないけれど、淡水魚の魅力をたっぷり楽しめます。
「淡水魚は地味」というイメージが変わる、
今までの水族館で一番見応えのある場所でした。
最後まで読んでくださり
ありがとうございます🌱
5月28日に投稿した記事
『「置いていかないで」が、「ママはもう手を振らないで」になった朝|育児エッセイ』が、
先週もっともスキされた記事のひとつに選ばれました。

とても嬉しいです!
いつも読んでくださり、
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