駅弁選びが楽しすぎて1時間半
通訳ガイドのぶんちょうです。
そのハワイからのお客様とは、1年振りの再会でした。
初めてお会いするお客様とは違い、好みも趣味の向くところも、ある程度心得ているのでツアーを前にした私の気持ちも、どことなく楽です。
日系アメリカ人の彼女からの直前のリクエストは「東京駅を探索したいから、その歴史や存在の意義を説明してほしい」でした。
東京駅は、東京の歴史がぎゅーっと詰まった玉手箱のようなイメージが私にはあります。知れば知るほど物語が出てきます。
その東京のシンボル的存在をツアーのついでや、地方へ行く時の通過点としてではなく、目的地として選んでくれた人は初めてで、私としてはそれ自体がうれしく、ガイディングにもより熱が入ります。
東京駅は本来、八重洲と丸の内があり、それぞれに北、中央、南の出口があると言うシンプルな構造です。
ところが、そこに在来線、新幹線、地下鉄、私鉄の駅が入り込んでいます。そして、一階だけではなく、地下や地上階もあります。
特に地下は、駅直下のラーメンストリートやキャラクターストリートだけではありません。周辺の百貨店やオフィスビル、レストラン街、ホテル、数々のショッピング街を飲み込むように地下通路が張り巡らされ、八重洲側から丸の内側へと広大な地下空間が形成されています。更に地下通路をたどれば、皇居の一部の東御苑近くまで行くことができます。
これでは、初めて来た日本語の読めない旅行者が途惑うのは当然かもしれないですね。日本人ガイドの私も、何度か行っている店でさえ、ピンポイントで場所をイメージできない所が沢山あります。
こんな東京駅ですが、まず見せたい所は東京駅の顔である丸の内側の外観と内装です。辰野金吾によるデザインです。

この位置からの東京駅が1番好きです。数年前の復元工事で元々の姿を取り戻しています。その時の免震工事は日本の技術の結晶だと思います。
既にある建物を持ち上げて、その下に免震装置(積層ゴムで地震の揺れを吸収させるもの)を設置しました。耐震工事とは違い、技術も費用もかかります。
こうして歴史的建造物や、利用者が守られていくのはいいですね。
東京は空襲で焼け野原になり、古い建物が少ないので、明治時代に建てられた建物の姿を建設当初の形で見られるだけでも価値がありますが、その建物が現役で、しかも、東京のハブとして機能させている点は見逃せないでしょう。
東京駅にまつわる色々なエピソードは沢山あります。戦前には総理大臣が2人も襲撃される事件もあり、今でもその印が残されています。
でもね、実は観光客には、そんな話題はあまり振らないのですよ。
通路を使って八重洲側に回ると、雰囲気ががらりと変わります。新幹線に乗る時は、こちら側しか見ないで改札に入るので、いつも少し残念な気持ちです。丸の内の駅舎も見てもらいたいのですが、電車を逃すわけにはいきませんからね。
八重洲と言う名の由来は、ご存知ヤンヨーステンと言うオランダ人の名前から。彼は日本に船で漂着し、家康に仕えました。そんな話は外国人にはわかりやすいので、外国人と東京駅に来た時は、是非してみてくださいね。
そして東京駅と言えば駅弁!外国人大好きな「ザ ベントー」です。
駅弁なら「祭り」はもちろんのこと、大丸デパートの地下街も見逃せません。
翌日は、東京駅から新幹線に乗ったのですが、その前にお決まりの駅弁購入。迷う時間を見込んで出発1時間半近く前に駅に着いたのに、まだ時間が足りないくらい、彼女たちは何を買おうか迷いに迷っていました。
お惣菜屋さんの前で記念写真まで。お寿司、うなぎ、サラダ、サンドイッチ、80歳に近いおばあちゃん2人が、目を輝かせて何にしようか迷っている姿はなかなか可愛いものですよ。
1時間が過ぎ「そろそろ新幹線のほうに行く時間ですよ」と私。「わかった。じゃあ何分までと時間を区切って」と来ました。最後の1分まで悩みたかったのでしょうね😆
こちらは、前回の彼女たちとの面白いツアーについてです。
