名作謎解き映画『ダ・ヴィンチ・コード』の続編『天使と悪魔』『インフェルノ』は見るべき?
大ヒットしたミステリーサスペンス映画『ダ・ヴィンチ・コード』(2006年)の続編、『天使と悪魔』(2009年)『インフェルノ』(2016年)を鑑賞しました。
宗教象徴学の大学教授ロバート・ラングドンがいちいち巻き込まれる、宗教犯罪ミステリー三部作(通称ロバート・ラングドンシリーズ)ですね。
ダン・ブラウンの原作小説には、他に『ロスト・シンボル』や『オリジン』などのシリーズ作があり、『天使と悪魔』は『ダ・ヴィンチ・コード』よりも先に書かれているので、映画の時系列は小説とは逆になっています。
安心の、ネタバレなしです。
このシリーズのテーマ曲、さりげない使われ方でしたが、結構好きです。
『天使と悪魔』は、おすすめ。
『インフェルノ』は、お暇ならどうぞ。
ラングドン教授役は、ドジャーズの試合でしょっちゅう目撃されるトム・ハンクス。
前作より髪型が落ち着いていて、トムに馴染んでいます。
私の感想をまず伝えると、『天使と悪魔』は、『ダ・ヴィンチ・コード』と比較しても遜色なく、素晴らしかったです。
『インフェルノ』は、アクション映画でした。
前2作とは毛色が違う内野で宗教ミステリー感が薄く、犯罪的行動の動機が解せぬまま終えました。
年老いたラングドンが終始痛そうで辛そうで「みんなでいじめやがって!」って思ってしまった。
『天使と悪魔』で、非日常的な贅沢気分に浸る。
つい最近、開催されて世界中で話題になったコンクラーベ(教皇選挙)。
『天使と悪魔』は、そんな中で起きた、宗教犯罪事件をラングトン教授が解決していく物語です。

宗教と科学、カトリックと異端の対立に、
そそられます。
カトリック教会の総本山ヴァチカンを舞台に「カトリックの権威(教皇)vsイルミナティ(異端あるいは秘密結社)」あるいは「宗教vs科学」の対立にワクワク。
フィクションではありますが、一般的日本人が立ち入れない、ヴァチカンの内部や異端、秘密結社、宗教的タブーに切り込んでいて、贅沢感や背徳感が味わえます。
そして、ラングドン教授以外みんな怪しく見えるので、結末が予測できない。
大物ユアン・マクレガーは出演している時点で怪しいし、シュトラウス枢機卿も、リヒター衛兵隊長も、みんな怪しくて良かった。
しかし、イタリア男性がいっぱい出てきて、誰が誰だか見分けがつかない。。
前作同様、話の展開が早くて、頭が追いつかない。
私は、結局2度見ました。
2度目で、この行動はこういう意味だったのか、このセリフはそういう意味だったのか、というのがいくつもありました。

こんな作品に出るの?
意外性のあるユアン・マクレガーが登場
ラングドン(トム・ハンクス)とカメルレンゴ(ユアン・マクレガー)のやりとりで、字幕でもよく分からないセリフがあったので、セリフで検索すると、解説してくれる人がやっぱりいらっしゃるんですね。2度目は、スマホ片手に見て、楽しんでました。
ただし、1つの映画に収めるために、原作からかなり脚色されているようです。
違いを聞いて、原作も読んでみたくなりました。
ヴァチカン市国、観光ツアー
カトリック芸術の最高峰を鑑賞
遠い昔、大学生の春休みのヨーロッパ周遊で、ヴァチカンに訪れました。
高校の同級生に出会って「そりゃ、みんなここに来るよね。」と思ったものです。
あの頃は、ヨーロッパはこれからも時々旅行できる場所だと思っていたのに、今ではすっかり遠い存在に。。
だからこそ、映画で連れて行ってもらえるのは、とても嬉しい。
この作品には、システィナ礼拝堂やサン・ピエトロ寺院、パンテオンなど、ヴァチカンの名所がたくさん出てきます。
ベルニーニの彫刻「ハバククと天使」「聖テレサの法悦」なども。
雰囲気たっぷりのラングトン教授のガイドで、色々学べます。
いつか巡礼したい。
「反物質」で思い出されるのは、
昭和のSF漫画『2001夜物語』
作品の冒頭から「反物質」なるものが登場。
私が連想したのは、星野之宣のオムニバス形式のSF漫画『2001夜物語』。
職場の宇宙好き同年代に流行っていて、私も借りて読みました。
昭和世代の方は、ご存知の方が多いかもしれません。
その中に「悪魔の星」というタイトルのストーリーがあり、人類が反物質を利用して飛躍的に科学を進歩させるが…云々で、かなり衝撃な内容であった。
そこでも、ヴァチカンが「ルシファー」と名付け、太陽に相当する質量を持ち、太陽系のすべての星と真逆の自転をする反物質で成る「魔王星」というのが発見される。
宇宙飛行士であり牧師でもある博士が、旧約聖書と宇宙原理の重なりを感じ取って恐れ慄きます。偶然にしてもほどがある!とね。
『天使と悪魔』と共通テーマで、反物質について理解も深まるので、ぜひご一読ください。
神の存在が人を極端に走らせる
宗教の悲しい性
天使であるか?悪魔であるか?
善悪の判断は、その人自身が感じるもの。
私は善悪二元論が馴染まず仏教思想の方がしっくりくるのだけれど、キリスト教には人間の本質に気づかされることも多いです。
急な技術進歩に、倫理が追いつかない。
生成AIがたった数年でこんなに一般社会に入り込んできた現状に、私もとても不安を感じます。
使う不安、使わない不安。
知ってる不安、知らない不安。
科学をどう扱うか、宗教をどう扱うか、人類が切っても切れない永遠のテーマを、この作品で考えさせられます。
続いて、おまけの『インフェルノ』
こちらは、前2作品とは異なり、キリスト教や秘密結社は登場しません。
伝染病をばら撒いて地球の人口問題を解決しようと目論む、大富豪の生科学者ゾブリストの大規模テロの話。
ダンテの神曲になぞらえて、謎解きヒントが仕掛けられています。
60歳のトム・ハンクスが、いくつもの組織に追われて、命からがら逃げます。
今まで追う側だったのに。
冒頭から、もう血を流して死にかけてるし、シリーズで1番ハードです。
しかし、人類の存亡がかかっている割には、ゾブリストという人間にカリスマ性や説得力を感じず、あまりゾクゾクさせられませんでした。私は。

前作の7年後のトム・ハンクスが、散々な目に。
ダンテの神曲が好きな方には、おすすめ。
お隣の若い美女(フェリシティ・ジョーンズ)も、最初からダンテに詳しすぎて怪しいし、前2作品の相棒の女性たちに比べても魅力を感じなかったです。
でも、いつもないラングドンのロマンス要素が、この作品にはあり、展開が予測できない感じも健在です。
フィレンチェやイスタンブールなどの美しい名所が見られるので、ラングドン教授ファンなら、ご覧ください。
前作『ダ・ヴィンチ・コード』の感想文はこちらです。
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