PLANET LAND ー 彗星から惑星へ ー 第16話 ハッピーアイランド〜瀬戸の花嫁大作戦〜 前編
第16話 ハッピーアイランド〜瀬戸の花嫁大作戦〜 前編
※今回から三回は100%劇中劇でお楽しみください
山間の久羽乃の町とは打って変わり、舞台には、海に浮かぶ島の景色が描かれていた。
語り)ここは、瀬戸内海に浮かぶ小さな島――御美島(おんみしま)
人口四十八人。
高齢者率九割を超える、限界集落です。
そんな島にも、三十代の男が三人、暮らしていました。
漁師の雄吾。
駐在の健作。
住職の秀然。
彼らは、御美島青年団。
島の未来は、いま――
この三人の男たちに託されています。
島の小さな駐在所。
昼下がり、秀然が顔をのぞかせる。
「健作さん、健作さん」
奥の方を見ても、全く返事がない。
「なんですか?人を呼びつけておいて……」
「……おや?」
机の上に置かれたものが、目に入った。
赤と白のパーティーで使うような襷だった。
秀然がそれを手に取り、広げる。
「また、釣りですか」
「まったく」
襷には、一日 駐在所長とはっきりと書かれていた。
堤防は穏やかで、港にはゆっくりとした時間が流れていた。
健作は防波堤の先で、釣竿を海に向けて振っている。
制服の上着は脱ぎ、帽子も脇に置かれていた。
雄吾が舵を握る小さな漁船が、港に入ってくると、健作の姿を見つけて声をかけた。
「またかいね、あんた」
「漁師に転職した方がええんじゃないかね?」
「人聞きの悪いこと言うな、これは張り込みじゃけ」
「今回の容疑者はなんね?」
健作は足元のクーラーボックスを軽く叩いた。
「ハタや、ええの逮捕しとるけ、今晩また会合な」
雄吾はにやりと笑う。
「おう、そら楽しみじゃ」
「秀然さんにも言うとこう」
「また一日署長なんじゃろ?」
「駐在所におるやろうから、声をかけといてくれ」
雄吾は船のロープを縛りながら手を振る。
「ほじゃあ、また後で」
夜の駐在所の畳部屋の真ん中に、ちゃぶ台が置かれている。
その上には、刺身にされたばかりの魚と、缶ビールが並べられていた。
健作は咳払いをひとつ。
「それでは、只今から、御美島青年団、臨時定例会を始めます」
すぐに秀然が首をかしげると、雄吾が缶ビールを開けた。
「臨時だと、定例会ではないのでは?」
「細かいことはええじゃろ」
「乾杯」
健作が缶を置いて、ふっと息をつく。
「しかし、見回りをしても、人が減るばっかりじゃ」
「浦島のばあちゃんも、ついに施設に入りよった」
秀然も静かに頷く。
「実質、島民は四十七人になりますね」
「もう檀家さんも、みな島外ですから、ご法事も大変ですよ」
雄吾が刺身をつまみながら、ぼそりと言う。
「もう、わしらが逝ったら、この島は無人島になってしまうのう」
その時だった。
つけっぱなしのテレビから、やけに賑やかな音楽が流れてくる。
『田舎に嫁ぎ隊!』
三人が同時に顔を上げた。
画面の中では、都会からやって来た女性たちを、田舎の男たちが笑顔で迎えている。
土地の名所を案内し、浜辺で語り合い、夜はバーベキューで盛り上がっていた。
そして最後には――
カップル成立で抱き合って喜ぶ者。
恋破れて泣き崩れる者。
番組の締めに、リポーターの聡志が爽やかに笑った。
「次は、あなたの田舎にお邪魔するかもしれません」
「ご応募、お待ちしてます!」
次の瞬間、三人が同時に身を乗り出した。
「これだ!」
「ご応募は、WEBまたはSNSから」
健作が眉をひそめ、雄吾も首をかしげた。
「……うぇぶ?」
「えす、えぬ、えす?」
すると秀然が、落ち着き払った顔で二人を見た。
「心配ご無用、お二方」
そう言って、袂からすっとスマートフォンを取り出す。
「こう見えて、ご法話動画を登録しております」
「登録者数、十三人の」
雄吾が感心したようにうなる。
「さすが秀然さん」
だが秀然は、すぐに少しだけ困ったような顔になった。
「ただ、隣の島のアンテナ頼りですから、電波が不安定なのがたまに傷です……今は圏外ですし」
健作が身を乗り出す。
「どこが一番入りやすいんじゃ」
「電波ですから、当然、周りに遮るものが何もない場所ですね」
次の瞬間、雄吾がはっと顔を上げる。
「じゃったら、あそこか!」
健作も立ち上がる。
「そうと決まれば!」
三人は勢いよく駐在所を飛び出した。
表に停めてあった白黒ツートンの軽トラに乗り込み、島の道を走り出した。
島で最も高い丘の上。
見渡すかぎり、三百六十度、海だった。
夜の風が、三人の服をはためかせる。
遠くには、隣の島の灯台の灯りが、ゆっくりと回転していた。
秀然はスマートフォンを手に、応募フォームの入力を終える。
そして次の瞬間、すっと腕を伸ばし、スマホを夜空に向かって祈るように高く掲げた。
健作と雄吾は、その画面を食い入るように見つめている。
秀然だけが落ち着いていた。
画面の隅では、圏外の表示が、ついたり消えたりを繰り返している。
「もうちょっとや」
「頼む」
雄吾も思わず身を乗り出す。
「……」
秀然は何も言わず、ただスマホを掲げ続けていた。
やがて、画面の圏外表示が、すっと消える。
代わりに、受信のしるしが一本だけ、かすかに灯った。
「今です!」
秀然が素早く指を動かし、応募ボタンを押す。
――ご応募を承りました
健作が目を見開き、雄吾も画面に顔を寄せた。
「いったんか?」
「応募、出来たんか?」
秀然は黙って、こくりと頷く。
「やったーーーーー!!」
思わず手を取り合い、その場で飛び跳ねる三人。
島の夜に、男たちの歓声が響き渡り、遠くの夜の海まで届くようだった。
語り)故郷の未来を、無人島にさせない。
三人の挑戦は、ここから始まります。
都会のテレビ局のオフィスに場面が変わり、聡志が資料をぱらぱらとめくっていた。
視聴率表、企画書、ロケ候補地の一覧。
聡志は椅子にもたれ、天井を仰いでぼやいた。
「最近、『田舎に嫁ぎ隊』、数字落ちてんなあ」
向かいのデスクで峯岸が肩をすくめる。
「しゃあないですやん」
「この手はどうしても、マンネリになってまうし」
隣でパソコンを見ていた宮坂も、画面から目を離さずに口を開いた。
「本気な人とただテレビに出たい人で、差がありますしね」
聡志が大きなため息をこぼすと、峯岸も反応する。
「そこなんだよなあ……人数がいたら、その顎足代もかかるしよ」
「バカになんねえよ?」
「まあ、元々ワンクールの企画ですし、女性側の応募者もほとんどおりませんからね」
「あーあ、どっか島とかで、あっち三人とかないかなあ」
すると宮坂が、淡々とした声で言った。
「ありますよ」
「……何?」
宮坂が画面を見たまま答える。
「昨夜、応募が来ました」
「瀬戸内海の……御美島、だそうです」
その瞬間、聡志が指を鳴らした。
「いいじゃん」
「だったらこっち、二人で済むし」
「島って、なんか映えるし」
峯岸もすぐに乗る。
「カメラマンとしては、撮れ高を上げる自信ありますよ」
聡志は机を軽く叩いた。
「よし、決まり!」
「ゆうま、採用の連絡入れとけ」
そして少しだけ声を落とす。
「それに、二人なら――」
そう言ってスマートフォンを取り出し、そのままどこかへ電話をかけた。
「あ、もしもし?社長?」
「これこれ、こういうわけで、二人ほど用意していただけませんか?」
「ええ、いや、社長ほどじゃ」
「はい、じゃ、よろしくっす」
聡志は満足そうにスマホを机へ置いた。
「これで、よし」
とある練習用スタジオ。
壁一面の鏡の前で、大勢の女性たちが立ち姿を確認している。
発声練習をしている者。
柔軟体操で身体をほぐしている者。
その中に、メガネをかけた杏奈が入ってきた。
「ユズさん、ミナさん」
「ちょっといいですか?」
名前を呼ばれた二人が振り向く。
「どうしたの、杏奈ちゃん?」
「まさか、うちらもう……?」
杏奈は首を横に振った。
「いいえ」
二人が同時に胸を撫で下ろすと、杏奈は一歩近づいた。
「お二人に……」
ユズとミナがごくりと喉を鳴らす。
「お仕事です」
二人の背筋がぴんと伸びると、杏奈はタブレットを開き資料を見せた。
「瀬戸内海にある小さな島での番組」
「つまり.....テレビです」
とある夏の突き抜けるような青空の下。
巡航船が御美島の港へと近づくと、ゆっくりと浮桟橋に横付けされた。
ロープで繋がれると、スタッフたちが次々と下船してくる。
その後ろから、三人の女性が姿を現した。
眩しい海を見渡しながら、聡志が大きく伸びをする。
「ふぃ〜、遠かった」
宮坂が顔をしかめると、峯岸が揶揄うように笑った。
「ちょっと酔っちゃいました」
「情けないのう」
「そんなんじゃ、海外のヒマラヤやアマゾンにゃ行けへんぞ」
ユズとミナは、ちらっと顔を見合わせるが、何も言わない。
少し離れた場所で、無表情のまま、海を見ていた。
港の少し離れた場所で、その様子を三人の男が固まって見つめる。
三人とも、普段は着ないような一張羅に身を包み、落ち着かない様子だった。
やがて、聡志が笑顔で歩み寄ってくる。
「いや〜、ご応募ありがとうございます」
秀然が軽く頭を下げた。
「こちらこそ、遠いところからわざわざ」
健作が小声でつぶやく。
「あの三人が?」
聡志が苦笑する。
「いやいや、あの眼鏡っ娘はスタッフです」
雄吾が首をかしげた。
「それじゃ一人足りんが」
聡志は肩をすくめ、にやりと笑う。
「嫌だなぁ〜、こういうのは、みんながみんな、すんなり決まったら面白くないでしょう?」
「こちらも、ドラマチックにしたいから」
「お一人には、涙を飲んでいただきますよ」
宿舎へ向かうため、一行がゆっくりと歩き出した。
浮桟橋から島の小道へと続く坂道。
スタッフと女性たちが、ぞろぞろとその後に続いていく。
そのすれ違いざま……
ふと、雄吾とユズの目が合った。
だがユズは、表情を変えない。
ただ静かに視線を外し、そのまま歩いていく。
雄吾はその背中を見送りながら、小さくつぶやいた。
「なんや、ひとっつも笑いもせんと」
潮の匂いの中で、ユズの後ろ姿が少しずつ遠ざかっていった。
島の空き家を改装した宿舎。
畳の部屋に、折りたたみの机が並べられ、クルーと出演者が向かい合って座っている。
ロケ前の簡単な打ち合わせだった。
聡志が資料をぱらりとめくりながら言う。
「じゃあ、ミナちゃんはガチムチと坊さん」
「ユズちゃんは、あの日焼け兄さんにマンツーマンね」
ミナとユズが小さく頷いた。
「わかりました」
「了解です」
聡志は満足そうに笑う。
「うまくいったら、また今度使ってあげるからさ」
「頑張ってね」
その時、ミナが少しだけ手を挙げた。
「あの」
「なに?」
「今回、私たち……一般人なんですよね」
ユズも横から口を挟む。
「じゃあ、その後テレビ出たら、まずいんじゃ」
聡志は手をひらひら振った。
「大丈夫、大丈夫」
「みんなどうせ覚えてないから」
そして、椅子にもたれ、にやりと笑う。
「なんだったら、今晩、俺の部屋来た方」
「……レギュラー、あげちゃおっかな〜」
ミナとユズが同時に黙ると、部屋の隅で体育座りをしていた杏奈が、眼鏡の奥からじっと聡志を睨んだ。
その視線に気づいた聡志が、慌てて笑う。
「な〜んちゃって!」
「やだなあ、そんな顔しないでよ」
そして軽く肩をすくめた。
「まあチャンスなのは変わりないから」
「頑張ってね〜」
宿舎の一室。
並んだ鏡の前で、ユズとミナが黙々とメイクをしていた。
互いに無言で無表情のまま、鏡の中の自分を見つめていた。
やがて、ミナが口を開く。
「ユズ、あんたさあ、なんか言いなよ」
「何を?」
ミナは手を止めずに言った。
「一応、仲良し大学生の設定なんだから」
「うちら、仲良かった時、あったっけ?」
ミナが小さく鼻で笑う。
「まあ、そりゃ……ね」
ユズはリップを置いて、短く言った。
「本番中はちゃんとやるよ」
ミナもそれ以上は言わなかった。
「……頼むよ」
部屋の隅では、杏奈が体育座りのまま、その様子をじっと見ていた。
砂浜では、きらきらと光る海を背に、聡志がカメラの前に立っていた。
峯岸がカメラを構え、宮坂が音声機材を確認している。
聡志は満面の笑みを作ると、大きく両手を広げた。
「田舎に、嫁ぎ、隊!!in御美島〜〜〜!」
波音に負けない声が、浜に響く。
「さあ!やってまいりました、瀬戸内海!なんて、綺麗な海なんでしょうか」
わざとらしいほど明るく、海を振り返る。
「この島は、人口四十七人、高齢者率九割超えという地域です」
「島の未来を支えるために、勇気を持ってご応募いただいたのは、こちらの方々です!」
カメラが三人へ向く。
一張羅姿で並んだ青年団が、ぎこちなく背筋を伸ばした。
「田澤健作、島の駐在です」
「禿谷(かむろだに)秀然、住職を務めております」
「高梨雄吾、漁師です」
聡志は大きく頷いた。
「はい!今回は三名でのご参加ですので、いつもよりじっくりと、お話も弾むと思います」
「では!今回の“嫁ぎ隊”は、この方々で〜す!」
その声と同時に、ユズとミナが満面の笑みで現れた。
二人とも、これ以上ないほど愛想よく、両手を振っている。
「よろしくお願いしまーす!」
「こんにちは〜!」
浜辺の空気が、一気に華やいだ。
その様子を見た雄吾が、思わず目を瞬かせる。
(あれっ?)
(港では、妙に不機嫌じゃったのに)
青い海を背に、聡志がカメラへ向かって手を叩いた。
「では!お名前を伺いましょう!」
「梁本美奈世(やなもとみなせ)ハタチ、女子大生でぇす!」
「ミナって呼んでください」
「大橋柚乃、同じくハタチ」
「ミナとおんなじ学校の、親友です」
「ユズって呼んでください」
そう言いながら、ユズが上目遣いでちらりと雄吾を見る。
(なんと!)
(めちゃくちゃ可愛い)
聡志が満足そうに頷く。
「それでは!お三方が、なんと浜焼きバーベキューをご準備いただいてます」
「そして見てください!あの堤防!島のお年寄りも様子を見に来てくれてますよ」
遠くの防波堤には、興味津々といった様子で、こちらを眺めている島民の姿が。
「お〜い!」
聡志が大きく手を振ると、堤防の上でも何人かが手を振り返した。
そして聡志は、くるりとカメラへ向き直る。
「それでは早速ぅ!」
「Free time!」
さらに、わざとたっぷり溜めてから、片腕を突き上げた。
「んレディーーー……ゴー!!」
フリータイムが始まる。
健作の「乾杯!」の声を合図に、浜焼きバーベキューが一斉に賑わい出す。
炭の匂いと、海の風。
網の上では貝や魚がぱちぱちと音を立てていた。
早速、盛り上がっているのは健作、秀然、そしてミナの三人だった。
ミナが健作の腕にしがみつく。
「うわ〜、ムッキムキだ〜!」
健作が照れくさそうに笑う。
次は秀然が静かに一歩前に出る。
「ミナさん、私の方も試してみませんか?」
ミナが秀然の頭をぺたっと触る。
「キャハッ!ピッカピカでつるっつる!」
三人の笑い声が浜辺に弾ける。
その少し離れたところでは、雄吾は黙々と網の上の食材をひっくり返していた。
火加減を見ながら、真剣な顔で焼いている。
その様子を、ユズが少し離れたところから眺めていた。
ちらちらと雄吾の様子を伺う。
そして、首を傾げて、ふわっと笑った。
雄吾の額に、うっすらと冷や汗が浮かぶ。
(いかん! わし、わし……)
(若い女の子と、話したことなかった〜〜〜)
ユズが手を振りながら、近づいてきた。
「雄吾さん♡」
「ひゃ、ひゃい!」
「お手伝い、しましょうか?」
雄吾が慌てて首を振る。
「だ、大仏です!」
「あはははは、なにそれ、おもしろ〜い」
「す、すいません」
「ねえ、もっとお話ししましょうよ」
やがて二人は、浜に転がる流木の丸太に腰を下ろした。
雄吾は背筋をぴんと伸ばして座っている。
その隣で、ユズは足をぶらぶらと揺らしながら、焼いた貝を頬張っていた。
「おいし〜」
満足そうに笑うユズ。
しばらくして、雄吾の方をちらりと見る。
「雄吾さんって、無口なんですね」
雄吾は少し困ったように頭をかく。
「無口っちゅうか……若い女の子と話したことないけ」
「キャバクラとか行かないんですか?」
「この島には……ないけ」
ユズがくすっと笑う。
「島から出ないんですか?」
「高校は、流石に寮付きで出たけど……男子校やったし」
ユズが楽しそうに身を乗り出す。
「ほんとに女の子に免疫ないんだ〜」
「か、からかわんとってください」
ユズは肩をすくめて笑った。
「うふっ、なんか、かわいい」
(な、なんじゃこれは)
顔を真っ赤に染めながら、落ち着かず視線のやり場に困る雄吾だった。
浜辺では、フリータイムがそのまま続いている。
少し離れたところでは――
健作が上半身裸でポージングをしている。
その横で、秀然はタオルで自分の頭を磨き、さらに光らせていた。
それを見たミナが、両手を叩いて爆笑している。
「やだもう! なにそれ!」
浜辺には、笑い声と波の音が重なっていた。
ユズが、ふと真顔で聞いた。
「どうして、島を出ようと思わなかったんですか?」
「考えたこと……なかったです」
ユズは海を見渡す。
「はっきり言って不便でしょ?」
「あんたらみたいな、便利な暮らしを知らんけ」
「都会なら、車とか船とか無くてもどこでも行けるし、食べるものも、ちょっと歩けばすぐ手に入るし」
「刺激的なものも、いっぱいありますよ」
雄吾は静かに返答する。
「けど、人が作った刺激じゃろ?」
「え?」
「この島にも刺激はある」
「相手が自然やから、人が作った予想がつくもんやない」
「たまに、命懸けのこともある」
ユズは驚いた顔をする。
「だったら余計にじゃないですか?」
「けどわしは、そっちの暮らしの方が好きじゃけえ」
ユズが雄吾を見て、微笑んだ。
「変わってますね」
「本当に、好きなんですね、この島が」
「ああ」
「だから残したいんじゃ」
第17話はこちらから↓
↓マガジンに全話収録されてます
