見出し画像

中高年からの筋トレ、最適な「トレーニング強度」とは? 最新研究が推奨する「重さ」の新常識


 前回の記事では、中高年の筋トレにおいて「長時間やらなくてもいい(低ボリュームで十分)」という、少し安心できるデータをご紹介しました。「それなら忙しくても続けられそうだ」と、胸をなでおろした方も多いのではないでしょうか。


 しかし、ここで一つだけ、とても重要な「落とし穴」についてお話しなければなりません。 それは、「回数は少なくていい」=「楽な負荷でいい」ではない、ということです。

 「短時間でいいなら、軽いダンベルでササッと済ませよう」 もしそう思っていたら、せっかくの努力が半分も報われないかもしれません。

 実は、最新の研究では「高齢者こそ、高強度(重いウエイト)を扱うべき」という事実が明らかになっています。

 とはいえ、「歳をとってから重いものを持つなんて危ない!」と感じるのは当然のことです。

 今回は、科学が示す「理想」と、私たちが実践できる「現実」のギャップを埋めながら、無理なく効果を引き出す「本当に効果のある刺激」の作り方について解説していきます。






◆ 【理想と現実】科学は「重くせよ」と言うけれど……


 まず、研究の世界で何が起きているかを見てみましょう。

 2025年、モルデ大学カレッジのTøienらによる最新レビューでは、高齢者が筋力や瞬発力を取り戻すためには、最大筋力の80〜90%という「高強度」の負荷が最も効果的だと結論づけています。

 その効果は数字で見ると驚異的です。

 なんと、高強度のトレーニングを行うと、最大筋力は「1回のトレーニングあたり」平均で約2.5%も向上することが報告されています。

Tøien T, 2025より筆者作成


 さらに、とっさの動きに必要な「力の立ち上がり率(RFD)」も、1回のセッションで1〜4.5%というハイペースで改善していきます。

Tøien T, 2025より筆者作成


 これは、具体的には「ギリギリ4回しか持ち上がらない重さ」で行う高強度トレーニングでの成果です。

 しかし、現場目線で考えると、これを一般の方が一人で実践するのは非常にハードルが高いのが現実です。

「フォームが崩れて腰を痛めるのではないか」
「そもそも自分の限界なんて怖くて試せない」

 こうした不安はもっともであり、無理に重量を追うことは安全面でのリスクになり得ます。

 では、私たちはどうすればいいのでしょうか?

 大切なのは、「絶対的な重さ(何キロ持てるか)」ではなく、「あなたにとって十分に強い刺激になっているか(相対的なきつさ)」という視点を持つことです。


ここから先は

3,502字 / 4画像

¥ 220

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?