たった5人で、大きなステージに立った日【こども合唱団】
子どもたちと過ごした、ある発表会の日の記録。
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いつもうるさいほど元気な子どもたち。
本番前はソワソワして笑顔が少なかった。
たった5人の合唱団。
地域幼稚園の卒園児と、半年前に結成した。
練習会場として場所を借りている幼稚園のクリスマス発表会で10分程度のパフォーマンスをすることになり月2回の練習に取り組んできた。
大きなステージと、たくさんの客席。
みんな緊張しているのが、ヒシヒシと伝わってくる。
この舞台に立つまでに、私たちはコツコツと時間を過ごしてきた。
ただ歌を覚えるだけじゃなく。振り付けをどうするか、どんな表情で歌うか、どうしたら気持ちが伝わるか。
音感あそびや体を動かしながら
「こうしてみたい!」
「こっちの方がいいかも!」と
子どもたち自身が考えて、試して練習してきた4曲。
今の学校や習い事は「言われたことをやる」場面がどうしても多いけれど、この場所では大人のわたしが正解を用意しすぎないようすることを意識している。
自分たちで考えて
自分たちで作って
自分たちで表現する。
その時間そのものが、何より大切だと信じるからだ。
迎えた本番。
舞台に立ち、目の前の幕があく。
子どもたちは堂々と前を向く。

その小さな背中や横顔が
なんだか凄くかっこよくて…
わたしはこの光景を胸に刻みたい!!!
と時間を猛烈に止めたくなってしまった。
リモコンがあったら完全に一時停止を押してる。
気持ちをグッと堪えて
伴奏を弾き始めると
いつも通り元気な歌声を響かせた。
途中からピアノ伴奏はエリカ先生(相棒)に任せ、わたしも子どもたちと横並びになって歌う。
声がそろい、呼吸が合い、
すべてを歌い切ったときには
嬉しそうに目を合わせた。
最後までやりきった5人。
言葉を交わさなくてもわかる。
みんな、とってもいい顔してる。
楽屋に戻った瞬間
「やったー!!」と声が弾けた。
「今どんな気持ち??」とエリカ先生。
「たのしかったー!!!」
「広すぎてドキドキしたよぉ!」
「嬉しい気持ち!!」
わたしも思わず
「うんうん、今おもっている気持ちを絶対に忘れないでいてね。心の中に宝物みたいにしまっておいてね」と声をかけた。
うまくできたとか完璧だとかそれ以上に
ちゃんと舞台に立って、最後までやり切ったこと。
それって簡単なことじゃないんだ。
こんな経験、実はなかなかできない。
凄いことをやってのけたんだ。
きっとこれから先、今日感じた喜びが
心のどこかで子どもたちを支えてくれるはず。
なんならわたしも。笑
後日、保護者の方々からも
嬉しいメッセージをいただいた。
・学校でメンタルが落ち込んでいたけれど、
この練習と発表会だけは
「楽しみな時間」だったこと。
・いつもは
「絶対に間違えられない」プレッシャーで
頭が真っ白になる子が、今回は
「楽しい緊張だった」と話していたこと。
・声が出ない朝でも、
「どうしてもやりたい」と
自分で決めて舞台に立ったこと。
・終わったあとも、
家でずっと歌っていたこと。
どの言葉からも伝わってきたのは、
「やらされた」経験ではなく
「自分で選んだ」経験だったということ。
舞台に立つ経験は特別な子のためのものじゃない。
たった5人でもいいし、小さな合唱団でもいい。自分たちで考え、自分たちで表現し。その結果、誰かが喜んでくれた。
その事実が子どもたちの中に確かに残る。
帰り道の少し誇らしげな子どもたちの背中を見ていて、なんだかジーンときてしまった。
今日この子たちは、一歩成長した。
その瞬間に立ち会えたことが、わたしも何より嬉しかった。
