第十七話 好きになれたら|新しい春
第三章 ユウ先輩編
第十七話 「好きになれたら」
海へ行った少しあと。
中学の同級生だったアイから、
久しぶりに連絡がきた。
「今度、大学の友達と夜景見に行くんだけど、
リオも来ない?」
大学に入ってから、
アイとは何度か連絡を取っていたけれど、
遊ぶのは久しぶりだった。
「いいよ。」
そう返事をした。
当日。
アイと男友達が、車で迎えに来た。
「リオ、久しぶり!」
「アイ、久しぶり。」
「こっち、シンヤとヒロ。
大学の友達。」
「はじめまして。」
「はじめまして。」
それが、
シンヤとの出会いだった。
最初は少し緊張したけれど、
話してみると、
思っていたより話しやすかった。
「リオって、アイと中学一緒なんだ?」
「うん。」
「ついでに言うと、小学校から一緒。」
「俺とヒロも小学校からだよ。」
「お互い結構付き合い長いね。」
4人で笑った。
そんな何でもない話から始まって、
気になるドラマの話や、
お互いの大学の話。
気づけば、
いろんなことを話していた。
「シンヤって高校のとき、
教育実習の先生好きだったよね!」
「水野、それここで言うなって。」
シンヤが笑う。
「二人って大学で知り合ったんだよね?」
私が聞くと、アイが笑った。
「違うよ。
シンヤとは高校も一緒だったんだよ。」
「そうなの?」
「うん。大学も一緒。」
アイと同じ高校….。
高校三年の頃。
毎日のように、
メールをしていた人。
その人も、
同じ高校だった。
「……あ。」
「どうした?」
「ううん。
なんでもない。」
一瞬だけ、
昔のことを思い出した。
でも、
詳しく話すことはなかった。
話はすぐに、
別の話題へ変わっていった。

夜景が見える山に着くと、
アイとヒロは、
いつの間にか少し先を歩いていた。
気づけば、
私の隣にはシンヤがいた。
「あれ、二人早くない?」
「ほんとだ。」
少し先から、
アイがこちらを振り返る。
目が合うと、
なぜか笑って、
また前を向いた。
「なんかいい感じだな、あの二人。」
「ね。」
そんな話をしながら、
シンヤと並んで歩いた。
くだらないことで笑って、
お互いに冗談を言って。
不思議なくらい、気を遣わなかった。
何を話そうとか、
どう思われているかなとか。
そんなことを、考えなくていい。
一緒にいて楽しくて、
気を遣わなくて。
好きになっても、
苦しくならない人。
こんな人を好きになれたら、
きっと楽なのに。
また遊びたい。
でも、
会いたいとは、少し違った。
シンヤと別れても、寂しくはなかった。
次はいつ会えるかな。
そんなふうには、思わなかった。
その違いが何なのか、
その時はまだ、
うまく言葉にできなかった。
次のサークルの日。
「リオ。」
後ろから、聞き慣れた声がした。
振り向くより先に、心臓が跳ねた。
それだけで、
答えは出ていた。
第十八話へ続く
私の高校生の頃の恋はこちらから🌸
(アイ(水野)とシンヤも登場します)
