【解説】チャド・スミスもやっぱり『ロンググリップ』でドラミングしてる!?
レッチリのチャドがラディックの「ボーナム」キットを使ってパープルの「Burn」を本気で演奏しています(恐)
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの立役者、チャド・スミスがDrumeoスタジオに足を踏み入れ、ディープ・パープルの伝説的名曲「Burn」を熱演!チャドがイアン・ペイスに敬意を表し、オリジナルのドラムパートを忠実に再現しながらも、彼ならではのフィーリングとエネルギーを解き放つ様子をご覧ください。ちなみに、この曲はチャドのお気に入りのディープ・パープル曲の一つでした!チャド・スミスと70年代の伝説がここに!
やっぱりチャドも「ロンググリップ」だ~(^_-)-☆
動画で注目したいのはそのグリップとストローク。
スティックのエンドギリギリを持っていて、小指そして薬指さえも外している「ロンググリップ」である。だからサムネのように手の下にスティックのエンドが見えていないはずだ。
垂直線をはるかに超え、120度以上のアングル角度でテイクバックする「振り切った」ストロークはまさにロックの炎。一瞬たりともパワーとロック魂を減じることはありません。
これは「ロンググリップ」で振り切った時にしかできないストロークの幅であり、本気で叩き込むモダンロックドラミングのグリップだ。
ここで事実を確認したい。
チャドは1961年10月25日生まれ。
つまり今の年齢は「64歳」である。
えっ?おじいちゃんですか?
「YES!!」
この年齢でここまで振り切れるとは…(鬼)
なぜこんなことができるのか?
バランスポイントでは握らない「ボールジョイント理論」
もちろん積み重ねているであろう毎日の練習もそうだが、グリップに関して言えば、常識である「バランスポイント」では握っていない。
つまりグリップエンドを「ひとつの関節」として指の中にホールドしているだけであって、「なるべく接触面を小さくする」セオリーだ。
ようするに「ボールジョイント=自在継手(じざいつぎて)」のようにイメージすることでこの凄まじいフルショットが可能になる。
【テクニカルポイント】これはある意味「手首の動きをセーブする」という省エネ奏法。つまり「手首のコッキングをあまり使わないでストロークの振り幅を極大化する」ということ。
手首を緩めて「グニャ」っとさせると指を握りしめることになり、逆にストロークアングルは狭くなる。手首をある程度固めて「パンチングショット」気味に前に押し出して、ヒットする直前に「手を止める」イメージ。それによってボールジョイント部分を滑らかに素早く動かしてスティックを振るわけだ。つまり「フィンガーコントロール」はほぼ100%使わない。
高齢者になってケガやトラブルを回避するためのグリップでもあり、瞬間的に「手を止める=引き上げる」ことでチップスピードを最大限に加速させる。
自分も以前から同じ考えでスティックをホールドしているが、これらの動画で「ボールジョイント理論」が確認できることだろう。このグリップ方法は初期のドラムマガジンのセミナーや出版テキストでもリズケンが紹介しており、その時代(昭和)は「スリーフィンガーグリップ」という名前で説明していた記憶がある。
ジャコ・パストリアスもロンググリップでドラミング!?
これはティーンタウンでの「ジャコ」のレコーディングショット。
この曲ではジャコはベーシスト&ドラマーです。来日時の公演でもジャコがドラムを叩いているのを厚生年金会館で見ましたが、とてもカッコ良かったです。(メインのドラマーはピーター・アースキン)
よく見ればグリップはロング・グリップ。ナチュラルな感覚でスティックを持って振り回せば自然にこのような感じになる。ようするにバランスポイントで握る人はまずいない。テニスのラケットやゴルフのクラブを「中央寄り」に握る人が絶対いないのと同様に……です((+_+))
<ドラマー金言集>
ドラミングはセオリーに囚われず「自分の感覚」を大切に~(^_-)-☆
テキスト: 江尻 憲和(Norikazu KEN Ejiri)
【注意】『ロンググリップ』『ボールジョイント理論』『スリーフィンガーグリップ』→ リズケンの造語ですので一般的な用語ではありません。
※ちなみにフットワークの「ヒールダウン、ヒールアップ、アップダウン奏法」なども当時(昭和)にはテクニックの呼び名がなく、ドラムマガジンの「パーフェクト・ドラムセミナー」を共同執筆していたリズケンチームがオリジナルで名前を付けた結果、現在では一般的な奏法名となっています。

