小説を書いています。なぜか設定資料が増えています。助けてください。|ファンタジー小説『猫征』の設定イラストがドンドン増える話

小説を書いています。
ファンタジー小説です。
文字を書いています。
そのはずでした。
ところが最近、あることに気づきました。
設定イラストが、
ドンドン増えています。
最初は普通だったんです。
主人公がいる。
じゃあ、主人公のイラストを作ろう。
うん。
わかる。
ヒロインがいる。
じゃあ、ヒロインも作ろう。
これもわかる。
仲間が増えた。
せっかくだから作ろう。
まだわかる。




そして気づけば――
軍隊の標準装備を作っていました。
なぜ。
◾️王国軍 標準装備 歩兵

王国軍が必要になりました
『猫から始まる世界征服』では、現在戦争が始まっています。
アルカン王国とマズール帝国。
二つの国が戦っています。
当然、兵士が出てきます。
ここで私は思いました。
「王国兵って、どんな格好してるんだろう?」
作者です。
私が決めることです。
ということで、
王国軍標準装備、完成。
これで終わるはずでした。
◾️帝国軍 標準装備 歩兵

帝国軍も必要ですよね
王国軍がある。
帝国軍もいる。
片方だけ設定があるのはおかしい。
当然です。
古代ローマ帝国を参考にして――
帝国軍標準装備、完成。
いいですね。
世界観が見えてきました。
すると私は思いました。
「でも騎兵は装備違うよね?」
◾️帝国軍 標準装備 騎兵

……。
帝国軍騎兵標準装備、完成。
おかしい。
小説を書いていたはずなのに。
◾️ニイアス軍 標準装備 歩兵

ニイアス軍も作りました
王国軍がいる。
帝国軍がいる。
そして主人公たちの勢力、ニイアスがある。
だったら当然、
ニイアス軍標準装備も必要です。
獣人たちは耳と尻尾だけが獣。
身体や顔は人間と同じ。
装備はどうする?
森で戦うなら?
機動性は?
武器は?
防具は?
……楽しい。
非常に楽しい。
困りました。
◾️近衛師団 師団長 ジャンス将軍

将軍まで作り始めました
そして登場したのが、
アルカン王国軍将軍。
アリー・ジャンス。
長い金髪。
重厚な黒の鎧。
深紅のマント。
近衛師団を率いる女将軍。
全身。
表情。
横顔。
装備。
必要ですよね。
必要なんです。
作者が必要だと言っています。
誰も止められません。
◾️新ビジュアル 聖女ニア

そして騎士団が生まれました
聖女ニア。
彼女にも、やがて専属護衛部隊が必要になる。
そこで誕生したのが、
聖女騎士団ヴァルキュリア。
獣人女性のみで構成。
白と黒を基調とした装備。
全身図。
シルエット。
動き。
装備品。

ここまで来ると、もはや私は小説を書いているのか、
ゲームの設定資料集を作っているのか、わかりません。
でも、まだ終わりません。

法律まで現物ができました
ニイアスという勢力が成長していく。
人が増える。
軍ができる。
組織ができる。
ならば当然、ルールが必要になります。
そうして物語の中に登場した、
ニイアス基本法。
そして私は思いました。
「原典って、どんな本なんだろう?」
……。
もうおわかりですね。
ニイアス基本法の原典まで作りました。
古い書庫の奥。
大切に展示された一冊の本。
そして最後には、誰かが書き殴ったような文字と、小さな落書き。
法律です。
国家の根幹です。
落書きがあります。
ニイアスです。

設定を作ると、次の設定が必要になる
最近わかってきました。
設定というものは、
一個作ると完成するものではありません。
一個作ると、
隣の設定が生えてきます。
人物を作る。
↓
服装が必要になる。
↓
軍人なら軍装が必要になる。
↓
軍装を作ると所属部隊が必要になる。
↓
部隊を作ると国家制度が必要になる。
↓
国家制度を作ると法律が必要になる。
↓
法律を作ると原典が必要になる。
↓
原典に落書きをする。
どうしてこうなった。


でも不思議なもので。
こうやって一枚ずつ絵にしていくと、
頭の中にしかなかった世界が、
少しずつ本当に存在する場所みたいになっていきます。
ワンが歩いている。
ニアが笑っている。
ジャンスが兵を率いている。
王国兵と帝国兵が戦っている。
ニイアスには独自の兵士がいて、
騎士団がいて、
そして古い書庫には、一冊の本が残されている。
小説は文字だけでも作れます。
でも私は、
自分が書いている世界を見てみたい。
たぶん、それだけなんだと思います。
だから今日も設定イラストが増えます。
そして、おそらく明日も増えます。
……
ところで。
まだ王国軍の騎兵設定をちゃんと作ってないんですよね。
🐈⬛
つづく。
◾️『猫から始まる世界征服』あらすじ

百年にわたり、二つの大国が争い続ける世界。
アルカン王国では、長引く戦争による不満の矛先を向けられた獣人たちが迫害され、奴隷として扱われていた。
そんな世界で、傭兵ワンの顔に一匹の猫が降ってくる。
――ぷにゅん。
柔らかな肉球とともに現れたのは、猫耳の少女ニアだった。
奴隷商人に追われていたニアを助けたワンは、彼女が暮らす獣人たちの隠れ里へと辿り着く。
しかし、そこにも王国軍の手が迫っていた。
「俺は、君が悲しまない世界を作りたいんだ」
人間が敵なら、人間の敵になる。
国が敵なら、国の敵になる。
世界が敵なら、世界の敵になる。
そして
――君が敵なら、君の味方になる。
その誓いとともに生まれた、獣人たちの自由の地「ニイアス」。
奴隷として囚われていた獣人を解放し、仲間を増やし、商人と交易を結び、やがて敵国から逃れてきたヒューマンさえ受け入れていく。
獣人か、ヒューマンか。
王国か、帝国か。
そんな境界を越えて、ニイアスは新しい国の姿を模索し始める。
だが、その頃。
百年戦争を続けるアルカン王国とマズール帝国では、大規模な軍事作戦が動き始めていた。
二つの大国。
森の中に生まれた、わずか数百人の小さな勢力。
戦力差は圧倒的。
それでもワンは、両国の軍勢が並ぶ地図を前に笑う。
「なんで止めるんだ?」
これは、一匹の猫から始まった世界征服。
猫耳少女の居場所を作ろうとした一人の男が、仲間を集め、国を作り、やがて世界そのものを変えていく物語。
