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AIの間違いが怖い人へ。薬剤師の職業病でつくった検証ルールを公開します

「AIの答えが合っているのか、自分では判断できない」

AIを使い始めた人の不安で、いちばん多いのがこれだと思います。

間違いを見抜けないから、怖くて仕事には使えない。 結局、間違っても実害のない調べものにしか使えていない——。

私は薬剤師の免許を持っています。といっても調剤薬局に立っているわけではなく、勤め先は製薬会社で、薬の安全性を確認する仕事をしています。

薬を渡す現場も、薬のデータを扱う仕事も、共通するのは「間違えたら済まされない」前提で、出す前に確認すること。 これが染みついた職業病で、AIの出力も毎日疑いながら使っています。

そして実際に、間違いは今もよく見つけます。

ただ、先に結論を言うと、間違いを見つけるのに専門知識は使っていません。使っているのは「確認の段取り」だけです。

この記事では、私が実際に間違いに気づけた場面を3つ紹介して、それぞれそのままコピペで真似できる形にして渡します。読み終わったら、今日から同じ確認ができるようになるのがゴールです。

場面①:お手本と「微妙に違う」グラフ

オンラインの学習コースで、データ分析の課題をやっていたときの話です。

お手本として提示されている散布図と、自分の手元で出力した散布図が、微妙に違うことに気づきました。

ぱっと見はほぼ同じで、そのまま先に進める状態でした。

でも、なんか違う。

そこで私は、違和感の正体を特定できないまま、こう送りました。

「よく見ると異なります。どこかで誤っているのだと思います」

これだけです。ここからAIと一緒に原因をたどって、途中の手順に誤りが見つかりました。放置していたら、間違ったグラフのまま先へ進んでいました。

やり方①:違和感は、説明できなくてもそのまま送る

多くの人は「どこがどう違うか、自分で特定してから聞かなきゃ」と思って止まります。その必要はありません。「なんか違う」の段階で、そのまま送っていいんです。

コピペ用に整えるとこうなります。

この出力、私のイメージと少し違う気がします。どこが違うのか、私の指示や認識が間違っている可能性も含めて、一緒に確認してもらえますか。

ポイントは「私が間違っている可能性も含めて」の一言です。実際、このときの誤りはAIではなく私の手順にありました。**確認の対象はAIだけではなく、自分も含む。**これで違和感を送るハードルが下がります。

場面②:AIに「合ってる?」と聞いたら「合ってます」と返ってきた

AIに文章や表を作らせたあと、同じチャットで「これで合っていますか?」と聞いたことはないでしょうか。

私はあります。そして、ほぼ確実に「はい、問題ありません」と返ってきます。

考えてみれば当然で、作った本人にセルフチェックさせている状態だからです。

薬局では、薬を用意する薬剤師と、それを監査する薬剤師を分けます。作った本人の確認は確認として弱い、というのが正確性が命の業界の共通認識です。

私はこの理屈を自分のAI運用にそのまま入れていて、生成させたものは必ず別の役割にチェックさせる、最後に出すかどうかの判定は私が引き取る、と決めています。。

やり方②:チェックは「新しいチャット」でやらせる

仕組みを作らなくても、この分離は今日できます。手順は3ステップです。

  1. AIの出力(文章・表・要約など)をコピーする

  2. 新しいチャットを開く(ここが重要。同じチャットの続きでやらない)

  3. 貼り付けて、こう頼む

次の文章は、別のAIが作ったものです。事実の誤り、根拠のあやしい数字、言い切りすぎている箇所を探して、あやしい順に指摘してください。問題がない場合も「なぜ問題ないと言えるか」を添えてください。

(ここに出力を貼り付け)

新しいチャットは前の文脈を知らないので、「作った本人」ではなく「初めて見る監査役」として読んでくれます。同じAIでも、これだけで指摘の出方が変わります。

場面③:スキャナが直った

最後は仕事道具の話です。

あるとき、会社のスキャナが自分だけ使えなくなりました。

AIに相談すると、原因の候補がいくつか出てきます。私はその最初の答えに飛びつかず、候補を1個ずつ確認していきました。

ドライバーの問題? → 入れ直す前に確認、違った。 パスワードを変更した? → していない。

そうやって潰していった先で、パソコンのIPアドレスが変わっていたのが原因だと特定できました。最後は「IPアドレスが変わってたっぽい。解決しました」の一言で終わりです。

もし最初の答えを鵜呑みにしていたら、関係ないドライバーを入れ直して「直らないじゃないか」で終わっていたはずです。

やり方③:答えは「結論」ではなく「候補リスト」でもらう

AIの強みは、正解を一発で当てることより、潰すべき候補を漏れなく並べてくれることです。並べさせて、確認は自分でやる。この分担なら、AIが間違えても実害が出ません。

頼み方はこうです。

原因として考えられる候補を、可能性が高い順に挙げてください。私が1つずつ確認していくので、それぞれ「何をどう確認すればいいか」も添えてください。

これは不具合の調査だけでなく、「売上が伸びない原因」「文章が読みにくい原因」のような、答えが1つに決まらない相談ほど効きます。

言いたいことは1つだけ

AIの間違いを見つけるのに、専門知識は要りません。要るのは確認の段取りで、それは3つだけです。

  1. 違和感は、説明できなくてもそのまま送る(自分のミスの可能性も込みで)

  2. チェックは新しいチャットでやらせる(作った本人に聞かない)

  3. 答えは候補リストでもらって、確認は自分でやる

3つとも、上のプロンプトをコピペすれば今日から使えます。

まず1回だけ、これで練習してみてください

いきなり仕事で使うのが不安なら、練習にちょうどいいお題があります。

自分がいちばん詳しいことをAIに聞いてみてください。地元のこと、長年の趣味、自分の仕事の基本。なんでも構いません。

〇〇(例:あなたの地元の市、10年続けている趣味)について、初心者向けに詳しく説明してください。

自分が詳しい領域なら、AIの間違いや「言い切りすぎ」に、専門知識ゼロの状態から気づけます。というより、あなたがその領域の専門家だからです。

1つでも「ん、これ違うな」を見つけられたら、それがこの記事で言う「疑いながら使う」の第一歩です。あとは同じ目線を、やり方①〜③に乗せて仕事に持ち込むだけです。

AIは間違えます。でも、間違える前提で確認の段取りを持っている人にとって、それは使わない理由にはなりません。


このnoteでは、薬剤師×マーケターの私が、AIで実務を仕組み化する過程を実録で書いています。

昨日は、AIに自分のチャット履歴を監査させて、作ったのに使っていない仕組みを洗い出した話を書きました。気になった方は読んでもらえたら嬉しいです。

AIに任せた仕事の確認に、まだ時間を取られている方は、フォローしてもらえるとうれしいです。

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