【作家の日常】《エッセイ》 #24 バトンが来たぞー。
ふと気づけば、世の中の人間は大抵何かに追われている。
書斎の窓ガラスに映る顔は、月曜日の朝からすでに干からびた切り干し大根の様だ。
そんな朝、三人に繋ぐバトンが届く。
俺を文学遊泳士と称す『深山紗夜』氏だ。
彼女も俺と同じく、文学の中に遊び心を取り入れる一風変わった面白い作家だ。
……いや、待て。
運動会ならアンカー直前で盛大に転ぶタイプの子どもだった俺に、青春のスパイスみたいなイベントが回ってくるとは。
画面の向こうで誰かがニヤニヤしているのが手に取る様にわかる。
とはいえ、回ってきたものは仕方ない。
観念して、俺が出会った強烈で愛すべき三人の狂人…
失礼、素晴らしいクリエイターたちを紹介するとしよう。
一人目:圧倒的な妄想力でこちらを殴ってくるお茶目な妄想神 [きゃんコアラ]氏
この人の記事を開くときは心構えが必要だ。
画面の向こうから「お前は本当にそれでいいのか?」と、首根っこをガシッと掴まれるような熱量で妄想の世界が押し寄せてくる。
日常のぬるま湯でふやけかけていた俺はキンキンに冷えた井戸水を頭から浴びるような衝撃を受けた。
なにより、妄想ストーリーを書くきっかけとなった俺の背中を力強く押してくれるお茶目な妄想神だ。
二人目:隙あらば斜め上に転がりたがる 優雅な貴婦人
[迷走記]氏
このお方は記事は、まともなロジックから始まるのに、気づけば話は「日常を笑い」へとスライドし、残るのは「俺はいったい何を見せられていたんだ?」という心地よい脱力感と読後感を与えてくれる。
文体に美しい流れを持つ貴婦人のような方だ。
みんなも一度、味わってみて欲しい。
三人目:深淵の底で静かに微笑む静寂の観測者 [猫月純]氏
そして最後のお方は深夜のバーの片隅で一人グラスを傾けるような、圧倒的な静寂の雰囲気を纏っている。
人間が心の奥底に隠している孤独や諦念を、削ぎ落とすように文章にしてしまう。
そんな孤独を覗き込んだはずなのに、なぜか胸のつかえがスッと取れているのだ。
見えている世界観が、おそらく俺と近しいのではないだろうか。
さて、こうして四名の濃すぎる面々を挙げていたら、外の空もすっかり白んできた。
干し大根のようだった俺の心も、四人の奇妙な熱量と毒気のおかげで少しはマシになったようだ。
バトンというのは本来もっと爽やかなはずだが、俺の手元を通過したそれは、なぜか煤けて変な匂いがする。
「まあいい、俺らしい着地だ。」
…と、荒んだ締めくくりにしそうになったが、一応こういう企画にはお決まりの美しい定型句というものがあるらしい。
『たくさんの素敵な出会いと、温かいコメントがnoteの中に広がっていきますように。
みなさんのご参加をお待ちしています!』
…なんて綺麗事でまとめるな。
主催者は教祖にでもなったつもりなのか。
きっとバトンを断れない人もいる。
バトンを回したが故に罪悪感に囚われる人もいる。
ならば、そんなモノ俺が止めてやる。
自身の世界観を崩す必要なんてない。
存分に自分世界を書きつづけて欲しい。
文学を楽しんで欲しい。
今回、紹介した四人は本当に素晴らしい作家です。
是非、フォローして今後を見守ってあげて欲しい。
ついでに俺も。
#バトンなんか辞めちまえ
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