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香りの神話_植物の物語|「イランイラン」①花の中の花15

こんにちは♪
Myungです♪

ここでは神話・伝承を題材にしてAI×わたしコラボファンタジーストーリーをお届けしています♪


❤️前回はベルガモットをご紹介しました。
まだ読んでいない方はこちらからどうぞ👇



❤️イランイラン②効能を書いています。こちらからどうぞ!👇


🌼🌙月夜に香る花

ありのままに咲く


― イランイランが教えてくれたこと ―

昔々、フィリピンの南の海に面した小さな村。

夕暮れになると、空は茜色から紫へとゆっくり溶け合い、椰子の葉を揺らす風が、海の塩の香りと花々の甘い香りを村中へ運んでいた。

その村に、ミラという娘が暮らしていた。

ミラは誰よりも働き者だった。

夜明けには井戸で水を汲み、昼には機を織り、夕暮れには家族の食卓を整える。

誰からも「よくできた娘だ」と褒められた。

けれど、その言葉だけは、いつもミラの胸をすり抜けていった。

「まだ足りない。」

「もっと上手にできたはず。」

誰よりも厳しい言葉を、いつも自分自身へ向けていたからだ。



やがてミラは、幼なじみの青年ダトゥと結ばれることになった。

村中が婚礼の支度に沸き立つ頃、母は毎日、庭に立つ一本のイランイランの木の下へ向かった。

夕風に揺れる黄緑色の花を、一輪、また一輪と丁寧に摘み、小さな籠へ静かに重ねていく。

花は決して華やかな姿ではない。

けれど近づけば、昼の暑さを忘れさせるような甘く深い香りが、静かに身体を包み込んだ。

ある日、ミラは尋ねた。

「お母さん、どうしてこんなにたくさん摘むの?」

母は微笑み、籠の中から一輪を取り出して娘の掌へ乗せた。

「婚礼の夜、寝床にまくためだよ。」

ミラは首をかしげる。

「それだけ?」

母はゆっくり頷いた。

「昔から、この島では言われているの。」

『イランイランは、人の心から鎧をほどく花。』

「この花はね、誰かに見せるために咲いているわけじゃない。

誰に許されることもなく、自分の香りを、そのまま風へ預けている。

だから婚礼の夜、この花を部屋いっぱいに散らすのは、二人が飾らない自分で向き合えますようにという願いなの。」



ミラは花を見つめた。

細く波打つ花びらは、決して目立つ花ではない。

それなのに香りだけは、夜の空気へ静かに溶け込み、どこまでも広がっていく。

「わたしには無理。」

思わず言葉がこぼれた。

「わたしは、この花みたいにはなれない。

いつも足りないところばかり探してしまうから。」

母は娘の髪を優しく撫でた。

「花はね、自分を咲き方で責めたりしないよ。」

「昨日より香れなかったなんて思わない。」

「ただ、季節が来たから咲く。」

母は空を見上げた。

椰子の葉の隙間から、一番星が瞬いていた。

「お前も、生まれたばかりの頃はそうだった。

泣いて、眠って、笑って。

ただそこにいてくれるだけで、母さんは幸せだったんだよ。」

その言葉を聞いたとき、ミラの胸の奥で、何かが小さく揺れた。



婚礼の夜。

海から吹く穏やかな風が窓を揺らし、寝床には一面のイランイランが散りばめられていた。

甘く深い香りが部屋を満たしていく。

まるで森そのものが祝福しているようだった。

ミラは静かに座ったまま、胸の前で手を重ねていた。

いつものように背筋を伸ばし、失敗しないように、美しくあろうとしている自分に気づく。

その時だった。

風がそっと花びらを揺らし、香りが優しく頬を撫でた。

不思議なほど、心が静かになっていく。

取り繕わなくてもいい。

完璧でなくてもいい。

誰かの期待に応えようとしなくてもいい。

花は香りを隠さない。

月も海も、ありのままにそこにある。

だったら自分だけが、自分を隠し続ける理由はないのかもしれない。

ミラはゆっくり顔を上げた。

「わたし……ずっと、自分を許せなかった。」

その声は震えていた。

「でも今夜だけは、そのままのわたしでいたい。」

ダトゥは静かに微笑み、彼女の手を包んだ。

「今夜だけじゃない。」

「花は、もっと美しくなってから香るんじゃない。

今、咲いているから香るんだ。」

「俺が愛しているのは、頑張り続けるお前じゃない。

笑っても、泣いても、迷っても……

そのままのお前なんだ。」



その夜から、ミラは少しずつ変わっていった。

自分を責める声が消えたわけではない。

それでも、その声が聞こえるたび、あの夜の香りを思い出した。

海風に揺れる花びら。

月明かり。

そして、何も足さなくても、自分はここにいていいと思えた夜を。



それ以来、この村では婚礼の夜になると、寝床いっぱいにイランイランの花を散らす風習が受け継がれている。

それは夫婦になる二人を祝福するためだけではない。

「あなたは、あなたのままで愛されている。」

そのことを、花の香りとともに思い出すため。

だから人々は今も、この花を**「花の中の花」**と呼ぶ。

誰よりも美しい花だからではない。

ありのままの自分を受け入れた心は、どんな花よりも静かに、深く香る。

そしてその香りは、今日も南の島の夜風に乗って、そっと誰かの心をほどいている。🌼🌙


🌼🌿イランイランからのメッセージ

イランイランは、誰かに愛される方法を教える花ではありません。

「まず、自分を愛すること。」

あなたが自分に微笑んだその瞬間から、

世界もまた、少しだけ優しく微笑み返してくれ

るでしょう。

ここで効能を書きたいところですが

次もShort short storyを同じイランイランで書いています。そこに効能を書いていますのでぜひ覗いてみて下さい。

なので次回のイランイラン②を同時に投稿します♪


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それでは〜次回すぐに
お楽しみに〜❣️

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