AIを触ってみたいけど手が出せへん君へ、僕は買い物の相談から始めた
ちょうど一年前、2025年の7月ごろやったと思う。
家のパソコンの前に座って、ChatGPTってやつを開いてみた。名前は聞いたことある。すごいらしい、とも聞いてた。でも正直、これで何ができるんか、さっぱり分かってなかった。
真っ白な入力欄がぽつんとあるだけで、こっちを見てる。「さあ何でも聞いて」みたいな顔で。こっちは何を聞いたらええんかも分からへん。
しばらく固まってた。
最初に打ったのは、買い物の相談
ほんで、ええい、と思って打ったのが、買い物の相談やった。
ちょうどその頃、モニターが欲しくてな。「こんなモニターが欲しいんやけど、提案してくれへんか」みたいに、普通にしゃべる感じで打ち込んでみた。かしこまった言葉なんか知らんし、友達に聞くみたいな書き方や。
そしたら、価格帯やら性能やらを、ぱぱっとまとめて出してきた。「こういうのが合うんちゃいますか」って、何個か候補を並べて。ほんで結局、その中から選んで、32インチのやつを買うたんやけどな。
そのときの正直な気持ちを言うとな、「ちょっと便利かも」って感じやった。
「まあ、ショッピングサイト行ったら自分で調べられるんかもしれんけど……AIってこんな提案してくれるんや」。それくらい。ちょっと「お」と思った。ほんまにそれくらいのもんやった。
でも、その「お」が、始まりやった。
そこから、分からんまま少しずつ
正直に言うと、そこから一気に何かが変わったわけやない。
しばらくは、また買い物の相談したり、ちょっとした調べ物を聞いたり。「これ合ってんのかな」と思いながら、ぽつぽつ触ってた。すごい使いこなしてる人のやり方を見ては、「へえ、そんなことできるんや」と思って、真似してみたり。
上手いこといかん日もようさんあった。的外れな答えが返ってきて「なんや使えへんな」と思ったこともある。今から振り返ると、それ、僕の聞き方が悪かっただけなんやけどな。当時はそんなん分からへん。
そうやって、分からんまま、ちょっとずつ試してきた。
正直に言うと、随分と遠回りしたなぁ、と思う。もっと早う、もっと賢いやり方があったんかもしれん。でもな、分からんもんはしょうがないやん。誰かが横で全部教えてくれるわけでもない。だから自分で、あーでもないこーでもないと触りながら、少しずつ分かってきた。
その一年前の買い物の相談から始まって、今はどうなってるかというと——毎日2、3時間くらい、AIとしゃべってる。声で。自分の考えを整理してもらったり、現場で困ってることを解決する小さなアプリを一緒に作ってもらったり。
こう書くと、なんかすごい人みたいやけど、全然そんなことない。始まりは、あの「買い物の相談」やった。そこは、ほんまに忘れてない。
手が出せへん君へ
もし今、AIを触ってみたいのに、なかなか手が出せへん、っていう若い子がおったら。
その気持ち、よう分かる。僕も一年前、真っ白な画面の前で固まってたから。何を聞いたらええんかも分からんかった。
でもな、遠回りを怖がらんでええねん。
いきなり賢く使おうとせんでええ。すごい人みたいにならんでもええ。無料で使える範囲で、ええねん。ちゃんとしたことを聞かなあかん、なんて思わんでええ。
僕みたいに、買い物の相談でええ。「こんなもん欲しいんやけど」でええ。晩ごはん何にしよう、でもええ。休みの日どこ行こう、でもええ。そういう日常の、ほんまに些細なことを、一個だけ聞いてみたらええ。
友達にLINEするみたいな、あの軽さで打ってみてほしい。
そしたら、何か返ってくる。それが的外れでも、まあええねん。「お」って、ちょっと思うくらいのもんかもしれん。でも、その「お」でええ。そこからやから。
僕はいろんなことにつまずいたし、随分遠回りもした。けど、なんやかんや、楽しみながらここまで来たんや。
ほんで正直、君ら若い子は、一回始めたら、僕なんかよりずっと早う使いこなすと思う。ただ、その「始める」だけが、なんでか一番むずかしい。やから、そこだけ。
僕の一年前の「お」が、今のこれに繋がってる。君の「お」も、どこに繋がるかは分からへん。分からへんけど、ChatGPTでも、スマホに入ってる音声のやつでも、なんでもええ。まずは一個、聞いてみてほしいなぁ。
遠回りでええ。その入口で、ええから。
買い物相談で「お」となったあと、実はひと月ほど足踏みしてました。その続きを書いてます。
