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身内の話をするとき、いつも呼び方が迷子になる

配偶者をどう呼んでいいかわからない問題。

答えを見失ってからもうずいぶん経つが、
未だによくわからない。
世の中的にも答は出ていないように思う。

自分の配偶者が、外で自分のことを
何と呼んでいるのかもわからない。
その場面を見ることもないし。

予測だと「旦那」かな。
「主人」なんて言ってないだろう。
言ってほしくもないけど。

「旦那」は意外にバランスがいい気がする。
表面的には持ち上げているが、
ちょっと馬鹿にしてる雰囲気もある。
「旦那さん」と言うとさらに丸くなる。

呼び方をこんなに難しくしている理由として
他人に伝えるときに、
「ちょっと謙遜して伝えなければいけない」
という空気があることが考えられる。

頭に「うちの」をつける場合、
自分と同じくらいちょい下げで言わないと
なんか非常識な感じがする。

これ自体どうなんだろうと思わなくもないが
持ち上げるのも確かに小っ恥ずかしい。

英語みたいに
とにかく「wife」と決めてくれれば
楽なんだけどな、とも思う。
日本語は関係や場面でやたら使い分ける。
細やかだとも言えるがそのせいで
ちゃんとした答を見失っている。

男性の側からすると、
「奥さん」が封じ手になってからが
苦難の始まりじゃないかと思う。
旦那と同じように汎用性が広かったから
とりあえずこれ使っとけばOKだった。
ところが「いつまで奥に押し込むのか」という
言われてみればもっともな意見が出て、
事態は急変した。

平等論を否定するつもりはないが、
「パートナー」だけは使いたくない。
「うちのパートナーが」なんて気取った言い方、
命令されても言えない。

ごまかす技として一時期「相方」という
言い方もちょっと流行ったが、
やっぱりイメージは限定的で、
いつでも誰でも使える感じはしない。

「同居人」という言い方をする人もいる。
事実だし、冷静で否定のしようもないが、
そのぶん、突き放した冷めた感じがある。

可能性を感じているのは「連れ合い」。
かなり古めかしい言い方だ。
同居人と同じく、事実を示した言葉だが、
時間経過が含まれているぶん、
ちょっと温かみを感じる。
関西の「ツレ」という言い方も同じだ。
ただ「ツレ」は関東で使うとちょっとだけ
わざとらしい感じがしてしまう。
まあその人がどう思うか、だけの話なんだが。

すべての根っこにあるのはやはり
身内の話をすることに対する「テレ」だと思う。
バシッと言うのがちょっと恥ずかしいのだ。
だから言葉をボカす。
いかに上手にボカすか、の大喜利になっている。

めんどくさいな、
日本語も全部「ワイフ」にすればいいのに、
とは絶対ならない。
そんな堂々とした人は、素晴らしいとは思うが
友達にはなれない気がする。

とにかくボカシて、
テレながら何とかやり過ごす。
だから永遠に呼び方を決めることができない。

これを日本語の奥ゆかしさとは思わない。
ただの面倒くさい癖だと思う。

だからたぶん明日も決まらない。
きっと「うちの…」と
またモゴモゴするんだろう。

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