【保存版】教師のAI活用、結局この"5つの視点"に整理できた。──授業準備を分解してみた|AI活用100本ノック #046
「現役教員がAI活用を毎日1本書く」と決めた100本ノックの46本目です。
「AIを授業準備に使ってます」と言うと、たいてい次に聞かれます。
「具体的に、何に使ってるんですか?」
これが、意外と答えにくい。
「いろいろです」としか言えなくて、もどかしい思いをしていました。
そこで、自分が実際にAIを使っている場面を、ぜんぶ書き出して、分解してみました。
すると、バラバラに見えた使い方が、5つの視点にきれいに整理できたんです。
今日は、その地図を共有します。教科を問わず使える、保存版のつもりで書きます。
大前提:AIは「足場」、主役は子ども
5つの話の前に、土台をひとつ。
私がAIを使うときの軸は、「AIに答えを出させない」ことです。
AIは、子どもが考えに届くための足場。答えそのものを配る道具にはしない。
最終判断も、子どもへの言葉がけも、必ず人間がやる。
この軸があるかどうかで、同じAIでも、使い方の質がまるで変わります。
視点① 教材分析を、多面化する
教材研究のいちばん最初。
「この教材の価値の核は何か」「登場人物の心は、どう揺れるか」を、いろんな角度から洗い出すのに使います。
一人で読むと、どうしても自分の解釈に偏る。
AIに「利己と利他の両面から、登場人物の気持ちを5つずつ挙げて」と頼むと、自分が見落としていた角度が出てくる。
採用するかは自分が決める。でも、視野は確実に広がります。
視点② 発問・揺さぶりを、複数つくる
中心発問と、本音に切り込む揺さぶり発問。
これを、AIに候補をたくさん出してもらう。
「きれいごとで終わらない、子どもがゆれる問いを5つ」と頼む。
10個出してもらって、自分のクラスに合う1つを選ぶ。
つくるのはAI、選ぶのは私。この分担が、いちばん効率がいいところでした。
視点③ 想定反応と、指名計画をつくる
授業の直前。
「この発問に、4年生はどう答えそう?」をシミュレーションします。
正義感の強い子、損得で考える子、自信のない子。
それぞれの反応を予想しておくと、本番で慌てない。
「もし『わからない』と言われたら、どう切り返す?」まで準備しておくと、授業がゆるみません。
AIは、授業前の壁打ち相手です。
視点④ 足場(スモールステップ)を用意する
中心発問に、なかなか届かない子のために。
「易しい順に、一歩ずつ近づける補助の問いを5段で」とAIに頼んでおく。
書くのが苦手な子には、「文章以外で考えを表す方法を4つ」。
全員が同じ入口じゃなくていい。入口を増やしておくための準備に、AIは向いています。
視点⑤ 評価文(所見)の下書きをつくる
授業のあと。
子どもの記述(必ず名前を伏せて)から、よさを認める所見の下書きを出してもらう。
ゼロから書くより、たたき台があるほうが、ずっと速い。
ただし、最後の一文は必ず自分で確定します。子どものことを本当に知っているのは、AIではなく私だからです。
5つの視点、早見
準備の流れに沿うと、こうなります。
① 教材分析(教材研究の最初)
② 発問づくり(展開を組むとき)
③ 想定反応・指名(直前の備え)
④ 足場・個別最適(つまずきへの備え)
⑤ 評価下書き(授業のあと)
道徳でも、国語でも、社会でも、この5つは同じように使えました。
教材が変わっても、枠組みは変わらない。だから、保存版です。
やってはいけない、4つ
最後に、自戒をこめて。
発問や評価を、AIに丸投げする
AIの分析で、子どもにレッテルを貼る
AIを理由に、教材研究を省く
子どもの個人情報を入力する
この4つをやった瞬間、AIは「楽をする道具」に堕ちます。
5つの視点は、楽をするためではなく、子どもと向き合う時間を増やすためにあります。
おわりに
AIの使い方は、人それぞれでいいと思います。
でも、「何に使えばいいか分からない」という人には、この5つの視点が、最初の地図になるかもしれません。
教材分析、発問、想定反応、足場、評価。
全部、子どもが考える時間を守るための準備です。
AIに準備を手伝ってもらった分の余白で、私は、子どもの表情をもう少しだけ、じっくり見られるようになりました。
それが、AIを使う、いちばんの理由です。
注記・参考
本記事の「5つの視点」は、筆者(小学校4年担任)が自分の実践を整理したものです。教師がAIを「答えを出す道具」ではなく「考えるための足場」として活用するという考え方は、AIを教師活用の側から捉える複数の先生方の実践・研究発表に学びました。
校務で生成AIを使う際は、児童の個人情報を入力しないなど、文部科学省の生成AI利活用ガイドラインおよび各自治体・学校の方針に従ってください。
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