見出し画像

結局、授業準備にどのAIを使えばいいの?──教科で"使い分け"たら、迷いが消えた話|AI活用100本ノック #043



「現役教員がAI活用を毎日1本書く」と決めた100本ノックの43本目です。

「AI、結局どれを使えばいいんですか?」

職員室で、いちばんよく聞かれる質問です。

ChatGPT、Gemini、Claude、Copilot……名前は知っているけれど、自分の授業準備のどこで、どれを使えばいいのか分からない。

その気持ち、すごく分かります。私も、最初はぜんぶ同じだと思っていました。

でも、ある時から考え方を変えました。

「どのAIが一番か」ではなく、「この作業には、どれが向いているか」。

道具で選ぶのをやめて、作業で選ぶようにしたら、迷いがほぼ消えました。

今日は、私が教科の授業準備で、どう使い分けているかを書きます。

大前提:AIは「下書き」、決めるのは私

使い分けの話の前に、ひとつだけ。

どのAIを使っても、出てきたものはたたき台です。

採用するか、捨てるか、直すかを決めるのは、最後まで自分。ここがぶれると、どのAIを使っても「AI任せの薄い授業」になります。

これだけは、教科を問わず共通の軸にしています。

道徳:AIは"壁打ち相手"

道徳でAIに求めるのは、答えではありません。

「この発問、予定調和になってない?」「もっと子どもがゆれる問いにしたい」と、相談相手として使います。

自分ひとりで考えると、つい「いい話でまとめる」問いになりがち。AIは、別の角度を差し出してくれます。

ここでは、対話が得意で、文章のニュアンスを丁寧に扱えるタイプのAIが向いていました。

国語:ワークシートの"言い回し"を整える

物語文のワークシートづくりは、AIの得意分野でした。

「あなたの考えを書きましょう」だと手が止まる子も、「心がどっちに動いた?」だと書き出せる。

この言い回しの微調整を、何パターンも出してもらう。

枠組みは自分で決めて、子どもが書きやすい言葉に翻訳する部分を任せる。この分担が、いちばんしっくりきました。

社会・調べ学習:AIを"調べ方の練習台"に

社会では、AIに答えを出させるのではなく、「調べ方」を学ぶ相手にしています。

集めた情報が本当に正しいか、出どころはどこか。AIの答えを、そのまま使わずに疑ってみる。

生成AIが普及したからこそ、「答えらしいものを無批判に使わない」力がいる。社会は、その練習にぴったりの教科でした。

体育:AIは"言語化"の助っ人

意外かもしれませんが、体育でもAIは効きます。

ただし、運動そのものではなく、コツの言語化です。

「この技を、子どもに伝わる短い言葉でコツにすると?」と聞くと、整理を手伝ってくれる。

実際の動きを見て、補助して、声をかけるのは私。AIは、その前の「言葉の準備」を担当します。

校務:AIは"時短"の主戦場

授業ではありませんが、いちばん時間が浮くのは校務です。

所見の下書き、通知文、会議の要点整理。

ここは「正確さ」より「叩き台のスピード」。個人情報は入れない、という線だけは絶対に守りつつ、下書きを高速で出してもらう。

最後の一文を整えるのは、必ず人間です。

まとめ:作業 × AIの早見

私の中の、ざっくりした地図です。

  • 相談・壁打ち(道徳の発問・授業の組み立て)→ 対話が丁寧なAI

  • 文章を整える(ワークシート・所見・通知文)→ 日本語の質が高いAI

  • 調べる・比べる(社会・教材研究)→ 情報を集めるのが速いAI

  • 長い資料を読む・要約(指導要領・実践資料)→ 大量の文章に強いAI

完璧な早見表ではありません。新しい機能が出るたびに、地図も書き換わります。

でも、「作業で選ぶ」という軸さえ持っておけば、新しいAIが出てきても、慌てずに済みます。

おわりに

「どれが一番いいAIですか」への、私の答えはこうです。

「作業によって、一番が変わります。」

ひとつのAIに全部やらせようとすると、どれも中途半端になる。

料理で包丁とまな板を使い分けるように、AIも、作業ごとに持ち替える。

そう考えると、AIは「すごい万能ツール」ではなく、手になじむ道具箱になっていきます。

道具箱の中身は、これからも増えていくはずです。

注記

本記事で触れたAIの「得意・不得意」は、2026年6月時点で筆者(小学校4年担任)が実際に使ってみた体感です。ツールの性能は更新が速く、時期によって変わります。校務で生成AIを使う際は、個人情報を入力しないなど、各自治体・学校のルールに必ず従ってください。

#AI活用100本ノック #生成AI #教員のAI活用 #小学校教員 #授業づくり #働き方改革 #ICT教育 #note毎日更新 #プレフロsensei

いいなと思ったら応援しよう!