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タイの自己啓発書

A bookstore tells more about a country than its newspapers do. 
本屋は、その国の新聞以上にその国を語ってくれる。

いま世界はこんなにも似てきているのか。タイのローカルな本屋で「エレガントな毒の吐き方」というタイトルの本を見たとき、一瞬ここは東京の駅ナカ書店かと戸惑った。

本屋はその国の今を自然と映しだす。なので海外に行ってその地域の本屋に立ち寄るのが毎回の楽しみになっている。

アメリカとかいわゆる先進国の本屋に並ぶ本は、その国の著者によって書かれたものが多い一方、かつて言われた発展途上国(今や物価については日本と遜色ないぐらいになっているけれど)の棚の目立つところには、海外からの翻訳本が置かれていることが多い。そして、日本の著者による本もけっこう置かれている。

いわゆる途上国の人々にとって外国の本は、より新しい、進んだ思想の象徴なのだろうと思う。そう考えると、文化的にはまだ外からの思想を吸収している段階なのかもしれない。自己啓発のコーナーには、成功の秘訣やお金を稼ぐ方法なんかを指南する本が並ぶ。

ただ近年、たとえば「迷ったら、自分を好きでいられるほうを選べばいい」みたいな「がんばらなくてもいいよ」系の本が確実に増えてきている。

上の写真はタイの地方都市フアヒンの本屋で撮ったものだけれど、「エレガントな毒の吐き方」ですよ? こういうスタンスの本が棚の目立つところに平積みされているのを見たりすると、いま、世界は本当にフラットになっているんだなと感じるし、物質的な豊かさだけでなく、心の悩みまでもが、SNSや翻訳本を通じて国境を越えていることがわかる。

このさき僕たちは先進国、途上国関係なく同じように悩み、同じような本を読み、同じように努力した末、同じようにこじらせたりもするんだろう。そんなこじらせを解く答えやヒントは、異文化の暮らしの中だったり、心の豊かさ的なものに意識が向かう前のかつての生き方の中にあるような気はしている。

そういえば、昔日本で仕事や日々の決まり事に息苦しさを感じていたとき、バンコクに一人旅をしてモールで店員がサンドイッチをかじりながら接客している姿を見て、なぜか心が軽くなり、息苦しさが嘘のように消えてなくなり、笑いが止まらなくったことがあった。「これでいいのだ」と。

A bookstore tells more about a country than its newspapers do. 
本屋は、その国の新聞以上にその国を語ってくれる。

✏️ 文法ひと言解説

A bookstore
不定冠詞 a+可算名詞 bookstore(本屋)。ここでは一般的な「どの国にもある一つの本屋」を指しています。

tells more about A than B
この文の骨格は比較表現の一種:(BよりもAについて多くを語る)

ここでは「a country(その国)」がA、「its newspapers(その国の新聞)」がBです。
つまり直訳すると、
「本屋はその国について、新聞よりも多くを語る」となります。

tells
動詞 tell の三単現形(bookstore は3人称単数の主語)。
ここでは「語る」「物語る」の意味で使われています(「tell a story」に近いニュアンス)。

its newspapers do
itsa country を受けた所有格(その国の)で、newspapers は複数形(新聞全般を指す)。
最後の do は、前に出てきた tells の繰り返しを避けるための 助動詞の代用(do=tell)です。この使い方は比較文でよく登場します。
例:She works harder than he does.
 = She works harder than he works.

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