校閲者目線で見る「うまい文章」と「下手な文章」の違い
はじめに|「あ、この文章ヤバい」と思う瞬間
私は年間100本程度の医療記事を校閲しています。
その中で、記事を開いた瞬間に思うこと・・・
「あ、この文章ヤバい」
まだじっくり読んでいないのに、です。
画面をスクロールしただけで、なんとなく分かるんです。
「この記事、校閲に時間かかりそうだな…」って。
逆に、「この文章、読みやすいな」とスムーズに校閲が進む記事もあります。
この違いは何なのか?
それは、「うまい文章」と「下手な文章」の差です。
でも、ここで言う「うまい」「下手」は、文学的な美しさとか、表現力の豊かさとか、そういう話ではありません。
校閲者目線で言う「うまい文章」とは、校閲しやすい文章のこと。
つまり、読み手に配慮された文章です。
この記事では、WEB校閲者として年間100本を見ている私が、「うまい文章」と「下手な文章」の違いをお伝えします。
WEBライターとして、クライアントや校閲者に「このライター、プロだな」と思われたいなら、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
校閲者が最初に見るのは、内容じゃない
「校閲者って、何をチェックしてるんだろう?」
そう思ったことはありませんか?
校閲者は主に「情報の正確性」をチェックしています。
でも、校閲者が最初に見るのは、そこじゃない。
じゃあ、何を見ているのか?
それは、基本的なミスがないか、です。
誤字脱字はないか
衍字(余計な文字)が残っていないか
誤変換がないか
重複表現が多くないか
なぜ、これを最初にチェックするのか?
理由は簡単です。
誤字脱字だらけの記事が公開されたら、サイトの信用を損なうから。
内容がどんなに正しくても、誤字脱字だらけだったら、読者はこう思います。
「このサイト、ちゃんとチェックしてないんだ」
「内容も信用できないかも」
つまり、基本的なミスは、サイト全体の品位を下げるんです。
校閲者は、クライアントのサイトを守る立場。
だからこそ、内容の確認よりも先に、基本的なミスをチェックします。
しかも、正直に言うと、基本的なミスが多い文章を見ると、こう思います。
「このライター、提出前に見直してないな」
そして、こうも思います。
「内容も雑なんじゃないか?」
逆に、基本的なミスがない文章は、「このライター、丁寧だな」と好印象を与えます。
校閲者は安心して、内容の確認に進めます。
では、具体的にどんなミスが「サイトの品位を下げる」のか。
次で見ていきましょう。
事実確認以前に
修正コメントが止まらない文章の特徴
では、ミスの具体例を見ていきましょう。
私が校閲していて「うわ、これは…」と思うパターンを紹介します。
①誤字脱字だらけ
例:
「歯の神経を取る治療を、根幹治療と言います。」
「根幹治療」と誤変換しています。正しくは、
「歯の神経を取る治療を、根管治療と言います。」ですね。
「治療後は定期的な健診が必要です。」
歯科における定期検診は、通常「健診」ではなく「検診」を使うことが多いです。
これ、1箇所ならまだしも、1記事に10箇所も20箇所もあると、校閲者はうんざりします。
「提出前に、一度読み直してほしい…」
そう思います。
②衍字(余計な文字が残ってる)
例:
「歯科医院での相談してください」→「の相談」(「の」が余計)
書き直した時に、前の文字が残ってしまうパターン。
これ、本人は気づきません。
でも、読む側はすぐ気づきます。
③脱字(文字が抜けている)
例:
「虫歯治療早めに行うことが大切です」→「治療は早めに」(「は」が抜けてる)
「歯科医院相談してください」→「歯科医院で相談」(「で」が抜けてる)
助詞が抜けると、文章が不自然になります。
④重複表現
例:
「まず最初に、虫歯の検査を行います」→「まず」か「最初に」どちらか
「〜することで〜ことができます。」→「ことこと」表現は非常に多いです。たいがい他の言葉に言い換え可能なので、バリエーションを探ってみましょう。
重複表現は、文章を冗長にします。
1箇所ならまだしも、何度も出てくると、「この人、日本語の基礎が…」と思われちゃいます!
これらのミスが多い文章は、事実確認以前の段階で、校閲者の手を止めます。
「まず、これを全部直さないと…」
と、修正コメントをひたすら入れることになります。
そして、正直に言うと、こう思います。
「このライター、次はないな」
日本語として成立していない文章は、校閲できない
基本的なミス(誤字脱字、衍字、重複表現)は、まだ直せます。
でも、もっと厄介な問題があります。
日本語として成立していない文章です。
これがあると、校閲者は途方に暮れます。
「この文章、何が言いたいんだろう…」
内容を確認する以前に、文章の意味が分からないからです。
具体的に見ていきましょう。
①主語と述語がねじれている
例:
「虫歯の痛みを我慢せず、早めにご相談いただくことで適した治療を行います」
「痛みを我慢せず、早めに相談する」のは患者。
「適した治療を行う」のは歯科医院。
視点が途中で切り替わっています。
正しくは、
「虫歯の痛みを我慢せず、早めにご相談ください。適した治療を行います」
主語と述語がねじれていると、読者は「誰が何をするの?」と混乱します。
校閲者も、「この文章、どう直せばいいんだ…」と悩みます。
②修飾語が何を指すか不明確
例:
「新しい患者様の治療計画を作成します」
「新しい」は何を修飾してますか?
「新しい患者様」?→新規の患者様
「新しい治療計画」?→新規に作る治療計画
読み方によって、意味が変わります。
直すなら
「新規の患者様向けに、治療計画を作成します」
または、
「患者様の新しい治療計画を作成します」
などでしょうか。
③論理が破綻している
例:
「虫歯は早期発見が重要です。しかし、定期検診を受けることで予防できます」
これ、論理がおかしいです。
「早期発見が重要」と言っておきながら、「しかし」で逆接を使って「予防できます」と言ってる。
「早期発見」と「予防」は矛盾しません。むしろ順接のはずです。
正しくは、
「虫歯は早期発見が重要です。そのため、定期検診を受けることをおすすめします」
などがいいかもしれません。
もう一つの例:
「インプラント治療は高額です。費用は1本30万円からです。そのため、多くの患者様に選ばれています」
「高額」「30万円から」と言っておきながら、「そのため、多くの患者様に選ばれています」。
高額だから選ばれる、という論理はおかしいです。
正しくは、
「インプラント治療の費用は1本30万円からと高額ですが、長持ちするため、多くの患者様に選ばれています」
一見すーっと読めてしまう文章でも、よく読むと論理がおかしいものはけっこうあります。
「この文章、すぐ出せる」と思う瞬間
ここまで、「校閲者が困る文章」の話をしてきました。
一方、多くの文章を見ている中で、逆のパターンもあります。記事を開いた瞬間、「あ、この文章いいな」と思う瞬間。「この文章、すぐ出せる」そう判断できる文章には、共通点があります。
①基本的なミスがない
当たり前のようですが、これが一番大事です。
誤字脱字がない
衍字がない
重複表現がない
校閲者は、最初にざっと読んだ時点で、「あ、この人ちゃんと見直してるな」と分かります。
基本的なミスがないだけで、好印象です。
そして、安心して内容の確認に進めます。
②日本語が正しい
主語と述語がねじれていない
修飾語が明確
論理が一貫している
こういう文章は、読んでいてストレスがありません。
校閲者は、「この文章、分かりやすいな」と感じます。
しかも、「このライター、日本語の基礎がしっかりしてるな」と信頼します。
③情報が整理されている
話の順番が自然
1文に1つの情報だけが入っている
段落ごとにテーマが明確
こういう文章は、読者にとっても読みやすい。
校閲者も、「この構成、このままでいいな」と判断できます。
④配慮が感じられる
例えば、
専門用語に補足説明が入っている
根拠が示されている(情報源を明記)
表現が統一されている(「患者様」か「患者さん」か、など)
こういう細かい配慮がある文章は、「このライター、読み手のこと考えてるな」と分かります。
校閲者は、安心してクライアントに提出できます。
「うまい文章」とは、読み手への配慮が詰まった文章でもあります。
まとめ|結局、基本を押さえた文章が信頼される
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。最後にまとめます。
校閲者が「あ、この文章ヤバい」と思う瞬間は、事実確認以前の段階で起きます。
誤字脱字、衍字、重複表現が多い
主語と述語がねじれている
修飾語が曖昧
論理が破綻している
こういう基本的なミスがあると、校閲者は内容確認に辿り着けません。
そして、正直に言うと、こう思います。
「このライター、提出前に見直してないな」
逆に、「この文章、すぐ出せる」と思う文章には、共通点があります。
基本的なミスがない
日本語が正しい
情報が整理されている
読み手への配慮が感じられる
結局、基本を押さえた文章が信頼されるんです。
華やかな表現や、文学的な美しさは、なくても大丈夫。
それよりも、誤字脱字がない、日本語が正しい、読みやすい。
この基本を押さえるだけで、あなたの文章は「プロの文章」になります。
WEBライターとして、クライアントに信頼されたいなら、まずは基本を押さえましょう。
提出前に、必ず見直す
声に出して読んでみる
一晩寝かせてから、もう一度読む
これだけで、基本的なミスは大幅に減ります。
そして、校閲者から「このライター、丁寧だな」と思われるようになります。
基本を押さえた文章が、信頼される。
これを覚えておくだけで、あなたのライティングスキルがグッと向上するはずです!
私が年間100本の記事を校閲していて感じること。
「本当に基本を押さえている文章は、2割程度しかない。」
つまり、8割のライターが、基本的なミスを見逃したまま納品している。
「WEBライターは誰でも簡単になれる」
そう言われて参入してくる人は多いです。
でも、「基本を押さえた文章が書ける人」は、実は少ないんだよ、というお話でした!
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