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ケアマネジャー:22万筆の署名が語る真実 ケアマネ(日本介護支援専門員協会)5期目体制で変わる介護現場の未来図とは?


今回のNoteで学べることは?

こんにちは!セオドアアカデミーです。
 今日は、介護の世界で静かに進行している大きな変化についてお話しします。日本介護支援専門員協会の柴口会長が5期目に突入し、22万筆を超える署名が集まった背景には、私たちの暮らしに直結する深刻な問題があります。
 このNoteでは、ケアマネジャーの処遇改善が私たちの介護現場にどんな影響を与えるのか、現場で働く人々の生の声を交えながら、超高齢社会を支える仕組みの転換点を読み解きます。
 これを読めば、介護保険制度の今後や、あなた自身の将来設計にも役立つヒントが見つかるはずです。


柴口体制5期目の重み 継続が生み出すパワー

2025年6月29日、日本介護支援専門員協会の社員総会で柴口里則会長の続投が決定しました。これで「柴口体制」は5期目を迎えることになります。

実は、この継続には深い意味があります。柴口氏が初めて会長に就任したのは2017年。当時は現職の鷲見よしみ氏を破っての新会長就任でした。あれから8年、なぜこれほど長期にわたって支持され続けているのでしょうか。

答えは一つの軸にブレがないことです。柴口会長は一貫して「ケアマネジャーの処遇改善」を掲げ続けています。これは単なる給料アップの話ではありません。介護を支える専門職としての地位確立、そして私たちが安心して老後を迎えられる社会基盤の構築という、もっと大きなビジョンなのです。

「処遇改善をなんとしても実現したい」

柴口会長のこの言葉の背景には、現場で働くケアマネジャーたちの深刻な状況があります。資格取得や更新の負担、責任の重さに見合わない待遇、そして何より「やりがいはあるけれど、生活が厳しい」という現実です。

長期政権だからこそできることがあります。それは、制度改正という長いスパンの取り組みに継続的にコミットできることです。介護保険制度は3年ごとの改正サイクルですが、本質的な変化には時間がかかります。柴口体制5期目の意味は、この継続性にあるのです。

22万筆が示す現場の切実な声

今回の社員総会で発表された数字に、多くの関係者が驚きました。処遇改善を訴える署名活動で、わずか2か月足らずで22万7千筆以上が集まったのです。

この数字、どれくらいすごいのか実感しにくいかもしれません。でも考えてみてください。全国の介護支援専門員の総数は約30万人です。つまり、7割以上の人が署名に賛同したということになります。

なぜこれほど多くの人が声を上げたのでしょうか?

その背景には、ケアマネジャーならではの特殊な事情があります。他の介護職員と違って、ケアマネジャーは「処遇改善加算」の対象外なのです。これは制度の穴のような状況で、介護職員の給与は改善されているのに、ケアマネジャーの処遇は置き去りにされているという現実があります。

厚生労働省の最新調査によると、2024年度の常勤のケアマネジャーの平均給与は37万5,410円です。2023年度の平均給与は36万3,760円のため、1年間で11,650円もアップしています。一見改善しているように見えますが、実はこの伸びは他の介護職種と比べると控えめなのです。

介護現場で働く人なら分かると思いますが、ケアマネジャーの業務は本当に多岐にわたります。ケアプラン作成はもちろん、利用者・家族への相談対応、医療機関との連携、緊急時の対応...。そして時には、制度では対応できない「グレーゾーン」の支援も求められます。

「買い物を頼まれることもある」

厚労省の間隆一郎局長が指摘した「シャドーワーク」の問題です。介護保険制度では対象外の業務を、ケアマネジャーがボランティア的に担っている現実があります。これは職業としての専門性を損なう深刻な問題でもあります。

22万筆の署名は、こうした現場の切実な声の結晶なのです。

処遇改善の現実と立ちはだかる壁

ケアマネジャーの処遇改善が進まない理由は複雑です。制度的な問題、財源の問題、そして社会的な認識の問題が絡み合っています。

まず制度面から見てみましょう。介護職員処遇改善加算は、原則として「介護職員」が対象となり、ケアマネジャーは含まれていません。これは、居宅介護支援事業所が利用者負担がなく、全額介護保険から支払われるサービスであることが影響しています。

つまり、処遇改善の財源を利用者負担に求めにくい構造になっているのです。他のサービスでは利用者が1~3割負担しますが、ケアマネジメントは全額保険負担。財源確保の方法が限られているのが現実です。

でも、これって本当におかしな話ですよね。

ケアマネジャーこそ、介護保険制度の要の存在です。適切なケアプランがなければ、どんなに良いサービスがあっても利用者に届きません。それなのに、その専門職の処遇が他職種より劣るというのは、制度設計として矛盾しています。

実際の現場では、こんな状況も起きています。介護福祉士として働いていた人がケアマネジャーの資格を取得したものの、給与が下がってしまうため、ケアマネとしての働き方を選ばないケースです。これでは専門職としてのキャリアアップが阻害されてしまいます。

公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、介護職の離職率は14.3%となっています。人材不足が深刻化する中で、ケアマネジャーの処遇改善は待ったなしの課題なのです。

居宅介護支援基本報酬引き上げという突破口

柴口会長が強く求めているのが「居宅介護支援の基本報酬引き上げ」です。これは処遇改善の重要な突破口になる可能性があります。

現在の居宅介護支援費は、要介護度に応じて設定されています。要介護1~2で1件あたり約1,100円、要介護3~5で約1,400円程度(地域により異なる)です。これでケアマネジャー1人が月35件程度を担当して、事業所の収入を確保しています。

単純計算してみましょう。

月35件、すべて要介護3以上として約49,000円。年間だと約59万円。これが1人のケアマネジャーが生み出す基本的な事業収入です。ここから事業所の運営費、ケアマネジャーの給与、その他の経費を賄わなければなりません。

基本報酬が仮に10%上がれば、年間約6万円の収入増。これを処遇改善に充てることができれば、月割りで5,000円程度のアップが可能になります。小さく見えるかもしれませんが、継続的な改善の第一歩としては重要です。

しかし、報酬引き上げには当然財源が必要です。厚生労働省の推計によると、2025年度まで毎年5万人規模で介護職人材が不足し、2040年度には毎年3万人の不足が続くとされています。この人材不足解消のためには、処遇改善が不可欠という認識が高まっています。

変化の兆しと私たちができること

実は、最近になって変化の兆しが見えてきています。

厚労省の間局長が「シャドーワーク」という言葉で問題を指摘したのは、行政側も課題を認識している証拠です。また、2024年の介護報酬改定では、ケアマネジャーの業務負荷軽減を図る取り組みも盛り込まれました。

さらに、「居宅介護支援費(Ⅱ)」という新しい加算も創設されています。これは一定の要件を満たした事業所が算定できる加算で、ケアマネジャーの処遇改善に使うことができます。まだ算定している事業所は少ないですが、処遇改善への道筋は示されています。

では、私たちにできることは何でしょうか?

まず大切なのは、ケアマネジャーの役割と価値を正しく理解することです。彼らは単なる「サービスの仲介役」ではありません。複雑な制度を理解し、利用者一人ひとりの状況に最適な支援を組み立てる専門職です。

家族の介護が必要になったとき、適切なケアマネジャーと出会えるかどうかで、その後の生活の質は大きく変わります。だからこそ、優秀な人材がケアマネジャーとして働き続けられる環境を作ることは、私たち自身の利益でもあるのです。

また、この問題は介護保険制度全体の持続可能性とも関わっています。超高齢社会のピークはこれからです。今、制度を支える人材への投資を怠れば、将来的により大きなツケを払うことになるでしょう。

22万筆が描く未来図

22万筆の署名は、単なる「給料を上げてほしい」という要求ではありません。これは、介護という仕事に誇りを持ち、利用者のために専門性を発揮したいと願う人たちの声です。

柴口会長が目指す「年収500万円」という目標も、決して高望みではありません。ケアマネジャーの専門性と責任を考えれば、むしろ適正な水準といえるでしょう。他の専門職と比較しても、この水準は妥当です。

私たちの社会が目指すべきは何でしょうか?

それは、介護が必要になっても安心して暮らせる社会です。そのためには、質の高い専門職が安定して働ける環境が不可欠です。ケアマネジャーの処遇改善は、その第一歩なのです。

5期目を迎えた柴口体制には、これまで積み重ねてきた経験と人脈があります。22万筆の署名という強力な後押しもあります。この機会を逃さず、本格的な処遇改善を実現できるかどうか。それは、私たちの介護の未来を左右する重要な分岐点になるでしょう。

変化は私たち一人ひとりから

介護の問題は、どこか遠い世界の話のように感じることがあります。でも実際は、私たち全員に関わる身近な問題です。

今日お話ししたケアマネジャーの処遇改善も、結局は私たちの暮らしの質に直結しています。良いケアマネジャーがいてくれるからこそ、適切な介護サービスを受けられ、家族も安心して生活できるのです。

22万筆の署名が示したのは、現場で働く人たちの切実な思いです。でも、この声を届けるだけでは十分ではありません。私たち一人ひとりが、介護という仕事の価値を認め、支えていく必要があります。

それは、身近にいる介護職の人への感謝の言葉かもしれません。選挙での一票かもしれません。あるいは、この問題を家族や友人と話し合うことかもしれません。

小さな変化の積み重ねが、やがて大きな変革を生み出します。5期目の柴口体制が掲げる処遇改善という挑戦を、私たちも一緒に支えていきませんか?

そんな思いで、今日は介護現場の変化について書かせていただきました。

以上、セオドアアカデミーでした。おしまい。


《参考文献》

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