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福しんは、なぜ32店から28店になったのか。日高屋・ぎょうざの満洲とは違う、毛呂山工場と「1店の役割数」から読む成長戦略とは?

売上15%増」と「23億→24億」のずれから読み解く、福しんが本当に増やしているもの ※写真はイメージです

池袋・西武線の28店で何を測るか。店舗数ではなく毛呂山工場と1店舗あたりの役割数を追う理由


池袋を中心に西武・東武沿線で60年以上営業する町中華チェーン、株式会社福しん。公式サイトの店舗一覧を数えると、2018年頃の35店、2022年の32店から、2026年8月末で28店に減っています。一方でメディア記事には「売上15%増」の表現が残ります。この2つの数字を並べると、単純な引き算では説明できないずれが見えてきます。店を減らしながら、福しんは何を増やしているのか。毛呂山工場、家族客対応店、冷凍自販機、サブスクを一つの線でつなぐと、外食チェーンの成長単位が「店舗数」から別の指標へ動いていることが見えてきます。

福しん メニュー一覧

セオドアアカデミー独自まとめ

福しん公式サイトの店舗一覧を数えると、2026年8月末時点で28店です。2018年頃の35店、2022年時点の32店、2023年取材時点の31店からは、いずれも減っています。

この数字だけを見れば、福しんは縮小しているように見えます。

しかし同時に、2023年のぐるなび通信の取材記事では、売上高約24億円、2019年比約15%増と紹介されています。公式会社概要に載る2019年12月時点の売上高は23億円です。

23億円が24億円になった場合、増加率は約4.3%です。15%ではありません。

この差は、執筆時の四捨五入かもしれません。既存店売上や店舗当たり売上と会社売上を混同した可能性もあります。あるいは、2019年に対応する会計期間の取り方が公式表記と取材時で異なるのかもしれません。公表資料の範囲では、どれが正解かは断定できません。

大事なのは、答えを決めることではなく、この違和感の場所を覚えておくことです。「店舗数は減った」「売上は増えた」の2つを同時に成立させる説明を、福しんの現在の打ち手の中に探すことになります。

縮小に見えるものの中身

まず、店舗数の変化から丁寧に見ます。

福しんは1990年代から2000年代前半にかけて、池袋周辺から西武線、東武線、JR沿線に店舗を伸ばしました。ピークは35店前後です。そこから10年弱で7店減っています。

G-FACTORYが2019年に掲載した高橋順社長のインタビューには、過去、赤字店舗でも出店を優先し、開店から3か月で閉店したケースがあったことが明かされています。

つまり、拡大期の末尾に一定数の不採算店が積み残っていた、と読めます。

もし店舗数の減少が、単に来店客が減った結果としての撤退であれば、残る店舗の売上も同じ方向に落ちるはずです。ところが、取材記事の説明はその逆です。「売上は伸びている」と語られている以上、閉店の中身は「不振店の撤退」というより「意図的な間引き」に近いと考える方が整合的です。

これは仮説です。福しん自身が閉店基準を公表しているわけではありません。ただ、店舗数減少と売上増加を同時に成立させる場合、1店舗あたりの生産性が上がっているか、店舗以外の販売経路が売上を押し上げているかのどちらか、または両方です。

福しんの打ち手を並べると、この両方に手をつけている姿が見えてきます。

1店舗を「複数の店」として使う

2023年の同じ記事によると、31店舗のうち10店舗が広く明るい新型店舗に転換済みで、既存店の改装によって売上20%増を見込むと説明されています。

町中華チェーンの伝統的な形は、カウンター中心、男性客中心、ピーク時間短時間回転です。福しんの新型店はこの前提を変えています。テーブル席、家族連れ、休日昼、女性一人客、夕方の軽い飲酒。同じ物件の中で、想定する時間帯と客層を増やす作りです。

1つの物件が、平日昼はサラリーマンの定食屋、平日夜はちょい飲みの居酒屋、休日昼は家族の食堂、夕方以降はテイクアウト拠点として働く。理屈の上では、席数や坪数は変わらなくても、稼働する時間帯と客単価の組み合わせが増えます。

さらに、公式サイトのインフォメーションでは、冷凍餃子自販機、ギョウザ定期券などが並んでいます。これらは店内飲食の代わりではなく、店を1つの場所として使い倒すための追加チャネルです。

「1店舗の役割を増やす」という言い方の中身は、次のように分解できます。

  • 席数は増やさず、想定時間帯を増やす

  • 想定客層を、一人男性から家族と女性に広げる

  • 店舗の営業時間の外側に、自販機と持ち帰りを置く

  • 客との接点を、来店の1回からLINEとサブスクの継続関係に伸ばす

店舗数を7店減らしながら、1店舗当たりの「顔の数」を増やしている。これが「店舗数は減ったが売上は伸びた」を説明する1つ目の柱です。

先日、某店舗で食事した際にはすでに、ルフレジも導入済みでした。

今回概要まとめ図

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