政府”骨太の方針”を閣議決定:4.2兆円の障害福祉、2.03%の介護報酬、直近最高値2.90%の長期金利。骨太方針2026が2027年4月に引き直す「給付と負担」の境界線
今年度中に結論」が置かれた論点はいくつあるか 骨太方針2026を、決まった話と決まっていない話に分けて読む
賃上げには払う、増える給付は選別する 医療・介護・障害福祉の各ポイントを2027年度改定の前に点検する

6月末の骨太原案から財政健全化という言葉が消え、長期金利も跳ね上がりました。この揺れは金融の話に見えて、給付の話と地下でつながっています。障害福祉の費用急伸への対応、介護のプラス改定の中身、ケアマネジャーの位置づけ、福祉用具の上限価格と選択制、2割負担の拡大、70歳以上の医療費負担、データ連携、特定地域。各ポイントが2027年度に向けてどこへ動くのか。決まった話と、これから決まる話と、決まらないまま持ち越された話を分けて追います。
どーも、セオドアアカデミーです。
閣議決定された骨太の方針2026の脚注に、原案から一行が加わりました。日銀法第3条に基づき、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられる。6月30日の原案にはなかった行です。
本文では、
「2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する」
の直後に、脚注番号「3」が付いています。P2参照。
そのページ下部の脚注3に、次の記載があります。
日本銀行法第3条(日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない)に基づき、金融政策の具体的な手法については日本銀行に委ねられる。
つまり、正確には「日銀法第3条に基づき」という趣旨だけでなく、同条の「自主性は尊重されなければならない」という条文要旨も併記されています。
なぜ後から足す必要があったのか。原案から財政健全化という言葉が消え、市場が財政規律の後退と受け止めたからです。2001年に小泉政権のもとで最初の骨太の方針がつくられて以来、初めての削除でした。長期金利は6月26日の2.603%から、7月9日には一時2.90%、約29年8か月ぶりの水準まで上がりました。
金利の話に見えて、これは給付の話と地下でつながっています。市場が財政を警戒するほど、政府は歳出のどこかで規律を示す必要に迫られます。
社会保障は、最大の歳出項目です。骨太が財政の持続可能性という言葉を前面に置いた分だけ、給付の選別は正当化されやすくなりました。
だからここから先は、金利の話ではなく、医療・介護・障害福祉の各ポイントを一つずつ、確認できる事実と未決定の論点に分けて追っていきます。

全体像: 「両建て」の改定になる
今回の骨太方針を一言で言えば、一律削減でも一律プラスでもありません。両建てです。
賃上げと物価高には財源を入れる。骨太方針は、他産業との賃金格差を縮める処遇改善を進め、物価変動に適切に対応するとしました。同時に、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げを目指すとも書き込んでいます。国民所得に占める社会保障負担率について、目標設定を検討する意向も示しました。
増やす部分と、削る・組み替える部分を、明確に分ける。総額を無制限に伸ばすのではなく、必要性、質、地域性、データで支払いを選別する制度へ寄せていく。これが全体を貫く方向です。
以下、この線が各ポイントでどこに引かれるのかを、一つずつ見ていきます。
今回概要まとめ図
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