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三毛猫 ミーちゃん  ~天国でも、やっぱりセンター~


ほっこりシリーズ

【続編】 

 三毛猫 ミーちゃん

  ~天国でも、やっぱりセンター~

「ここが天国です。」


優しい声に案内され、ミーちゃんはゆっくりと

目を開けました。


目の前には、どこまでも広がる青空。


ふわふわの雲。


色とりどりの花が咲き、風は心地よく、鳥たちが

楽しそうに歌っています。


「なるほど。悪くないわね。」


そんな顔をしたミーちゃんは、周りを

キョロキョロ見渡しました。


すると、たくさんの犬や猫たちが集まって

きます。


「ようこそ!」


「新入りさんだ!」


「仲良くしようね!」


みんな笑顔で歓迎してくれました。


……ですが。


ミーちゃんは、その歓迎よりも先に気になるもの

を見つけてしまいます。


それは、一番大きくて、一番ふかふかの雲。


「ふむ。」


次の瞬間、誰よりも早くその雲へ飛び乗ると、

くるんと丸くなって寝転びました。


周りは一瞬静まり返ります。


「あっ……。」


「あそこは人気ナンバーワンの場所なんだけ

 ど……。」


犬も猫も顔を見合わせます。


しかしミーちゃんは、まるで聞こえていません。


「ここ、今日から私の席ね。」


そんな顔で大あくび。


すると遠くから神様が歩いてきました。


「おやおや。」


みんなは慌てます。


「神様、その雲……。」


神様はミーちゃんを見ると、少し笑って

言いました。


「地上でも、きっとセンターだったんだろう?」


その一言で全員納得。


「なるほど。」


「そういうタイプか。」


その日から、ミーちゃんは天国でも有名に

なりました。


「センター猫」として。


朝になると、一番暖かい日向を確保。


昼寝は、一番寝心地のいい雲。


おやつの時間になると、一番前に並びます。


ある日、天使たちが特製ちゅーるを配り

始めました。


「今日はマグロ味でーす!」


その声が聞こえた瞬間です。


十五歳とは思えないスピードでダッシュ(笑)


周りの若い猫たちが、


「速っ!」


と驚くほど。


食べ物への情熱だけは、年齢という言葉を

知りません。


神様も苦笑いです。


「食欲だけは永遠なんだね。」


そんなある日、新しく一匹の子犬が天国へ

やって来ました。


まだ幼く、不安そうに辺りを見回しています。


知らない場所。


知らない仲間。


家族と離れてしまった寂しさ。


誰にも話しかけられず、小さく震えていました。


みんながどう接していいか迷っている中、

一匹だけ迷わず近づく猫がいました。


ミーちゃんです。


何も言いません。


ただ隣に座り、自分のしっぽを子犬にそっと

巻きつけました。


その温もりだけで十分でした。


子犬は安心したように眠り始めます。


「大丈夫。」


そんな言葉が聞こえた気がしました。


それ以来、その子犬は毎日のように

ミーちゃんの後ろを歩くようになります。


まるで弟子です。


でもミーちゃんは相変わらずマイペース。


歩いていても突然寝る。


気分が乗らなければ返事もしない。


それでも弟子は嬉しそうについていきます。


天国では、


「ミーちゃん親分。」


そんな呼び名まで付いてしまいました。


一方その頃。


地上の実家では、母親が古いアルバムを

開いていました。


そこには、若い頃のミーちゃん。


魚を狙っている写真。


父親の布団を堂々と占領している写真。


私の膝で眠っている写真。


ページをめくるたび、自然と笑顔になります。


「本当に偉そうな猫だったね〰。」


そう言った瞬間。


窓から、ふわっと優しい風が吹きました。


カーテンが揺れます。


どこからともなく、首輪の鈴のような小さな音が

聞こえました。


「……来た?」


家族は顔を見合わせます。


もちろん、本当に来たのかは分かりません。


でも、不思議とみんな笑っていました。


その頃、天国では。


神様がベンチに座ろうとすると、そこには

先客が。


ミーちゃんです。


神様は笑いながら言いました。


「また君か。」


ミーちゃんはゆっくり目を開け、


「何か問題でも?」


と言わんばかりの表情。


神様は肩をすくめました。


「はいはい。その席も貸してあげよう。」


周りの犬や猫たちは大笑い。


今日も天国は平和です。


ミーちゃんは姿こそ見えません。


けれど、きっと今も変わらず、誰かの膝を占領

し、おやつを一番にもらい、みんなの真ん中で

のんびり暮らしているのでしょう。


そして、ときどき風に乗って家族のもとへ

帰ってきては、


「ちゃんと元気にしてる?」


そんな顔で様子を見に来ているのかも

しれません。


我が家のセンターは、住む場所が天国に

変わっても、やっぱりセンターのまま。


きっと今日も神様を少しだけ困らせながら、

天国のみんなを笑顔にしているはずです。

最後まで読んでいただきありがとうございます😊

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